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韓国の民主主義が、辛うじて生き残った。文政権によるユン検察総長「停職2ヶ月」の処分に対して、行政裁判所はこの処分を取消した。これで即時、ユン総長の職務復帰が実現する。24日のクリスマスイブは、韓国の良心派を安心させたであろう。

 

進歩派の看板を掲げる文政権は、司法の中立性を冒すという重大な過ちを司法によって糺された。これで、文政権にまつわる疑惑が一挙に解明されるだろうが、「高位公職者犯罪捜査処」(高捜処)によって文大統領は事件もみ消しが可能である。だが、検察による疑惑捜査は可能である。起訴するかどうかは文大統領の息のかかった高捜処によって決められる。だが、国民の目を欺くことは不可能である。進歩派は、次期大統領選でその欺瞞性を批判されるだろう。

 


『聯合ニュース』(12月24日付)は、「
韓国検事総長が職務復帰、裁判所が懲戒処分の効力停止決定」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国のソウル行政裁判所は24日、尹錫悦(ユン・ソギョル)検事総長が申し立てた停職2カ月の懲戒処分の執行停止に関する2回目の審理を開き、尹氏の訴えを認めて懲戒処分の効力を停止する決定を下した。尹氏は即座に職務に復帰する。尹氏は、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の懲戒請求を受けて法務部の検事懲戒委員会が自身に対する停職2カ月の懲戒を決定したことを不服とし、17日に懲戒の取り消しを求める訴訟を起こすとともに停職の執行停止を申し立てていた」

 

この決定は、韓国進歩派全体の敗北である。政権の犯罪捜査を中止させようという狙いは、進歩派の看板を掲げる政権の行うことでない。保守派以上の醜悪な実態を露呈した。口を開けば、「公正、平等、民主」と呪文のように唱える文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、真逆のことをやっているのだ。文氏は、進歩・保守という区別を超えた、ただの民族主義者に過ぎない。文氏の最高の政治目的は、共産主義北朝鮮と合体することである。韓国の民主主義が滅びても、韓国は北朝鮮と一体化することで朝鮮民族は救われるという思想の持ち主である。

 


文氏は、朝鮮民族と合体するためには、今後とも進歩派政権を継続させなければならない。そのためには、文政権の疑惑捜査を中止させる必要がある。そういう「信念」で、ユン検察総長排斥を意図したに違いない。その目論見が100%崩れたのである。韓国の民主主義が、土壇場で息を吹き返したのである。

 

文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』(12月19日付)は、「停職2カ月の韓国検察総長の前に置かれた3つのシナリオ」と題する記事を掲載した。

 

(2)「裁判所が近いうちに執行停止申立てを認容した場合、ユン総長は再び職務に復帰する。本案訴訟が確定するまでは長い時間がかかるため、来年7月までの任期を完全に全うできる。彼の復帰で懲戒が無意味になれば、これを裁可した文大統領への打撃が大きくなる。与党が反発している「月城(ウォルソン)原発1号機経済性操作」事件の捜査などにも弾みがつくものとみられる。ユン総長が強調した「生きた権力の捜査」の流れがさらに強まる可能性がある。ユン総長側が望んでいるシナリオだ」

 

このパラグラフは、政権支持メディアならではの分析である。要約すれば、次のようになる。

1)文大統領への打撃が大きくなる。

2)与党の反発している疑惑事件の捜査が進展する。

3)ユン総長による「生きた権力の捜査」がさらに強まる。

 


文大統領の打撃は極めて大きい。自らが任命したユン検察総長に対して、「停職2ヶ月」を申し渡したのは、司法の中立性を冒したからである。文氏も弁護士出身である。司法の独立性は百も承知のはず。それが、自らの利害に関わる問題となれば、掟を破って政治介入する。これほど定見のない行動も珍しい。文大統領への打撃は大きくて当然なのだ。

 

韓国の民主主義を守る上で、政権にまつわる犯罪を敢然と捜査する司法が存在することは、国の宝であるはずである。それを、「検察独裁」など罵って「検察改革」を行う意図が、そもそも邪悪なのだ。韓国政治が、この程度のレベルであることは、反日問題が後を絶たない理由であろう。