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文政権が、ユン検察総長を排斥するきっかけは、前法務部長官チョ・グク氏の不正を暴いたことにあった。以来、ユン検察総長は政権・与党の不正を暴き続けて、ついに「停職2ヶ月」という事態を迎えた。その逆風は、行政裁判所によって吹き飛ばされた。

 

いわゆる「チョ・グク事件」は、チョ氏が妻のチョン・ギョンシム氏(東洋大学教授)と共謀して娘の不正入試を手助けしたことや、私募ファンド違法投資で得た不正利益が糾弾されたもの。裁判所は12月23日、妻に「懲役4年 罰金5億ウォン(約4680万円)」という厳しい判決を言い渡した。これで、ユン検察総長の指揮した捜査が間違っていなかったことを裏付けた。夫のチョ・グク氏も共犯として起訴されている。同様の実刑が、科されると見られる。

 

文政権は、与党と共に「チョ・グク事件」を擁護してユン検察総長を非難してきただけに、苦しい立場に追込まれている。24日には、行政裁判所からユン検察総長に対する「停職2ヶ月措置」も違法とされ却下された。文政権は、手痛い「2連敗」を喫したことになる。

 


『朝鮮日報』(12月25日付)は、「裁判所『反省せず、真実言った人に苦痛与えた』 この政権がまさにそうだ」と題する社説を掲載した。

 

韓国与党と親文(親文在寅〈ムン・ジェイン〉大統領)勢力がチョ国(チョ・グク)被告=前法務部長官=の妻チョン・ギョンシム被告=東洋大学教授=に懲役4年を言い渡した裁判所に対して一斉に攻撃に出た。これらの人々の行動を見ていたら、予想できたことだった。論理的な判決文への批判はなく、低質な悪口ばかりだ。これも彼らの典型的な姿である。

 

(1)「与党の議員たちは「司法改革」と「裁判官弾劾」も取りざたした。チョ国無罪を主張していた親文サイトには、(判決を下した)判事の個人情報と共に、「街中をむやみに歩き回るな」という脅迫文まで掲載された。「急死しろ」というのろいの言葉もある。チョ国一家の破廉恥な行為を包み隠して回るという過ちに対する反省は一つもなく、裁判所の判決をおとしめようという政治攻勢ばかりだ」

 

韓国は、相手を批判する言論が暴力になっている最低の国である。とても、民主主義国と胸を張れる状況ではない。この「輩」が、反日運動でも登場するから、日本の受けるしこりは大きく「嫌韓」が尾を引くのだ。

 


(2)「570ページ余りにわたる今回の判決文には、重要な罪状で有罪と判断した根拠とその理由がぎっしり書かれている。その中でも特に目を引いたのが、今回の裁判に臨んだチョン・ギョンシム被告の態度を指摘した部分だ。裁判所は、チョン・ギョンシム被告が「一度も過ちを率直に認めて反省した事実はない」としている」

 

「事実、チョン・ギョンシム被告とチョ国被告夫妻は今回の判決で、すべてが虚偽と偽造であると判明した娘の入試のための「7つのスペック(資格)」について、一つも過ちを認めたことがない。チョ国被告は今回の判決で、チョン・ギョンシム被告との「共謀」とウソが明らかになったのにもかかわらず、「さらにいばらの道を歩まなければならないようだ」と依然として殉教者ぶっている」

 

チョ・グク氏は、ソウル大学教授である。夫婦揃って大学教授である家庭で、娘を一流大学医学部へ入学させようと企んだ事件である。推薦入試制度を悪用して、事実でない「賞状」など偽造した罪に問われた。韓国は学歴社会である。一流大学でなければ幅が効かない。そういう見栄も手伝って、引き起された事件だ。違法投資ファンドで、不正利益を得たことも追及された。

 

(3)「判所はまた、チョン・ギョンシム被告側が、「真実を話した人々に精神的苦痛を与えた」とも言った。事実を述べたのにもかかわらず、「虚偽の陳述」に仕立てて攻撃したということだ。チョ国一家の表彰状偽造を暴露して教育部の監査の標的となり、とうとう辞表まで出した東洋大学総長のケースがその代表的な例だ」

 

被告が、一度も真実を語らなかったことも裁判所の心証を悪くした。

 

(4)「驚くべきことに、裁判所のこの2つの指摘は現政権の特性をそのまま指摘していると感じた国民も少なくなかっただろう。現政権が発足して3年半もの間、大統領とその周辺の勢力者たちは自分たちの過ちを認めて謝罪したことがない。その反対に、政権の過ちを暴いたり、真実を言った人々に腹を立てて攻撃したり、そうした人々を罪人に仕立てたりした」

 

文大統領は25日、今回のユン検察総長の一件で初めて国民に謝罪した。さらなる支持率下落に、危機感を募らせたに違いない。

 


(5)「蔚山市長選挙工作、柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長監察打ち切り、ライム・ファンドやオプティマス・ファンド捜査など、政権の不正が発覚する危機を迎えると、反省どころか検察捜査チームごと空中分解させた。検察総長(日本の検事総長に該当)には濡れ衣を着せて懲戒処分した」

 

ともかく文政権は、進歩派の看板を背負いながら、あくどいことばかり行っている。韓国の進歩派は、体の良い暴力団と同じ感覚の持ち主である。反省しない。責任は擦り付ける。言葉の暴力で人権無視の振る舞いをする。呆れた存在なのだ。

 

(6)「原発の経済性操作を監査した監査院長も人身攻撃した。慰安婦被害者をだまして利益を得ていたことが明らかになった尹美香(ユン・ミヒャン)議員は今も金バッジをつけたままワインパーティーを開き、真実を語った慰安婦被害者を認知症だと言った。不動産価格高騰やワクチン確保の失敗を案じる報道を「フェイクニュース」だとしてメディアのせいにばかりしている。「過ちを一度も反省せず、真実を語った人に苦痛を与えた」という裁判所の判決文は、まさにこの政権に対するものだ」

 

ともかく、人身攻撃が酷い国である。身内には優しく敵方には暴力的である。韓国の民主主義は未熟なのだ。