テイカカズラ
   

韓国の裁判は、情緒的とされている。国民感情に沿った判決をするという意味だ。憲法に則った判決よりも、国民情緒を優先する「国民情緒法」が存在するという揶揄である。韓国では今、大法院長(最高裁判所長官)が、判事の健康悪化を理由に提出した辞表を受理せず、国会の裁判官弾劾議論の進展を待っていたという驚くべき事実が浮上した。

 

文大統領は、ことあるごとに「三権分立」を強調している。旧徴用工判決でも、これを理由に政府が問題解決に乗出さず、日韓関係を泥沼化させてきた。この「三権分立」論は、韓国では非常にいかがわしいことを証明した。司法が、国会の立法府に従属する動きをしているからだ。韓国司法が真に独立しているならば、国会の弾劾と関係なく判事の辞表を受理すべきであった。私が、韓国司法を「田舎裁判」と指摘する理由は、こういう裁判所の従属性にある。

 


『朝鮮日報』(2月5日付)は、うそつき大法院長保有国、『文在寅の国』の真骨頂」と題する社説を掲載した。

 

(1)「金命洙(キム・ミョンス)大法院長が昨年5月、辞表を出した林成根(イム・ソングン)釜山高裁部長判事に「辞表を受理すれば、国会で弾劾ができなくなる」と語った問題で、金大法院長はそんなことは言っていないと否定していたがうそと判明した。林部長判事が当時の会話記録を公開したことで逃げられなくなった。判事は(裁判で)うそを判断する存在だ。ところが、一般の判事でもない大法院長がうそをつく。海外でも話題にされてしまう出来事だ。うそがばれても恥ずかしがる様子もない」

 

金大法院長は、文政権が抜擢した人事である。文政権への忠誠心が極めて強い人物だ。大法院長就任に野党は反対した。理由は、文政権の意向を受入れ、裁判官の粛清を行うことが危惧されたのである。現実に就任後、約100人の裁判官をヤリ玉に挙げた。すべて、文政権が動いた結果である。金大法院長が、こういう政権と密着した行動を取ってきた以上、今回の国会の弾劾にも協力する動きをしたのは驚くに値しないだろう。

 


(2)「大法院長が「うそ」をついた事実だけでも驚くべきことだが、そのうその過程には本当にあきれる。政治家や詐欺師が繰り広げる茶番レベルのおとぼけ、もみ消し、前言撤回などを大法院長が見せてくれた。金大法院長は「弾劾問題で辞表を受理できないという趣旨のことは言った事実はない」としらを切った。2人で会話していたので他に証人はいないと信じ、真っ赤なうそをついたのだ。良心を欠く人物だ」

 

大法院長が、噓の発言をしたことが判明した。公的問題についての「噓発言」は、司法トップの人間に許されることでない。

 

(3)「さらに驚くべきことには、そのうそを大法院名義の答弁書に盛り込み、野党議員に送ったことだ。国会で事実上の偽証までした。林部長判事が改めて「大法院長がそういうことを言った」と反論しても、それをもみ消して持ちこたえた。林部長判事が会話記録を公開しなかったとすれば、民主党は林部長判事をうそつきとして追及したはずだ。それでも足りないと思っている人物たちだ」

 

大法院長の噓発言は、国会において行われたので偽証になる。辞職に発展する問題だ。ただ、政権・与党は一体になって、この「嘘つき」大法院長を守るに違いない。韓国司法に泥を塗ることになろう。

 


(4)「
林部長判事は検察の捜査を受け、体重が30キロも減り、大病まで患ったという。そんな人が辞表を出したのに、「弾劾しなければならないから、辞表を受け取れない」というのは人間の言葉だろうか。金大法院長は林部長判事に「はっきり言えば、(与党が)弾劾しようとあんなに気勢を上げているが、私が辞表を受理したということになれば、国会で話を聞いてどうするんだ」とも語った。国会とは言っているが、実際には民主党のことだ。司法府よりも民主党が重要な人物だ。金大法院長は林部長判事との面談前日と当日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領とさまざまな行事で相次いで会っていたという」

 

金大法院長は、就任に当り野党の反対が強かったので、林部長判事らを通じて野党に根回しをしたという。金氏にとっては、因縁浅からぬ存在の林氏にもかかわらず、政権・与党へ媚びを売るべく平然として辞表受理を拒否したのだ。さらに、噓の証言までするのは、人間としても失格である。判事が、人事面で国会と関係を持つのも問題である。

 


(5)「文政権は今、林部長判事に対する無理な弾劾で一線判事を脅しているが、大法院長は後輩判事をスケープゴートに仕立て上げた。自分を大法院長に任命した政権に恩返ししようと、司法権の独立を踏みにじった。金大法院長こそ弾劾に値する。しかし、国会を掌握した巨大与党が弾劾を行うはずがない。韓国は政権の手足のように動き、顔色をうかがううそつきが大法院長を務める国だ。非道なことを思い通りにやり、ばれてもむしろ堂々と顔を上げて怒る文在寅政権も大法院長らしいと言わざるを得ない」

 

大法院長の醜聞は、韓国司法の信頼性を大きく傷つけた。文在寅氏が大統領を務める韓国は、道徳面で地に墜ちた存在である。