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中国国民は気の毒である。高騰するマンションを手に入れても欠陥だらけである。耐用年数は、20~30年という驚くべき手抜きが横行している。住宅ローンを払い終える頃には、建物はガタガタで立て替えが必要になるというのだ。

 

中国では、金融商品が限られている。海外への投資は事実上、禁止状態である。社債を買えばデフォルトはざら。社債格付けは、全く信じられないほど超甘の格付けである。最上等の格付けでも、デフォルトは珍しくないのだ。こうなると、勢い住宅投資が資産対策になる。そのマンションが、手抜き工事なのだ。踏んだり蹴ったりとは、このことを指すのだろう。

 


『大紀元』(2月12日付)は、「欠陥住宅視察の役人、エレベーターに閉じ込められる 住民『天道様が見てくれた』北京」と題する記事を掲載した。

 

中国北京市延慶区の分譲マンションを購入した市民はこのほど、当局に手抜き工事を訴えた。問題のマンションを視察した区政府の担当者と開発業者が一時、故障が起きたエレベーターに閉じ込められるというハプニングが起きた。

 

(1)「購入者によると、昨年12月28日、デベロッパーの中交地産と富力集団から、延慶区にある新しい集合住宅団地「中交富力雅郡」の分譲住宅の引き渡しを始めるという通知を受け取り、購入者らは30日から新住宅の様子を見に行った。しかし、水漏れや壁のひび割れなど多くの欠陥を見つけたという。同分譲物件の販売価格は1平方メートルあたり1万8000元(約29万2141円)。全戸数は2506戸だという。購入者らは開発業者にクレームを訴えたが、解決に至らなかったため、区政府に陳情し始めた」

 


上記の欠陥マンションの分譲価格は、1平方メートルあたり約29万2141円である。
東京23区マンションの同単価は、2019年で112万3000円となっている。ざっと3.8倍の差がある。これは、日中の所得格差を考えれば、ほぼ見合っていると言えよう。

 

耐用年数は、日本が約70年であるのに対し、中国は前記のように手抜き工事で20~30年と木造住宅以下である。とすれば、耐用年数を考慮に入れると、極めて高い買い物をしている計算になる。これは、業者が「濡れて粟」であり、中国政府がそれを税金で吸い上げている計算だ。住宅バブルで一番儲けたのは政府である。

 

(2)「購入者団体、「2500戸業主心声(2500戸購入者の心の声)」は、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に投稿し、24日、購入者らは延慶区政府の陳情窓口で、欠陥住宅問題に抗議したと明らかにした。投稿によれば、購入者らが区政府で陳情した後、当日、区政府の住宅管理部門の幹部と開発業者の責任者は購入者とともに、住宅を視察した」

 

2500戸といえば、大型マンションである。そこで、手抜き工事が一斉に行われていたとは、信じ難いことである。

 

(3)「この時、区政府の幹部らがマンションの9階に行くために、エレベーターを利用した。しかし、故障でエレベーターが1階と2階のフロアの間で停止し、幹部らは約30分間エレベーターの中に閉じ込められた。これを見て、購入者らは「お天道様もわれわれの側についた」「エレベーターに閉じ込められた開発業者の責任者と区政府の幹部は何を思っただろうか」とコメントした」

 

区政府役人が、手抜き工事マンションを視察中にエレベーター故障が起こったという。これでは、建設業者も弁解出来ない状況になったに違いない。

 


(4)「『2500戸業主心声』は微博に、欠陥箇所の映像も投稿している。ある動画には、購入者が手で部屋のドアの枠を簡単に外した様子が映っている。別の映像では、壁の内はセメントではなく、普通の土であった」

 

壁の中はセメントでなく、普通の土であった。他の手抜き工事では、壁の中身がスカスカの発泡スチロールだったことがあるという。こうした出鱈目な工事が行われていることから、中国経済は将来、どうなるかという懸念が浮上する。

 

当然、「建て替え」が必要になろう。だから再び住宅需要が出て、景気を押し上げるという楽観論は通用しまい。購入者の年齢から見て、資金を捻出できない事態が起こる。そのとき、中国は「住宅地獄」に陥るであろう。GDPの潜在成長率は1~2%。50歳過ぎて新たな住宅ローンを組める余裕はあるまい。中国政府は現在、罪作りなことを平然と行っているのだ。