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韓国の倒産は企業だけでない。大学が、急速は少子化によって定員を3~5割も削減しなければ生き残れない時代へ突入した。韓国の大学(短大を含む)進学率は95.8%(2018年)で世界5位である。最早、進学率を上げる余地もなくなっている。そこで、入学定員を3~5割も減らすというのだ。大学教授も首切り時代を迎える。

 

『東亞日報』(5月21日付)は、「圏域別大学定員枠を一括縮小、成果優秀大学への逆差別になってはならない」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国教育部(文部省)は昨日、学齢人口の減少に備えて全国大学の圏域別定員枠を減らし、財政環境の厳しい限界大学を淘汰させる内容の大学構造調整案を発表した。高校1年生が大学に進学する2024学年度から、首都圏を含め全国を5つの圏域に分け、圏域別に30〜50%の大学に定員枠削減を勧告することにした。また、来年、限界大学を選定後、3段階の是正措置を下しても再生が難しければ、閉校を命令するという。定員枠削減は勧告事項だが、政府の財政支援と連携しており、大学としては強制的に従わざるを得ない」

 


入学定員の3~5割削減は、乱暴である。自主的に合併・吸収が可能になるようなシステムを作るべきだ。日本では、そういう体制づくりが進んでいる。経営努力をしたところと、何も努力もしない大学を同じ扱いで一律カットは乱暴である。

 

韓国政府は、学齢人口が2010年の1001万人から、2021年には758万人に減少すると予測していた。しかし同じ期間、全国の大学数は6校の減少にとどまった。専門大・教育大・産業大を除いた一般大学は、179校から191校へとむしろ12校も増えたのである。比較時点を2003年(169校)にすると、実に22校も増えているのだ。このように、定員を減らしたが大学数が増えるというチグハグナ状況であった。

政府が、地方大を中心に入学定員を減らした点も地方大の危機を招いたという。学生減少で地方大の財政が先に悪化し、投資が減ると、首都圏の大学と競争力の差が広がったという分析である。大学教育研究所は先月、報告書を通じて「2008-13年に3万6164人の定員を縮小したが、政府財政支援制限大学などの70-80%が地方大」とし、「2013-18年の縮小人員6万514人の76.7%も地方大だった」とされている。

こうして、主として地方大学の定員を減らし不公平感が強いので、今回は一律に定員減を行なうというのだ。これは先述の通り、大学の自主努力を無視した強行策である。

 


(2)「教育部は、学生たちが集まる首都圏大学の定員枠を減らす理由について、「学齢人口減少という絶体絶命の危機の中で、共同努力が必要だ」と説明した。人口崖の衝撃で定員割れする地方大学が続出すると、首都圏の大学にも苦痛分担を要求したのだ。しかし、財政悪化で学生募集が難しい限界大学84校のうち62校(73.8%)が、首都圏外にある。少子化のせいもあるが、不正やモラルハザードで閉校の危機に追い込まれているところも多い」

 

競争による自然淘汰が望ましい。政府の命令でなく合併・統合という手段を講じるべきだ。限界大学が84校もあるという。大学(短大を含む)数は、約400校であるので、実に2割が「倒産線上」にある訳で、これこそ、自主的な廃校を迫るべきだろう。

 

(3)「大学構造改革をしながら、首都圏と非首都圏間の公平性だけを考慮することも近視眼的だ。英国のグローバル大学評価機関QSが評価を始めた2003年以降17年間、上位30位内にランクされた国内大学は1校もない。先端技術の競争が国家安保を左右する時代に、大学教育政策は国家競争力の向上において決定し、執行しなければならない」

 

韓国の大学が、国際競争に持ち堪えられないのは、実学軽視も大きな理由だ。工学部でも、実技は街の塾が教えるという「荒唐無稽」なことをやっているのだ。4年間の学部生活で、理論も実技もしっかりと教え込む一貫教育が必要である。韓国の大学は、「座学」を中心にし過ぎるのである。

 


(4)「
大学評価で低い点数を受ければ一般財政支援や特殊目的支援事業、国家奨学金支援などで部分的に除外される。この場合、地方大が自ら定員を縮小するよう誘導できるが、財政安定性・競争力が弱まり、これが学生補充の困難につながるというのが、専門家らの指摘だ。大学教育研究所が2019年基準で政府の一般支援事業を分析した結果、首都圏大学支援額は1校あたり約225億ウォン(約22億円)で、地方大(121億ウォン)の倍だった

 

韓国の首都圏大学で、政府の財政支援額は約22億円。地方大学は約12億円である。この金額は、日本に比べて圧倒的に少額である。

 

データは、平成21年度と約10年以上と古いのだが、次のような状態である。

国立大学では、東大の878億円がトップで、最後は鹿屋体育大学の14億円。私立大学トップは、日本大学の107億円、50位が東北学院大学で12億円である。これらの実態から見て、韓国の大学への財政支援は少ないのだ。

 

日本では2020年度から、学費免除と給付型奨学金が行なわれている。学費の場合、親の年収が年220万円ならば標準額(私立大学で入学時96万円)の支給。300万円なら標準支給額の3分の2支給。380万円ならば、標準額支給の3分の1となる。学生の生活面の支援体制も組まれている。給付型奨学金では、標準額で上限額91万円になる。これまで、奨学金地獄と言われてきたが、アルバイトをすれば、卒業後に奨学金債務を背負い込まなくなるであろう。

 

日本は、このように低額所得者の家庭にも大学進学を可能にさせるようになっている。韓国も、大学の定員の大幅削減を先に強制する前に、学生に大学を選ばせる経済的な支援をすることが必要だ。

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