中国共産党は、1989年の天安門事件以来の世界的な危機を迎えている。香港への「一国二制度」を放棄し、新疆ウイグル族への人権弾圧が、先進国からの猛批判を招いた。それだけでない。南シナ海や東シナ海への海洋進出が、軍事的危機感を高めているのだ。これら全てが、習近平氏の指揮で行なわれている。
習氏は、この世界包囲網突破のため、「愛される共産党」キャンペーンするように指示している。いくら猫なで声で「ニーハオ」と囁かれても、騙される国はないはず。だが、成算ありと見ているのであろう。
『大紀元』(6月3日付)は、「信頼でき『愛される共産党を』習氏、国際発信力の強化を指示 高まる批判に危機感か」と題する記事を掲載した。
習氏は5月31日、対外プロパガンダ宣伝および国際発言権の強化に関する中央政治局の会議に出席した。背景には、国際社会で、人権侵害問題、好戦的な戦狼外交、新型コロナウイルスの情報隠ぺいなどを巡って中国当局に対する批判の声が高まっていることがある。
(1)「国営新華社通信によると、習近平氏は同会議で、新しい情勢の下で国際社会に向けて発信力の取り組みを強化し改善する重要性と必要性を強調し、「中国の特色ある」戦略的な国際発信システムを構築するよう要求した。また、習氏はこのシステムを通じて、「中国(共産党)のストーリーを正しく語り、中国(共産党)の声をしっかりと発信し、真実の、立体的かつ全面的な中国(共産党)を示す」「我が国の改革・発展・安定のために有利な外部世論の雰囲気を醸す」「信頼でき、愛され、尊敬される中国(共産党)のイメージ作りに取り組む」などと述べた」
「中国の特色ある社会主義」とは、言論弾圧・人権弾圧の専制主義である。これは、国民に不幸だが権力者は好都合である。これまで中国は、権力者に取り入るべく賄賂を贈ってきた。また、王宮風の建物を寄付して権力者意識をくすぐってきた。要するに、古典的贈賄手法である。
(2)「在米中国語雑誌『北京之春』の名誉編集長、胡平氏は、習近平氏の発言について、「国際社会の非難で中国当局が苦境に立たされていることが浮き彫りになった」との見方を示した。中国民主化活動家でもある胡平氏は、中国当局は現在、1989年天安門事件以来、最大の挫折を経験しているとした。「今、至る所で中国共産党への不満と批判を耳にすることができる。中国当局にとって、外部からの圧力は過去最大となっている。各国、特に民主国家では、中国共産党政権への反感はますます高まっている」という」
下線部分は事実である。中国の香港「吸収合併」(一国二制度の破棄)は、欧米との間に決定的な溝をつくった。従来、中立的立場の欧州をはっきりと「反中」側に追いやった。習近平の強引さが招いた落し穴である。最早、この失敗を埋める道はない。
(3)「胡氏は、5月31日の会議の目的は、国際社会において中国共産党の良くないイメージを払拭し、「信頼でき、愛されるイメージを作る」ことだけだと指摘した。同氏は、今後、中国当局が「戦狼外交を減らし、発言も少し柔らかくするだろう」と予想した。「しかし、共産党が引き続き傍若無人な行いを続けるのであれば、いくらその宣伝方法を変えても無駄だろう」という」
イメージという薄っぺらな問題でない。民主主義という運命が掛かった「闘争」と言える。発展途上国は当初、中国の上辺だけの微笑みを有り難がるとしても、それは「悪魔の微笑み」である。借金漬けになって担保を差押えられ、身ぐるみ剥がされるが落ちである。
(4)「反米で名を知られる復旦大学中国発展モデル研究センター主任の張維為教授が、5月31日の中央政治局の会議に参加したことが注目された。国営新華社通信の報道によると、張教授は指導部に対して、国際発信力の強化に関して提言を行ったという。しかし、発言の詳細は不明だ。張教授はその後、政府系メディア「人民網」の取材を受けた。この際、同氏は、西側諸国は中国当局を「誤解し、読み間違えている」と批判した。中国国内ネット上では、張教授は「米国を貶す専門家」と揶揄されている」
下線部は、強がりに過ぎない。西側諸国が、中国の甘言に騙されるほど幼稚であるはずがない。西欧において、中世から続いた民衆の戦いで得た人権が、現在の民主主義である。中国は、歴史的に言えば中世の段階に止まっているのである。中国は、カビが生えた政治制度であることに気付かない、気の毒な存在である。
(5)「張氏は、著書『中国の戦疫(中国語:中国的战疫)』で、新型コロナウイルスの大流行は、「全世界を東方に傾けさせる触媒剤である。これによって、西側諸国の経済状況が悪化し、国際社会における地位が落ちるだろう」と欧米での感染拡大をチャンスだと捉えた。海外のツイッターでは、「口から出任せを言う偽物の教授が、なんと政府に提言している」と驚いた中国人ユーザーがいる一方で、「張維為氏が中国共産党のブレーンになっているのを見て、逆に安心したよ」と書き込んだ人もいる」
下線部分は完全な間違いである。破綻するのは中国経済である。人口高齢化の重圧に押し潰される。脱二酸化炭素では、エネルギー多消費の製造業が浮沈の淵にある。中国は、二酸化炭素の塊である石炭が主要エネルギーである。ここに、大量の労働力を吸収している。これをどうやって他産業へ振り向けるか。これ一つ取っても解決が極めて困難である。中国の将来は、決して楽観を許さないのだ。衰亡へ向かっている。
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コメント
「習近平(キンペー)氏に代表される中国政府は、(ウソ宣伝力を含む)情報宣伝力においてアメリカ・イギリスに本気で勝てると思っているのかね。もう救いようが無いね。」
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