a0960_008567_m
   

豪州の大学教授が、韓国で新著『中国の静かな侵攻』を出版した。それによると、かつての豪州は、チャイナ・マネーに酔いしれて、「ウエルカム中国」であった。その豪州が、中国による政治的な陰謀に気づき、現在は「反中国」の姿勢へ大きく転換している。こういう経緯を踏まえて、韓国も中国の「底意」に気づき目を覚ませと忠告している。

 

『朝鮮日報』(6月13日付)は、「われわれが選択しなければ、中華は彼らの夢想にすぎない」と題する記事を掲載した。

 

米中貿易紛争に陰に隠れてしまっているが、オーストラリアも昨年から中国と本格的な貿易紛争を繰り広げている。理由は簡単だった。中国の湖北省武漢で最初に発生したコロナの起源について、オーストラリアが「国際調査をやろう」と主張したからだ。

 


輸出全体の40%を中国に依存するオーストラリアが、ある種のオーストラリア版「THAAD(高高度防衛ミサイル)報復」に遭っているのだ。しかし、オーストラリアは後に退かない。今年3月には中国をけん制する米国・日本・インド・オーストラリア4カ国の初の「クアッド」首脳会談まで開いた。経済を武器にして圧迫する中国に立ち向かっている。

 

(1)「オーストラリアはもともと、中国に立ち向かう国ではなかった。オーストラリアの融和的対中政策の基調を変えたきっかけの一つが、本書『中国の静かな侵攻』だ。英国サセックス大学で経済学の博士号を取った、オーストラリアの中国専門家クライブ・ハミルトン教授は、本書で「中国共産党はおよそ30年にわたって組織的に影響力拡大戦略を追求してきた」と主張している」

 

中国4000年の歴史は陰謀の歴史である。先ず、このことを頭に入れて置くことだ。外交面で、「ニーハオ」と微笑しながら近づいてくる裏に、何かの企みがあると見なければならない。中国と接触する際には、それくらいの用心深さが必要だ。中国の唱える「友好論」には、トゲが隠されている。

 


(2)「2017年、最初に本書を出すことになっていたオーストラリアの出版社は、中国の抗議を恐れて契約を破棄した。紆余(うよ)曲折の末に別の出版社から本を出したハミルトン教授は、このように語る。「オーストラリアは復活する中華の朝貢国になるだろうと悟った」。当時のオーストラリアは、香港独立を支持したという理由で大学生が学校側から停学処分を受け、中国の政治家が「元の時代の13~14世紀ごろ、中国の探検家がオーストラリアを発見した」と発言しても異議を唱えない国だった」

 

豪州には、チャイナ・マネー欲しさに中国へ媚びを売っていた恥ずかしい時代がある。

 

(3)「ハミルトン教授は、オーストラリアの政界・財界はもちろん学界にまで入り込んだ「チャイナ・マネー」を追跡する。オーストラリアで活動する中国出身の実業家らは政界の大手スポンサーになり、主な政治家らに巨額の献金を惜しみなくばらまいて「中国の友」にした-と指摘する。ハミルトン教授は、ロバート・ホーク元首相の名を挙げ「10年以上にわたり中国企業の契約締結を助ける仕事に集中し、2000年代半ばには5000万豪ドル(現在のレートで約42億円)もの財産を持つ富豪になった」と説明した」

 

ホーク元首相は、対中ビジネスの支援によって巨額の富を稼いだ。中国は、こうして政界トップに焦点を合わせて賄賂工作をしている。米国の元国務長官キッシンジャー氏へも、多額の資金が「顧問料」名義で渡っている。キッシンジャー氏が今も、「親中」の立場を離れられないのは、この理由である。トランプ氏は、キッシンジャー氏の意見を無視していた。

 


(4)「ハミルトン教授は、新しい韓国語版の序文で「中国はあらゆる側面で過去より国力が強くなり、より深刻な摩擦と葛藤も甘受できるようになった」とつづった。強くなった中国は米国・オーストラリア・韓国などを経済的に圧迫し、経済的侵攻を行っているというのが現実だ。この状況下で、ハミルトン教授は「『経済脅迫』を通して中国に経済的に依存する国から政治的譲歩を引き出した」と指摘する。韓国も直面したので分かる話だ。結局、中国の野心は領土紛争よりも経済と文化の領域で現れる、ということを示している。また、中国は一段と相手にし難い国になるだろうという見方も一致している」

 

中国は、日本の尖閣諸島国有化で大きな圧力を掛けたが不発に終わった。日本が毅然として対応したからだ。中国の前で狼狽えると、さらに付けあがってくるだけである。力には力で押し返すことが、中国に諦めさせる早道である。この中国に「正義論」は通用しない。

 


(5)「ハミルトン教授は、韓国語版の序文に「オーストラリア政府は北京(中国共産党)のいやがらせに立ち向かったが、韓国の政治指導層は早々とおじけづき、『戦略的あいまいさ』という惰弱な態度を維持している」と記した。食べていかねばならないので実利のためには仕方ない、という考えも抱くが、彼は著書で覚醒を促す。「『中国がわれわれ(オーストラリアの)運命だ』という思考は、実のところ中国のおかげで生計を維持している人々や企業が誇張し、メディアがばらまいたものだ。われわれは自ら選択したときにのみ、中華世界で生きることになるだろう」。韓国はいつまで選択を先延ばしにできるだろうか」

 

韓国は、歴史的背景によって中国に飼い慣らされている。その潜在的な不平不満のはけ口が反日である。「親中・反日」は、韓国社会の精神的バランスをとる必要な装置になっている。韓国は、1000年単位での中国支配と、たった36年間の日韓併合を比較して、なぜ日本をここまで非難するのか。それは、中国の過去に見せた韓国への報復が、いかに残忍であったかを示唆しているのだろう。ストックホルム症候群に陥っている証拠だ。韓国は、中国病の患者である。

 

次の記事もご参考に。

2021-06-11

中国、「呆れる」G7直前に王毅外相、韓国へチャイナを忘れるな「宗主国気取り」

2021-06-01

韓国、「自己反省」朝鮮以来、韓国に真の友好国が現れなかったのは「なぜか?」