韓国が、日韓国交正常化以降に日本を相手に貿易黒字を記録したことは一度もない。韓国は半導体など主要産業で急成長を遂げたものの、これに必要な装置・素材・部品分野は日本に依存している関係が続いている。韓国の対日貿易収支が万年赤字であるのは、日本の産業構造にとうてい敵わないことを示している。
『日本経済新聞 電子版』(6月25日付)は、「韓国、半導体装置で『脱日本』遠く 輸出管理厳格化2年」と題する記事を掲載した。
韓国の対日貿易赤字が再び拡大している。半導体製造装置などの輸入増で、1~5月の貿易赤字は前年同期比34%増えた。日本による対韓輸出管理の厳格化から間もなく2年。韓国政府が日本への依存度の高い品目で国産化を推進する「脱日本」は道半ばだ。
(1)「韓国貿易協会によると、1~5月の韓国の対日貿易赤字は前年同期比34%増の100億ドル(約1兆1100億円)だった。前年同月比の赤字幅拡大は13カ月連続となる。その要因は、最大品目である半導体製造装置の輸入増だ。1~5月の輸入額は29億ドルで前年同期比55%増えた。半導体材料を含む「精密化学原料」も12%増だった。世界的な半導体不足も背景にサムスン電子などが増産投資を表明し、日本の製造装置や素材を買い入れているためだ。これらは韓国政府が国産化を特に注力してきた分野だ」
韓国が、半導体産業で生きて行く限り日本から離れられない宿命である。半導体の装置・素地・部品の全てを日本からの輸入に依存している結果だ。元々、日本のお家芸であった半導体技術が、韓国に盗まれその上、日米貿易摩擦で日本が苦汁を飲まされ、急激な円高によって苦しんでいる間に、韓国が日本の「虎の子」を育てていた経緯である。それゆえ、元をただせば日本が半導体の盟主である。
(2)「韓国は2019年7月の日本の輸出管理厳格化措置に対抗し、素材と部品、装置の産業育成を打ち出した。補助金や税制優遇などで19年から3年間で5兆7000億ウォン(約5600億円)の予算を充てる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「危機を機会として、先端素材・部品・装備の製造強国に跳躍する」と鼓舞してきた。実際に成果もある。半導体の回路形成工程に使われるフッ化水素については韓国製の採用が広がり、足元の輸入額は18年と比べて1~2割の水準で推移する」
韓国が、部分的に国産化に成功しても、それはほんの一部であろう。これによって、日本の半導体関連産業がよろめくことはない。半導体産業の特色は、装置・部品・素材が一体化しており、人間の肌のように微妙な関係という。こういう関係を知悉している日本が、昨日、今日に国産化を始めた韓国に負けるはずがない。もっとも過信は戒めなければならないが、世界の半導体産業を相手にする日本が、未経験な韓国に揺さぶられることはなさそうだ。
(3)「消費に波及した「不買運動」によって、足元のビール輸入額は18年の1割程度の水準だ。韓国輸入自動車協会によると、日本車販売も半減したままだ。それでも対日貿易赤字が拡大するのは、日本の先端装置や素材が競争力を保つためだ。文政権は一部で「国産化実現」を強調するものの、対日貿易赤字の拡大は脱日本戦略の後退を示している。韓国半導体業界からは「日本製がなければ戦えない」との声も漏れる。サムスンは台湾積体電路製造(TSMC)などとの最先端競争を勝ち抜くために日系サプライヤーとの関係強化を求めているのが実態だ」
韓国は、感情論で日本へ立ち向かっているが、韓国だけの市場を相手にした開発は、コスト的に立ちゆかぬものだ。なぜこれまで、国産化を見送ってきたか。それは、コスト・品質の面で日本と競争できなかったからだ。
(4)「一方で日本企業側も韓国市場を重視する。東京応化工業は韓国のレジスト工場の生産能力を2倍に高めた。ダイキン工業も半導体製造用ガスの新工場を韓国企業との合弁で設立する方針を示す。日韓企業の相互依存関係は貿易統計を見る限り続いている。ただ、韓国企業の中には政府の意向を受けて国産品を採用する動きもある。米中対立を背景にサプライチェーンの寸断が企業活動に影を落とすなかで、国際分業の成功例だった日韓半導体産業もまた政治に翻弄されている」
日韓は、半導体で国際分業のモデルとされてきた。それが、歴史問題をきっかけに日本から「政経不分離」原則を投げつけられたものの、実態は何ら変わっていない。つまり、韓国の必要な装置・部品・素材の供給は100%行なわれている。韓国の慢性的な対日貿易赤字は、韓国が日本の技術「属国」である証拠だ。


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