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韓国銀行(中央銀行)は6月22日、過去最大にまで膨らんだ韓国の家計債務と不動産価格の高騰により、韓国の金融状況が2008年の世界的な金融危機以降で最も不安な状態にまで悪化したと指摘した。

 

韓銀が金利引き上げを意図している理由は、資産価格の上昇とそれを背景にした個人向け融資の増大である。もう少し説明すれば、個人が債務を増やして不動産や株式の投資を行なっていることから、資産価格が下落すれば債務返済が不可能になって「金融不均衡」が起るという危険性である。

 

今後の利上げは、10月に0.25%、来年1~2月に0.25%、つごう0.5%引き上げが想定される。現在の政策金利は0.5%であるから、1%へ引き上げられるもの。金融正常化の一環であるこういう予想が出てきたが、株価は弱気材料を吹き飛ばして、史上最高値を付けた。

 


『中央日報』(6月26日付)は、「
韓国株価の上昇続く、初めて3300超」と題する記事を掲載した。

 

3302.84。過去初めて3300を突破した25日のKOSPI(韓国総合株価指数)の終値だ。KOSPIの上昇が続いている。年初(1月7日)に3000時代を開いて以降、3100、3200を順に突破し、ついに3300を超えた。6カ月間に300ポイント(10%)上昇したということだ。この日の取引時間中には3316.08まで上昇した。前日の取引時間中の最高値は3292.27だった。

(1)「3300の扉を開いたのは外国人と機関投資家だ。この日、外国人(3494億ウォン)と機関(5897億ウォン)の買いが株価上昇を牽引した。一方、これまで株価を支えてきた個人は8190億ウォン(約804億円)の売り越しとなったるのは。この日、機関投資家と外国人の資金がSKハイニックスをはじめ、LG化学、サムスン電子など大型情報技術(IT)業種に集まった影響だ。最近急激に値上がりしたカカオ(-1.59%)とネイバー(-2.26%)は2日連続で下落した」

 


3月初めの2900台から一気の急上昇である。相場を牽引しているのは外国人投資家と機関投資家という。個人は利益確定で売りに出ている。すでに、来年2月頃までに政策金利は現行0.5%が1%に引き上げられる公算が強まっている。相場は、目先の動きは活発でも中長期的には警戒段階に入っている。いつ、崩れるかという秒読み段階であろう。

 

(2)「現在のKOSPIの上昇動力は米国だ。24日(現地時間)、バイデン米国大統領が注力してきたインフラ投資計画に上院議員が合意し、KOSPI上昇に火をつけた。AP通信などによると、今回合意した金額は9530億ドルにのぼる。各国の景気が回復の動きを見せるなか資金が供給されるということでリスク資産選好心理が回復した。KTB投資証券のパク・ソクヒョン投資戦略チーム長は「前日、米連邦準備制度理事会(FRB)が先制的な利上げはないとして緩和的基調を維持することを再確認し、経済の不確実性が消えた影響も大きい」と分析した」

 

下線部分は、明るい材料である。米国が、本腰を入れてインフラ投資によって経済成長の底上げを図ることは好材料である。一方では、インフレ問題が取沙汰されている。「利上げ待ったなし」の見通しが強まれば、相場は調整局面に入る。韓国株もその影響を免れない。

 

(3)「投資心理の回復で各国の株価も一斉に値上がりした。米ナスダック指数とスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)指数は前日比0.5%以上値上がりして過去最高値を更新した。アジアの日経平均(0.66%)、台湾加権指数(0.41%)も値上がりした。KOSPI上昇は下半期まで続くのか。楽観的な見方が多い。上昇の材料に挙がっているのは企業のアーニングサプライズだ。金融情報会社エフエヌガイドがKOSPI上場176社を対象に出した今年の年間営業利益(連結基準)推定値は199兆ウォンと、昨年末の推定値(173兆ウォン)に比べ14%以上増加した」

 

韓国は、特有の金融脆弱性を忘れてはいけない。韓国銀行は、初めて金融脆弱性指数(FVI)を開発。現在が、2008年のリーマンショック以来の最悪状態にあると発表した。韓銀によると、今年13月の韓国の金融脆弱性指数(FVI)は58.9で、08年の世界的な金融危機当時(73.6)以降の13年間で最高である。4~6月期は、08年にかなり近いと予測している。株価は、海外事情だけ見て有頂天になっていると、足元を掬われるに違いない。