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日本の対GDP防衛費は、桁外れに低いことが明らかになった。各国の2019年度の国防費を比べると、日本はGDP比で0.%である。米国は3.05%、ロシアは2.75%、韓国は2.44%、中国は1.25%(公表値のみ)になる。中国の海外進出が盛んな現在、余りにも心許ない状況である。

 

この結果、防衛予算の対GDP比は世界125位であり、G7の最下位だ。日本の少なさが際立つのだ。米軍におんぶに抱っこを続け、必要な投資を怠ってきたと指摘されるほどである。だが、日本が防衛費を増やせば、必ず「イチャモン」をつけるのは韓国である。すでに韓国進歩派は、日本を「極右国家」とレッテルを貼っているだけに、ここぞとばかり騒ぎ立てるであろう。

 

『日本経済新聞』(6月27日付)は、「中期防の前倒し改定、自民が公約に衆院選にらみ検討 中国抑止へ防衛費増」と題する記事を掲載した。

 

自民党は秋までにある衆院選の公約で、5年ごとの中期防衛力整備計画(中期防)の改定を明記する検討に入った。軍事力を強化する中国を抑止するため防衛装備品などの購入に充てる防衛費を増やす狙いがある。中期防の前提になる国家安全保障戦略や防衛大綱の見直しも視野に入れる。

 

(1)「中期防は5年ごとの防衛費の見積もりや必要な装備品の数量を定める。おおむね10年間の防衛力の目標水準を示す防衛大綱の裏付けとなる経費を示す内容になる。今の計画は2018年末につくり、19~23年度の防衛費を27兆4700億円程度と定めた。通常なら次の改定は23年末になるが、策定から3年後に国際情勢などを踏まえ再検討できると定める。21年は現行の中期防の3年目にあたり、自民党内で「防衛費を増やすため前倒しすべきだ」との声が広がる。菅義偉首相は4月にバイデン米大統領と会談し、共同声明で「日本の防衛力強化の決意」を確認した。中国が「核心的利益」と位置づける台湾に武力侵攻するのではないかと日米は警戒する」

 


米国は、NATO(北大西洋条約機構)加盟国に対して、防衛費の対GDP比を2%へ引き上げるように要望している。実現したのは10ヶ国程度であるが、防衛費拡充の方向にあることは間違いない。こういう国際的な流れの中で、日本もこれに沿った動きが求められる。

 

(2)「日米共同声明では52年ぶりに「台湾海峡の平和と安定」に触れている。台湾は沖縄県・尖閣諸島と170キロしか離れていない。台湾有事は尖閣防衛の問題に発展する恐れがある。防衛力をどう強化するか。自民党は組織的な戦闘を長期間にわたって続ける「継戦能力」を重視する。台湾有事が起こった際、米軍の主力が本土から駆けつけるのにおよそ3週間かかる。それまで最前線で戦う在日米軍などへの後方支援は自衛隊が主に担う想定だ。大量の弾薬や燃料、装備品の部品の備蓄が必要になる。新領域の技術開発も念頭にある。岸信夫防衛相は6月17日、欧州議会のオンラインでの公開審議で「宇宙やサイバーなどの技術に投資したい」と語った」

 

下線部のように、日本では台湾有事と尖閣諸島防衛が一体化したものとして捉えられている。中国が、米軍の分散を図らせて手薄化させる狙いだ。自衛隊は、米軍の後方支援を担うので大量の弾薬や燃料、装備品の部品の備蓄が求められる。防衛費が嵩むのは当然である。

 


(3)「日本経済新聞社の1月の世論調査において、日米関係で期待する政策を複数回答で聞いたところ「中国や北朝鮮への抑止強化」が54%でトップだった。日本が、台湾海峡の安定に関わる賛否を聞いた4月の質問では、「賛成」が74%に達した。国内世論は、防衛力強化への認識がたかまっている」

 

日経の世論調査では、台湾有事への関心の高いことが分かった。74%の人が「台湾海峡の安定に関わる」ことに賛成している。つまり、自衛隊が後方支援することを容認している。

 

『日本経済新聞 電子版』(6月21日付)は、「防衛費、まさかの日韓逆転 米国に甘え投資怠る」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のコメンテーター秋田浩之氏である。

 

4月の訪米から、主要7カ国(G7)首脳会議まで、菅義偉首相は怒とうの外交日程を終えた。「自由で開かれたインド太平洋」構想を実現するため、ひとまず欧米と一緒に中国に向き合っていく足がかりができた。

 

(4)「そこで、大いに気がかりなことがある。日本は同構想の提唱国だが、本気で実行する体制を整えているだろうか。残念ながら、そうは思えない。最大の問題は、安全保障の取り組みに欠かせない予算が極めて乏しいことだ。日本の防衛予算は5兆円強で、国内総生産(GDP)の約1%にすぎない。2013~21年度に増え続けたが、伸びはわずかだ。その間、中国の国防費は日本の約4倍になり、経済だけでなく、軍事の影響力もすさまじい。北朝鮮は核ミサイルを持ち、ロシアによるアジア方面の軍拡も続く」

 


日本の防衛費は、インド太平洋戦略の中核国としてはみすぼらしいのが実情である。有事の際は、とてもその任に堪えられまい。増額して体制固めが必要である。

 

(5)「北東アジアの厳しい情勢を受け、日本よりもずっと真剣に防衛に予算を注ぐ国がある。韓国だ。2017年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は18~20年度、前年度比7.0~8.%の勢いで、国防予算を急増させている。米集計によると、韓国の国防費はGDP比で2.%となり、米国を除くすべてのG7を超えた。国防中期計画(21~25年)では、総額約301兆ウォン(約29兆円)を予算に注ぐという。21年度の伸び率をもとに試算すると、為替レートが動かないと仮定すれば、23年度ごろには実額でも日本は韓国に逆転されてしまう」

 

韓国は、韓国軍の統帥権を在韓米軍が保持しているので、早急にこれを取り戻したいという気持ちが極めて強い。文大統領の公約に入っているほどだ。ただ、米軍は世界各地で統帥権を全て握っている以上、韓国だけ渡すことはあり得ない。ましてや、韓国進歩派は「親中朝」であるだけに、統帥権の移譲は危険である。38度線で有事が起これば、韓国軍は戦闘しないで和平交渉に応じることもあり得る。それほど信頼できない軍隊になってきた。