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来年3月の大統領選へ向けて、最有力候補者と見られている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前検察総長が6月29日、正式な立候補宣言をした。

 

ユン氏は検察改革などを巡って文在寅(ムン・ジェイン)政権と鋭く対立し、今年3月に検事総長を辞任せざるを得なかった。法務部長官から二度もの懲戒処分を受け、行政裁判所へ上訴して復権してきた。それも、限界として辞任したもの。

 

大統領選立候補に当り、ユン氏は記者会見で次のように語った。『聯合ニュース』(6月29日付)が報じた。

 


1)「ユン氏は、「この政権が犯した無道な振る舞いはいちいち列挙することも難しい」として、「この政権は権力を私物化するだけにとどまらず、政権を延長して国民を略奪し続けようとしている」と批判。「自由が抜けた民主主義は本当の民主主義ではなく独裁」とし、「到底彼らをこのままにして置くわけにはいかない」と強調した」

 

ユン氏は、文政権から捜査妨害を受けるという圧力を加えられてきた。蔚山市長選と月城原発の疑惑は、文政権を直撃するだけに絶対に捜査させないという強烈なものだった。民主派を名乗る政権が、こういうあくどいことをしたのである。

 

2)「また、「これ以上彼らの欺瞞(ぎまん)とうその扇動に騙されない」として、「腐敗し無能な勢力の政権延長と国民略奪を防がなければならない」と述べた。その上で、「同意するすべての国民と勢力は力を合わせなければならない。必ず政権交代を成し遂げなければならない」と訴えた」

 

文政権は、さらに進歩派政権の継続を狙って司法を味方につける露骨な干渉を人事面でしている。ユン氏にとっては、いずれも生々しい経験だけに、「検事の正義感」も手伝って、徹底的に洗い直すであろう。

 


日韓関係では次のように答えた。『産経新聞 電子版』(6月29日付)が伝えた。

 

(3)「文政権下で極度に悪化した日韓関係の改善に向けて意欲を示した。ユン氏は「今の韓日関係は回復不可能なほどだめになった」と指摘。イデオロギーにこり固まった文政権の姿勢に原因があったとの認識を示した上で、政権末期の現政権には収拾できないとの見通しを語った」

 

ユン氏は、文政権が対日外交でイデオロギーに固執したことで、日韓関係悪化をさせたと、はっきり認識している。後一年足らずの任期中に日韓関係改善は難しいとしている。

 

(4)「ユン氏は、日本との関係について、歴史問題の重要性に触れつつも「未来の世代のために実用的に協力しなければならない」と強調した。慰安婦やいわゆる徴用工問題に加え、日韓間の安全保障協力や貿易問題なども「全て一つのテーブルに上げて協議する方式でアプローチすべきだ」とも述べた。日韓間に防衛と外務の「2+2」形式や、防衛と外務、経済の「3+3」形式など各担当相による協議体を立ち上げ、関係回復を図っていく必要性にも言及した

 

日韓関係改善では、防衛・外務・経済の「3+3」委員会などの立上げに言及するなど、具体策に踏込んだ発言をしている。ユン氏は、検察総長辞任後に安全保障、外交、経済などと幅広い勉強会を行なってきた。予備知識は十分とみられる。

 

ユン前検察総長の辞任のほかに、28日は崔在亨(チェ・ジェヒョン)監査院長(日本では会計検査院長)が、「大韓民国のための役割を熟考する」として辞任した。政界は事実上、大統領選出馬の手順だと見なしている。文在寅政権が任命した二つの監査機関の首長が、任期を待たずに政治参加へ向かう珍しい現象が現れている。

 


これは、文政権がいかに非道なことを検察総長と監査院長に押し付けていたかを証明している。

『中央日報』(6月29日付)は、「検察総長・監査院長が政治を宣言する未曽有の事態」と題する社説を掲載した。

 

尹錫悦前検察総長がきょう、大統領選出馬を公式宣言するという。昨日は崔在亨監査院長が任期を待たず辞任した。特に、崔監査院長の辞退は格別だ。検察庁法に任期(2年)が明示された検察総長と違い、監査院長は憲法が任期(4年)を保障した憲法機関長だ。憲法は三権分立のために国会議員と大統領・大法院長の任期を明示しているが、監査院長も同じだ。崔院長に向かった一部の批判が、一見適切に見える理由だ。



(5)「それにもかかわらず、二人の政治参加を非難ばかりするわけにはいかないのが昨今の状況だ。このような事態を自ら招いた1次的な原因が文在寅政権にあるためだ。文在寅政権はチョ・グク元法務部長官一家の不正捜査や月城(ウォルソン)原発の早期閉鎖事件に対する監査を執拗に妨害した。人事権を振り回して両機関の政治的中立性と職務上独立性を押し倒し窮地に追い込んだ」

 

文政権は、政権疑惑捜査を封じるためにやりたい放題のことをしてきた。その咎めがこういう選挙の場で明らかにされようとしている。自業自得と言うほかない。

 

(6)「約1年間、ユン前総長を追い出すために行った秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官の無理な方法や、最近、朴範界(パク・ボムゲ)法務部長官の政権捜査を無力化するための検察中間幹部の人事などが代表的だ。崔院長は、月城原発を監査して民主党議員から辞職の圧力を受け、市民団体の告発で捜査対象になる状況に追い込まれた。事実上、監査院・検察の制度的根幹を揺るがす、とうていあり得ない異常な状況を招いた」

文政権の幹部は、法廷に立たせてその恣意的な権力執行の実態を暴かねばならない。過去の政権にも見られなかった権力の私物化を図ってきた。そのテコに「反日」を利用してきたのである。日本から見れば、許しがたい政権である。

 

韓国の保守政界では、ユン大統領と崔首相の組み合わせを要望する声もあるという。仮に実現したならば、文政権の権力乱用が白日の下に曝け出されるであろう。韓国政治の大掃除を期待したい。