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東京都が確認した11月8日のコロナ感染者は18人。12日連続で30人を下回った。感染が確認されたのは、10歳未満から60代までの18人で、重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は1人だった。直近7日間の1日あたりの平均は21人と、前の週と比べて8.5%減である。

 

『日本経済新聞』(11月8日付)は、「コロナ感染 なぜ急減 一時的に強い集団免疫」と題する記事を掲載した。東邦大教授 舘田一博氏の見解である。

 

新型コロナウイルスの国内感染者数が急減している。12万人を超える新規感染者が報告された8月から状況は一変した。ワクチン接種が進んだ他の国の感染再拡大も伝わるなかで、足元では日本の減り方が際立っている。急減の理由は何か、今後はどうなるのかを専門家に聞いた。

 


(1)「「第5波」の感染者急減は一つの要因で説明できないような現象が起きた。いろいろ要因があるが、私はワクチンの効果と基本的な感染対策の徹底が非常に強く出たためと考えている。新型コロナウイルスのワクチンは2回目接種から約2週間後に効果が強まり、次第に下がっていく。7月から64歳以下の人の接種が急激に進み、ワクチンの効果が最も強い状態の数千万人の集団ができた。ちょうどデルタ型で感染が拡大した時期と重なり、若い人を中心に多くの人が感染した。若い人は、感染しても無症状かほとんど症状のない「不顕性感染」が多く、実際には検査で感染が確認された人の34倍は感染者がいただろう」

 

下線のように、7月から64歳以下でワクチンは集中的な接種が行なわれた。その効果発揮の時期と、デルタ型で感染が拡大した時期と重なったので上手く乗り切れたという見方だ。

 


(2)「ワクチン接種が急速に進み、同時にタイミングよく不顕性感染を含めて免疫を持つ人が急増したことで国内も一時的な集団免疫効果が強く表れ、8月半ば以降に感染者が急減した可能性があるのではないか。英国やイスラエルなどワクチン接種が先行した国では、ワクチン効果による免疫力が弱まっていた時期にデルタ型が流行し、接種した人も感染する「ブレークスルー感染」が増えた。日本も早く接種が進んでいれば同じような状況になったかもしれない」

 

英国やイスラエルなどワクチン接種の先行国では、ワクチン効果の免疫力が弱まった時期にデルタ型が流行して、感染者を急増させた。日本と比べて、接種のタイミングが早く効果が薄れてきたときに、デルタ株に遭遇したという解釈である。

 


(3)「さらに日本は基本的な感染対策が文化として定着しつつある。マスクを着用し、密集を避け、十分換気する。緊急事態宣言解除後も会食を控えるなど対策を一気に緩めていない。人出は増えても多くの人々が用心し続けていることが感染者数を少なくしている」

 

日本人の優れた衛生感覚の普及が、感染者を激減させたと指摘する。以上のような話では、今後が心配である。感染者激増の危険性があるからだ。

 

日本のコロナ患者急減理由は、ほかにあるのでないか。防疫に素人の私が、コロナ情報を広く探索すると、大きな「鉱脈」を発見できたので紹介したい。

 


『テレビ朝日』(11月6日付)は、「デルタ株が死滅?! 第5波収束の一因か?」と題する記事を掲載した。

 

第5波の感染拡大の大きな原因となったデルタ株。そのウイルスを、国立遺伝学研究所と、新潟大学が分析したところ、8月下旬のピーク前に、ほとんどのウイルスが増殖できないようなタイプに置き換わっていて、結果的にウイルスが死滅し、第5波収束の一因になった可能性があると発表した。実は、このデルタ株が死滅した仕組みには、私たち”日本人”が体内に多く持つといわれるある物質が関係している。一体なぜ、デルタ株が死滅したのか。

 

(3)「ウイルスは体内に入り、細胞に入り込むと自分を作る「設計図」を大量にコピーして、そこからウイルスがどんどん作り出される。でも、時には設計図のコピーミスで、違った形のウイルスができることも。これが”変異株”で、デルタ株もこうしてできたと考えられる。ただ、ウイルスの中にはコピーミスを修正しようという“物質”が間違った設計図を正しいものに書き直そうとする。その作業を邪魔しようという酵素も、私たちの体の中にはある。その酵素は、ウイルス自体も攻撃するが、今回の研究では、設計図の修正作業を邪魔する働きもあると推測している。この酵素の働きが強いと、設計図は修正されないまま、ウイルスの変異がどんどんと進む」

 


(4)「デルタ株は、感染力が強いので一気に広まったが、それと同時に体内でコピーミスもどんどん起き、設計図は修正されないままグチャグチャになる。原型をとどめていない設計図では、ウイルスを作れず、増やすこともできない。その結果、多くの人の体内で、デルタ株が死滅していったのではないかという推測である。これが、第5波収束の一因になった可能性がある。分析を行った国立遺伝学研究所の井ノ上氏によると、「日本人を含む東アジアの人や、オセアニアの人は、設計図の修正を邪魔する酵素の働きが活発」という」

 

要約すると、こういう結論である。コロナ感染の激増によって、ウイルスの変異株が生まれ。これは、ウイルス本来の設計図から間違ったもので、体内にはこれを修正しようという酵素が働く。一方、その修正を妨害する酵素も体内にある。こうして酵素が、敵味方に分かれて争い、自然消滅したのでないか。それが、分析結果から得られた推測である。

 

以上によって、コロナ感染は激増しすぎた結果、体内酵素による「同士討ち」を引き起し、5波収束の一因になった可能性があるというのだ。こういう科学的な説明を聞くと、納得できるであろう。