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豪州とASEAN(東南アジア諸国連合)は、10月下旬にパートナーシップ協定を結んでいたことが分かった。豪州は9月、米英と「AUKUS」の軍事同盟を結び、新型原潜導入計画を発表したが、ASEANの一部でこれを脅威とする見方もあった。これに対して、豪州が脅威にならないことを保証して了解が得られたもの。これによって、AUKUSが対中国を防衛目標にしていることを間接的に表明した。

 

豪州がフランスと契約していたディーゼル潜水艦12隻の開発を撤回し、AUKUSによって米英と協力して原子力潜水艦8隻を配備することにした。専門家によれば、アジアの地政学的・軍事的な勢力バランスは、劇的な変化を示すものと見られている。中国が支配的であった状況が、大きく改善されるのだ。ASEANは、中国の軍事的圧力に直面してきただけに、AUKUSによってこの圧力を軽減できればプラスである。ASEANは、こういう点を理解したのであろう。

 

『大紀元』(11月9日付)は、「東南アジア諸国がオーストラリアとの戦略的協定を発表」と題する記事を掲載した。

 

2021年10月下旬にオーストラリアおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)が、「包括的戦略パートナーシップ」を結ぶことに合意した。

 

(1)「これは、オーストラリアがこの地域でより大きな役割を果たすことを目指していることを示すものである。 この条約は、戦略的な戦場となった急速に成長している地域におけるオーストラリアの外交と安全保障の結びつきをさらに強めることになる。 パートナーシップの具体的な戦略目標は、すぐに発表されなかったが、オーストラリアのスコット・モリソン首相は同国が「実質的な支援を行う」と約束した。

 

豪州とASEANの「包括的戦略パートナーシップ」は、中国にとって痛手である。豪州が攻撃型原潜を保有することをASEANが納得したことを意味するからだ。これによって、アジアで軍事的緊張関係を生み出しているのは中国であることを証明した。

 


(2)「オーストラリアのマリズ・ペイン外務大臣との共同声明で、モリソン首相は「このマイルストーンは、インド太平洋におけるASEANの中心的な役割に対するオーストラリアのコミットメントを強調し、将来のパートナーシップを位置づけている。オーストラリアは、ASEANを中心とした平和で安定した回復力に富み、繁栄した地域を支援しています」と述べている。ASEANの議長国を務めるブルネイは、この合意は「新たな関係の幕開け」であり、「有意義で実質的で互恵的で」あると述べている

 

ASEAN議長国のブルネイは、豪州との「包括的戦略パートナーシップ」が実質的で互恵的と評価している。

 

(3)「この発表の後、オーストラリアは東南アジアでの保健とエネルギーの安全保障、テロ対策、国際犯罪対策に関するプロジェクトや何百もの奨学金に約120億円相当(1億2000万米ドル)を投資すると発表した。オーストラリアはすでにインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどと様々なレベルの二国間戦略的パートナーシップを結んでいる。モリソン首相はまた、2021年9月にオーストラリアが原子力潜水艦を購入することを可能にしたオーストラリアおよび英国と米国間の三国間安全保障協定は同地域の脅威とならないことをASEANに保証した」

 

AUKUSは、ASEANにとって脅威でないことを保証した意味は大きい。これは、間接的にAUKUSの受入れを認めたからだ。中国にとっては、AUKUS反対の根拠を失う形となり敗北である。これが、「包括的戦略パートナーシップ」をすぐに発表しなかった理由であろう。

 


(4)「AUKUSと呼ばれる新しい条約は、中国が東南アジア、特に南シナ海における影響力に挑戦する動きであると見なす懸念を東南アジアで提起している。国際法廷によって違法と判断されているが、中国がいまだに主張する南シナ海の大部分を含む領有権を確立するために海上艦隊を展開しているため、米国を含むインド太平洋の同盟国や提携国はパトロールを増やしている。モリソン首相は、「AUKUSは地域の安定と安全を支援するパートナーシップのネットワークに貢献します」と述べている」

 

下線部は重要である。AUKUSが、ASEAN地域の安定と安全を支援するとしている。中国が、南シナ海を法的な根拠もなく占領している無法状態は是正の方向に向かう、というASEANの期待感が滲んでいる。