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文政権は、せっせと中国へ忠勤を励んでいるが、中国進出の韓国企業は中国政府から差別され被害者になっている。韓国政府が、この件で中国政府へ掛け合うこともなく韓国企業は孤軍奮闘を余儀なくされている。その我慢も限界に達している。「チャイナ・プラス・ワン」で新たな輸出市場を求めて動き出したのだ。

 

最近数年で、韓国企業は中国から相次いで撤退している。ちょっとしたことで爆発する限韓令(韓国を規制する)のような嫌韓リスク、ますます強まる中国当局の規制、外国企業に対する差別で正常な経営は不可能との判断があるためだ。現代自動車グループは16年、179万台を販売し、中国市場でのシェアが10%に迫った。しかし、THAAD問題で中国の消費者による不買運動が広がり、昨年の販売台数は約50万台に減少した。現代自は昨年、海外初の生産拠点だった北京第1工場を売却し、北京第2工場の売却も検討している

 


不思議なことに、二股外交で気配りしている文政権は、韓国企業が冷遇されていても支援の手を伸さないことだ。「企業は敵」という文政権発足時のムードが、未だに残っている雰囲気である。

 

『朝鮮日報』(1月16日付)は、「対中依存度を下げる『チャイナ・プラス・ワン』戦略を…中南米やアフリカに目を向けるべき」と題する記事を掲載した。

 

韓国の中国経済専門家は「韓国と中国は経済分野ではここ30年で互恵的な関係からライバル関係に変わったため、韓国企業の対中戦略も見直さねばならない」と指摘する。とりわけ中国に過度に依存しているサプライチェーンの多角化が急務との声が多かった。

 

(1)「仁荷大学国際通商学科の鄭仁教(チョン・インギョ)教授は、「対中貿易にあまりにも依存し過ぎている今の状況をこのまま放置してはならない」「韓国の市場と原材料の供給元を多角化する『チャイナ・プラス・ワン』戦略に積極的に取り組まねばならない」と指摘する。鄭教授は「韓国商品の好感度が高いメキシコやブラジルなどの中南米諸国や資源が豊富な中央アジア、アフリカなどが韓国にとって貿易をもっと増やさねばならない地域だ」と提案した」

 

日韓関係が良好な頃は、日韓企業の協調で海外へ進出す案が検討されていたこともある。今から見ればウソのような話だ。この例を以てしても、日韓関係の悪化は韓国企業にマイナスである。日本では、総合商社が世界中にビジネスチャンスを求めて活動している。韓国にはそういう例を聞かないから不利であろう。

 


(2)「韓国金融研究院国際金融研究室のチ・マンス室長は、「中国への投資を増やす時代は終わった」とした上で「韓国企業は韓国で製造した完成品を中国に輸出する『2008年以前のモデル』に回帰することも検討すべきだ」との考えを示した。チ室長は、「これまで韓国と中国は韓国が半導体などの部品や中間財を提供し、中国が安い労働力でこれを組み立てて加工し完成品を製造する相互補完的な関係だったが、それが今やライバル関係に変わった」「米中対立やカーボンニュートラルなどで中国企業が足下をすくわれている間に、韓国は造船や半導体、鉄鋼など主要な産業分野で競争力を取り戻さねばならない」と説明する。

 

「中国への投資を増やす時代は終わった」という認識は正しい。中国経済は、労働力不足・不動産バブル崩壊という悪条件が重なり、これから急速に経済成長率が低下する。今までのような感覚で、中国経済を見ていると大きな間違いだ。現在の韓国のGDPは、中国のGDP成長率にかなり影響されている。早く「逃げ出す」ことである。

 


(3)「韓国経営研究所のパク・スンチャン所長(竜仁大学教授)は、「韓国と中国の技術競争で中国は莫大な人的資源と資本を前面に出し韓国を激しく追撃している」「規制改革や未来産業に対する専制的な投資など、スピード戦で中国の追撃をかわさねばならない」と提案した。対外経済政策研究院のヤン・ピョンソプ研究委員は、「韓国における今の問題は源泉技術は米国に依存的で、市場は中国に依存的という点だ」「半導体のように韓国が優位にある産業を継続してつくり上げなければ、中国と対等な経済協力を論じることは難しくなるだろう」と警告した」

 

下線部分は、かなり中国経済を買い被っている。IMF調べでは、2009~18年の中国の全要素生産性(TFP:技術進歩や生産性の効率化など)は年平均0.7%増にすぎない。労働や資本の増加がなければ、GDPの成長率は0.7%に止まるという経済である。こういう中国経済に依存した韓国経済は、前途多難というべきだ。