あじさいのたまご
   


台湾東部から侵攻作戦へ

米上院へ中国制裁案上程

中国をドル決済から排除

食糧不足で不満が高まる

 

ウクライナ情勢が、緊迫化している。約10万人のロシア軍が、ウクライナ国境線で演習をしているためだ。ロシアの目的は、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)への加盟を阻止することだ。NATOとウクライナは、このロシアの要求を拒否している。主権に関わる問題であり、ロシアの要求は越権行為である。

 

米国バイデン大統領は当初、できるだけ関わりたくない姿勢を見せていた。ただ、今秋の中間選挙を控えて弱腰では、共和党からの非難対象になることは避けられない。バイデン氏の支持率は昨年夏、アフガニスタンからの米軍撤退を機に、急落したまま回復できない状況である。こういう政治情勢を考えれば、バイデン氏はロシアへ強硬姿勢を取らざるを得ない事情にある。

 


最近、バイデン氏は、米軍8500人の増派を決定したほか、ロシアへ「かつてない」経済制裁を行なうと言明した。米国が、ロシアルーブルを米ドルの国際決済機構から排除することや、半導体の対ソ輸出を禁止するなどが示唆している。

 

習近平氏は、ウクライナをめぐる米ロの動きをじっと見詰めているはずだ。米国のロシアへの制裁が生温いものであれば、中国が台湾侵攻しても米国は同様な動きで、中国に大したダメージにならないと読み間違えるだろう。米国は、こういうリスクを回避するためにも、いかなる対ロシア対策を発動するのか注目される。

 

台湾東部から侵攻作戦へ

中国海軍は、少なくとも6カ月前から南西諸島最南端の東側および南側に駆逐艦と小型ミサイル艦を展開させている。具体的には、南西諸島と台湾の間の海域でプレゼンスを拡大してきたという。米国防総省高官によると、現在艦艇1隻が常駐し、多くの場合もう1隻が随行している。以上の指摘は、『フィナンシャル・タイムズ(FT)』(1月24日付)が報じたものだ。

 


従来、中国軍は台湾の南側から侵攻するのでないかと予測されてきた。最近、台湾と日本の防衛専門家は、地下格納庫を備えた台湾東部の空軍基地を攻撃し、日本やグアムからの米軍部隊の援軍を遮断するための訓練も含まれるという。つまり、中国海軍は、南西諸島と台湾の間の海域を「主戦場」として日米海軍を迎え撃つ作戦を展開すると予測されるに至った。南西諸島とは、沖縄諸島、尖閣諸島、八重山列島、宮古列島を含む。中国が、台湾侵攻と同時に尖閣諸島への同時侵攻を行なう危険性を否定できなくなったのだ。

 

中国軍が、従来の想定通り台湾の西側から攻撃してきた場合、台湾は島の東側に艦艇を移動させるという有事作戦を描いている。戦闘機も東部・花蓮県にある基地の山岳地帯のトンネル内に避難させるというものだ。台北の中華戦略及兵棋研究協会(CSWS)の研究員、スー・イェンチ氏は「我々は中国人民解放軍の台湾南西部や南東部への展開ばかり議論しているが、中国軍は東側の海域を戦場に想定した訓練をしている」と述べた。前記のFTが報じた。

 

中国軍が、南西諸島と台湾の間の海域を「主戦場」に決めたとすれば、日米海軍は極めて防衛し易いことが分る。日本は、南西諸島に防衛基地を構えて未然に中国海軍の動きを封じられる可能性が高まるからだ。従来、中国軍が台湾の南側から侵攻してくるとなれば、自衛隊は「専守防衛ライン」から遠ざかるのだ。中国軍の「主戦場」変更は、日米海軍にとっては好都合かも知れない。日米潜水艦部隊は、中国艦船を「一網打尽」にできる、またとないチャンスが到来するとも言えるであろう。

 

米上院へ中国制裁案上程

米上院軍事委員会のダン・サリバン議員は1月21日、中国が台湾に軍事侵攻した場合、中国企業や共産党幹部に対する経済制裁および米市場での上場廃止などを含む広範な制裁を科す法案を上院に提出した。具体的内容は、共産党員や中国企業に経済・金融制裁を科すほか、米国の金融機関にも中国企業への投資や取引を禁じる。さらに、一部の中国生産品の輸入を禁止する、というもの。『大紀元』(1月24日付)が報じた。

 


中国共産党幹部の子弟は、多くが米国へ移住している。資産も米国へ移しているケースが増えている。これは、習近平氏にとって大きな負担になろう。台湾侵攻作戦の推移によっては、習近平氏の「引退」を求める圧力に変わる危険性を秘めているからだ。中国共産党元老家族は、隠然たる権力を握っていることを忘れてはいけない。

 

習氏が、元老家族に手を焼いているケースを上げてみよう。未だに、不動産税を実現できず、「様子見」をしていることだ。2014年に不動産税新設の方針を決定し、形ばかりの「試験的実施」に止まっている。全土への一斉実施には、共産党元幹部の子弟が猛烈な反対意向を習氏の元に伝えた。習氏は、国家主席就任に当り元幹部の子弟(紅二代)の支援を取り付けている。具体的には、市場経済から国有企業中心体制へと「先祖返り」を約束した。習氏は、これだけの配慮をして政権基盤を固めたという事情がある。(つづく)