ウクライナ大統領府は、27日同国の代表団がロシア側とベラルーシ国境で交渉すると発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領が所属する政党の議員が語ったところでは、同国代表団は既に首都キエフを出発した。『ブルームバーグ』(2月27日付)が報じた。
ロシアは、ウクライナへこれまで二度もベラルーシでの話し合いを提案し拒否されている。三度目になる今回は、ウクライナとベラルーシの国境で行なわれるもの。ロシアが、休戦交渉を焦っているのは、国際社会がロシア批判で沸き立っているからだ。時間が経てば経つほど、ウクライナへの同情が集まっることも背景にあろう。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2月27日、ロシアによる攻撃を巡り国際司法裁判所(ICJ)に提訴したとツイッターの投稿で明らかにした。「ロシアはジェノサイド(大量虐殺)の概念を巧みに使い侵略を正当化した責任を取らなければならない。ロシアに軍事行動をすぐにやめさせるよう命じる緊急決定を求めており、来週審理が始まることを見込む」と述べた。『ロイター』(2月27日付)が報じた。
IJCは、ウクライナから提訴されたとすれば、事態の緊急性に鑑み、早急な判断を下さなければならない。「ロシア敗北」の判断が下されれば、ロシアにとって面目丸潰れになる。中国は、南シナ海で敗訴したが居座っている。ロシアも同じことをするのだろうが、イメージは地に墜ちる。
ウクライナは、世界に向けて募金活動を始めている。
『ブルームバーグ』(2月25日付)は、「ウクライナ、クラウドファンディングで軍資金調達-大国ロシアに対抗」と題する記事を掲載した。
ウクライナ国立銀行(中央銀行)は2月24日、世界各地からウクライナ軍に対して主要通貨で送金可能な特別口座を開設したことを明らかにした。
(1)「首都キエフに本部を置く非営利団体「カムバック・アライブ」は、ウクライナ軍を支援するため1日で2050万フリブナ(約7760万円)を集めたと、フェイスブックへの投稿で明らかにした。「アーミーSOS」のフェイスブックへの投稿によると、寄付を受け付けており、軍にタブレット端末など新たなテクノロジー備品を提供する支援を行っている」
1日で約7760万円もの募金があったという。世界中で、ウクライナの悲劇に胸を痛めている人たちから浄財が集まったのであろう。
日本では、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は2月27日、ロシアから侵攻を受けているウクライナを支援するため、ウクライナ政府に10億円を寄付する考えを明らかにした。
『ブルームバーグ』(2月27日付)は、「三木谷氏はツイッターで、ゼレンスキー大統領宛ての手紙とともに「僕達にできることは本当に限られていますが、家族と相談し10億円を寄付することにしました」と投稿。25日には、同大統領とキエフで撮影した写真も投稿し、「日本政府も毅然とした態度を取ってもらいたい」とウクライナを支援する姿勢を示していた」
楽天オーナーが、率先してウクライナへ10億円もの巨額資金を寄付した。ウクライナが、ロシアから言われなき理由で戦争を仕掛けられるとは、現代においてあってはならぬ話である。世界中で、義憤に駆られている人々は無数いることであろう。
(2)「集まった支援金は、ウクライナの2021年国防予算約39億ドルと比べると極めて少ない額にとどまっている。同国の議員らは、今週に入り国防費を約8億7000万ドル増額することで合意した。ロシアの国防費はウクライナの10倍あまりとなっている」
ロシアからの理不尽な戦争は、信じられない話である。「気に食わないから戦争する」とは、暴力団抗争そのものだ。ロシアへは、正しい裁きを与えなければならない。
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