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ロシアのプーチン氏は、ウクライナ侵攻でいくつかの誤算をした。その一つが、NATO(北大西洋条約機構)の分裂予想である。ロシアの侵攻を恐れてウクライナ支援が、微々たるものと予想していた。現実は、真逆の結果を招きNATOが結束してロシアへ対抗する態勢を固めている。

 

NATOは、対ロ結束だけでない。ウクライナとロシアの間に立って曖昧な姿勢を取る中国への警告声明まで出した。NATOが首脳会議後の24日に発表した共同声明では中国を名指しして「ロシアの戦争をいかなる形でも支援せず、ロシアの制裁回避を助けるいかなる行動も控えるよう要請する」と強くけん制した。また、「中国当局者の最近の発言を懸念している」とした上で、「中国に対して戦争とNATOに関する誤った話を増幅することをやめるよう求める」と強硬姿勢である。中国にとっても、大きな誤算である。

 


英国『BBC』(3月25日付)は、「
西側各国の首脳、対ロ結束を強調 ロシアの化学兵器使用を懸念」と題する記事を掲載した。

 

ベルギー・ブリュッセルでは24日、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、主要7カ国(G7)の首脳が一堂に会し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対して結束して対抗していく姿勢をあらためて示した。

 

(1)「NATO加盟国やG7の首脳と会談したアメリカのジョー・バイデン大統領は、「我々にとって何より大事なのは結束を続けること。そして世界は、(ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が)いかに残酷な暴君か見つめ続けなくてはならない」と記者団に話した。バイデン氏は、プーチン氏が「NATOを分裂させようとしている」と繰り返し、「アメリカと連帯してまとまった30カ国よりも、ばらばらになった30カ国と個別に対応したい」とプーチン氏は考えていると述べた」

 


NATOは,結束してロシアに対抗する姿勢を明白にした。プーチン氏が、ウクライナ侵攻して、予想外の結果を招くことになった。

 

(2)「『NATOやG7や欧州議会だけでなく、ひとつにまとまった欧州は、本当に大事だ。この男を止めるには、わが国ではすでに戦争犯罪を犯したと考えるこの男を止めるには、(欧州の連帯が)何より大事だ』。バイデン氏はまた、ウクライナ侵攻を決めたプーチン氏がひどい誤算をしたと指摘。「NATOは分裂するはずだと思い込んでいた。私との会話の中でも、我々がこれほどの一体性を維持できると(プーチン氏が)思っていなかったのは明らかだった」と述べた。「ウクライナに侵攻した時、こうなるはずだと彼が思っていたのと真逆の事態が、いまプーチンにふりかかっている」、「今のNATOはかつてないほど一致団結している」と、バイデン氏は話した」

 


NATOの結束は、中国にとっても不都合な事実になってきた。中国は台湾侵攻の際、「クワッド」(日米豪印)や「AUKUS」(米英豪)が、結束して対抗する可能性を持つからだ。今回、中国が曖昧な姿勢を取っている背景には、台湾侵攻においてロシアの支援を求めたいという伏線もあるだろう。ロシアの経済力は、ウクライナ侵略で大きく削がれることは確実である。中国が、当てにならないロシアの支援を前提に台湾侵攻を計画するのは、「第二のロシア」に落込むリスクを抱えることになろう。

 

(3)「バイデン氏はさらに、米政府がロシアの400の個人・組織を制裁対象に加えたと説明。これにはロシアの国会議員300人と、政府に近い大財閥(オリガルヒ)、防衛系企業も含まれるという。さらに、中国の習近平・国家主席に対しては、もし武器供与などで中国がロシアを支援するなら、中国の欧米との経済関係を「深刻な危険」にさらすことになると、明確に告げてあると記者団に話した。中国を「脅したわけではない」ものの、ロシアの「野蛮な行動」の結果、どれだけの欧米企業がすでにロシアを撤退したかなど、指摘したという

 

バイデン氏は、習近平氏へ明確に警告している。ロシアを支援すれば、欧米との経済関係が深刻な事態になることと、欧米企業が中国から撤退するだろうと指摘したという。米国から、ここまで踏込まれると、中国は動きが取れまい。

 


(4)「バイデン氏はさらに、ロシアがウクライナで化学兵器を使用すると懸念されている状況について、もしロシアがそのようなことをすればアメリカは対応するし、「その対応の内容は、(化学兵器を)どのように使ったのかに応じたものになる」と警告した。諸外国の首脳も、もしロシアが化学兵器や核兵器を使うなら、西側として対応するしかないと口々に述べた。ただし、どのような対応になるのかは言明していない。他方、NATO加盟各国は首脳会議を経て、東欧での防衛力強化で合意した。スロヴァキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアに新たに4つの部隊が派遣される予定」

 

ロシアが化学兵器を使えば、「米国が対応する」と明確にした。その内容は不明だが、ロシアが恐れる対応なのだ。米国は、飛行機をウクライナに供与して爆撃を可能にさせるのだろう。米国の参戦はない。

 


(5)「ブリュッセルの首脳会議に出席したボリス・ジョンソン英首相は、イギリスがウクライナにミサイル6000発を提供すると発表した。またウクライナ兵の給与支給のため、2500万ポンド(約40億円)を支援する方針も示した。「プーチンはすでに野蛮の域へと、一線を越えてしまった」とジョンソン首相は記者団に述べた。さらに、BBC番組に対して首相は、「ウクライナの人たちがこれほど抵抗するなど、(プーチン氏には)まったく予想外だったのだと思う。ウクライナというものを、まったく誤解していたし、ウクライナという国を消滅させるどころか、むしろその団結を強めた」と話した」

 

英国は、ウクライナ兵の給与として約40億円を肩代わりする。今後も継続するのであろう。ミサイル6000発も提供する。