ロシア侵攻によるウクライナ戦争は、誤算の連続であった。ロシア軍は、占領した都市で住民から花束と歓声で迎えられると聞かされてきた。実際に兵士らが目にしたのは、激しい抵抗や戦闘での甚大な損失、怒りの声を上げる群衆だった。ロシア軍の占領地域では、市民がデモ行進して、「ロシアへ帰れ」と罵声を浴びせかけているほど。
ロシア軍の撤退した後からは、雪解けと共に100人単位でロシア兵の遺体が出てくるなど悲惨な戦場の現実が曝け出されている。侵略軍の完全な敗北の姿が露呈されているのだ。こういう状況で、ロシアは戦線縮小を示唆する決定を下した。
ロシア国防省は3月25日、ウクライナにおける「軍事作戦」の第一段階はほぼ完了したとし、ウクライナ東部ドンバス地域の完全「解放」に焦点を当てると発表。ロシアがウクライナの激しい抵抗に直面する中、より限定された目標に切り替えている可能性を示唆したものである。
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月26日付)は、「ロシア軍『作戦第1段階ほぼ完了』戦略変更を示唆」と題する記事を掲載した。
ロシア国防省は25日、ウクライナでの軍事作戦の第1段階がほぼ完了し、今後は同国東部に照準を移す方針を明らかにした。ロシア側に損害が広がり、戦況がこう着する中、戦略を変更する可能性がある。
(1)「ロシア参謀本部のセルゲイ・ルツコイ作戦総司令部長は会見で「作戦の第1段階の主要目標は完了した」と説明。「ウクライナ軍の戦力は著しく低下した」と述べた。ロシアは1カ月続く戦争で、ウクライナの首都キエフや要衝のオデッサなど主要都市をいずれも制圧できておらず、今後の作戦目標を見直している可能性がある。ロシアとの国境にある東部ドンバス地方の一部は、何年も親ロシア派勢力の支配下にある。一方的に独立を宣言したルガンスクとドネツクは領土拡大を目指しており、ロシアはこれを支持している」
ウクライナ東部は2014年以降、親ロ派が軍事行動を展開していた地域である。ロシア軍は、そこへ軍事力を集中するというもの。屋上屋を重ねるような話である。新味はない。ロシア軍の敗北宣言であろう。
(2)「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、作戦は計画通りに進んでいると主張。一方、西側の政府関係者や軍事アナリストは、今回の作戦によってロシア軍が多面的に展開できず、広範囲にわたる領土を奪えないことが浮き彫りになったと指摘する」
プーチン氏は、相変わらずの強気を貫いている。「自己防衛」するために必要な戦術である。時間の経過と共に、プーチン氏には悪材料が山のようになって襲ってくるはずだ。今回の作戦計画変更の裏には、中国の軍事支援が期待できなくなったことや、ロシア軍の犠牲者が想像以上に多いことが響いているはずだ。
NATO(北大西洋条約機構)の推測では、ロシア軍の2割が戦死者や負傷者と見ている。これでは、部隊の戦闘機能が失われたのも同然の状態である。
韓国紙『中央日報』(3月25日付)は、「ウクライナ戦での戦死者は498人というロシア…雪が溶けて明るみになった衝撃の真実」と題する記事を掲載した。
寒さが緩み、ロシアの侵攻を受けたウクライナの一部地域でロシア軍の死体処理が悩みの種になっている。雪と凍っていた地面が溶け出し、至るところで死体がむき出しとなり、腐敗し始めているからだ。
(3)「23日、CNNの報道によると、ウクライナ南部ミコライウのビタリ・キム州知事は住民に死体の回収を要請した。キム氏は「我々は獣でないではないか」とし、住民に死体の回収に参加してほしいと丁寧に呼びかけた。キム氏はロシア軍が後退した後、「数百体の死体が至るところに残されている」とした。ウクライナ政府はロシアから死亡者の遺体送還要請が来るのを待っているという」
ウクライナ南部は、雪解けが始まっている。これとともにロシア兵の遺体が発見されている。ロシア軍は、戦場に兵士の遺体を放置して撤退したのだ。いかに慌てた撤退かを示している。まさに、「敗走」である。
(4)「ロシア軍死亡者に対する情報は一致しない。ロシアが明らかにした死亡者は21日基準で498人。しかしNATO(北大西洋条約機構)は3000人から1万人と推算している。米情報当局は約9000人と見ている。ウクライナ側は1万5000人以上だと主張している」。
ロシア国防省は25日、ウクライナの戦闘でロシア軍の死者は1351人、負傷者は3825人になったと発表した。依然として過少な発表である。ロシアでは18~27歳のすべての男性が1年間義務服務に就かなければならない。今回のウクライナ戦に投入されたロシア兵力の4分の1が徴集兵とされている。戦闘経験のない徴集兵が、ウクライナ軍の猛攻にあって、逃げ惑い哀れな最期を遂げたであろう。気の毒な犠牲者と言わざるをえない。
AP通信などによると、北大西洋条約機構(NATO)の高官は匿名を前提に23日、「(開戦から1カ月間で)ウクライナで7000~1万5000人のロシア軍人が死亡したと推定される」とし、「ケガをしたり捕虜で捕まったり失踪したりした軍人まで合わせると総死傷者は3万~4万人と見ている」と明らかにした。『中央日報』(3月25日付)が報じた。


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