ウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊で、410人の民間人の遺体が見つかった。英米などは「戦争犯罪」と強く非難している。この地域は、残虐性で有名なチェチェンの兵士が占領していたとされる。それだけに、起こるべくして起こったという側面もあろう。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のドムブロフスキス副委員長(通商担当)は4日、ロシアがウクライナ侵攻をやめるよう圧力をかける必要があるとし、EUが新たな対ロシア制裁措置を用意していると明らかにした。
ドムブロフスキス氏は、「EUはこの戦争や残虐な行為を止めるために、さらなる措置を講じなければならないのは明白だ」と強調。「欧州委はすでに次の制裁パッケージを準備している」とした上で「ロシアに対する圧力を強化し、ウクライナへの支援を拡充する必要がある」とし、加盟国による決断に期待を表明した。新たな制裁措置にロシア産石油の輸入禁止が盛り込まれるかどうかについては、「欧州委はいかなる選択肢も排除していない」という認識を示した。以上、『ロイター』(4月4日付)が報じた。
『日本経済新聞 電子版』(4月4日付)は、「ロシアの国際法違反追及へ、キーウ近郊集団埋葬地か」と題する記事を掲載した。
ウクライナ侵攻でのロシアの戦闘行為について、欧米各国で国際法違反を追及する声が強まっている。ウクライナによると首都キーウ(キエフ)近郊で410人の民間人の遺体が見つかり、英米などは「戦争犯罪」と非難した。ロシア側は殺害を否定するが、これまでも病院などへの無差別攻撃などが指摘され、国際人道法であるジュネーブ条約などに違反する可能性がある。
(1)「欧米メディアによるとキーウ近郊のブチャなどで民間人のような服装をした複数の遺体が発見され、後ろ手に縛られた遺体もあった。ブチャは撤収前、ロシア南部チェチェン共和国から送り込まれた戦闘員の支配下にあったという。米衛星運用会社のマクサー・テクノロジーズが3月31日に撮影した人工衛星写真では、ブチャの教会近くに穴が掘られているのが確認できる。欧米メディアによると穴は長さ約14メートルで、集団埋葬地とみられるという。米CNNは地元住民の話として、150人を埋葬したと報じた。AP通信によると、北東部スムイ州の州知事は4日、SNS(交流サイト)で「数百人の市民が殺害された」と訴えた」
ロシア当局は、この虐殺事件を「でっち上げ」として否定している。侵略戦争という罪を犯した上に、さらなる非人道行為である。ロシア民族にとって、これ以上の不名誉な事件はない。
(2)「ブリンケン米国務長官は米CNNで民間人の殺害に「衝撃を受けた」と述べ、戦争犯罪の責任を追及していくと語った。トーマスグリーンフィールド米国連大使は4日、ロシアの国連人権理事会における理事国資格停止を要請すると述べた。フランスのマクロン大統領は「(戦争犯罪を)非常に強く示唆する情報があった」と批判した。国連のグテレス事務総長も「深い衝撃を受けている」として、独立した調査による事態解明の必要性を訴えた」
明らかな、戦争犯罪である。徹底的に究明しなければならない。東京裁判では、命令を下していなくても,その責任が問われて戦犯は処刑された。
(3)「戦争犯罪は、①集団殺害犯罪②人道に対する犯罪③戦争犯罪④侵略犯罪――に分かれる。早稲田大の萬歳寛之教授は、ブチャの市民殺害などは「組織的に市民らを故意に殺害する②、交戦中にやってはいけないルールを逸脱する③のどちらかに該当するとみている」と指摘する。武力紛争時に一般市民や医療者らを保護する代表的な国際法がジュネーブ条約だ。第2次世界大戦後の1949年には、戦闘行為に参加しない民間人や捕虜の保護も盛り込んだ。武力紛争による被害をできる限り軽減するのが目的だ」
戦争犯罪は、4種類に分けられるという。この際、世界は徹底的にロシアの犯罪を追及すべきである。あらゆる国際組織からロシアを追放するくらいの覚悟を持って当るべきだ。経済関係があるからという生温いことでなく、ロシアを国家ぐるみ罰するくらいの姿勢で臨まなければならない。
(4)「ロシア軍は3月4日、ウクライナ南部にあるザポロジエ原発を攻撃した。破壊されると危険な施設への攻撃も同条約で禁止されている。燃料気化爆弾やクラスター爆弾も、ロシア軍がウクライナ領内で使用したとの疑いがある。こうした無差別攻撃はジュネーブ条約やオスロ条約に違反する可能性がある。戦争犯罪を裁く場としては、国連安保理決議に基づく国際戦犯法廷や、国際刑事裁判所(ICC)など複数の仕組みがある。ただ、実効性のある罰則をロシアに科すのは難しいとみられる」
個人の犯罪は、ICCが扱う。ロシアは、ICCから脱退しているのでロシア国内での逮捕は不可能である。ただ、国外へ出れば逮捕可能だ。
(5)「ウクライナの提訴を受け、国際司法裁判所(ICJ)は3月にロシアの侵攻に関する審理を始めたがロシアは欠席した。ICCも3月、捜査開始を発表した。ウクライナ領内で起きた戦争犯罪を捜査できるが、ロシアは非加盟国だ。このため、犯罪を認定されたロシアの関係者がICCの締約国に滞在する場合に拘束力は限定される。ICCの検察官が組織的な戦争犯罪を十分立証できればプーチン氏やロシア高官に逮捕状を発行できる。ただ実際に身柄を拘束してICCに引き渡すハードルは高い」
国家の犯罪はICJが裁く。ただ、ICJは、法的に実行できないので国連に負託するほかない。ロシアは、国連安保常任理事国であるから拒否権を持つ。結局。ICJでは実質的にロシアを罰することが不可能だ。
こうなると、経済制裁によってロシアを罰するしかない。西側諸国は、腹を据えてロシアを長期に渡って罰することである。


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