あじさいのたまご
   

韓国進歩派(民族主義)は、世界でも独特の存在である。進歩派は一般的にリベラル主義だが、韓国は民族主義の集団である。中朝との一体化が、韓国の国益になると信じている集団なのだ。その韓国進歩派は、今回のIPEF(インド太平洋経済枠組)と日米同盟の強化を苦々しい思いで見ていることが分った。

 

日本が、太平洋戦争の謝罪をしていないという前提に立っている。だから、近隣諸国は日本に対して不信の念を持っているというのである。韓国のいう「近隣諸国」とは、韓国進歩派を指している。日本は、アジア諸国に対して太平洋戦争の謝罪と賠償を済ませ、ODA(政府開発援助)による経済支援も行なってきた。世論調査によれば、日本がアジア諸国で6割の支持を得て1位である。米国や中国を寄せ付けない高い支持率だ。韓国進歩派は、こういう都合の悪いデータに目を瞑っている。ひたすら、日本への謝罪と賠償を求める「物乞い」集団である。

 

『ハンギョレ新聞』(5月24日付)は、「IPEF・米日同盟強化、『秩序大転換』で岐路に立つアジアと題する社説を掲載した。

 

23日、「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)が正式に発足し、日本の軍事力と米日同盟強化のシグナルを明確にした米日首脳会談が開かれた。中国を米国主導の国際秩序に対する挑戦者と規定し、同盟を糾合しこれを遮断しようとする米国のアジア戦略の「中核となる布石」といえる。揺れ動く国際秩序の不確実性に備え、巧みな外交が求められる状況だ。

 

(1)「この日の米日首脳会談は、米日同盟の抜本的変化を伝えた瞬間として歴史に記録されるだろう。日本は「専守防衛」の役割を越え、米国と並び軍事的な役割を果たしていくという一歩を踏みだした。日本の岸田文雄首相は、「日本の防衛力を抜本的に強化」する決意を明らかにした。日本は国内総生産(GDP)の1%水準である防衛費を2%台へと大幅に増やし、「敵基地攻撃能力」も確保する見込みだ。中国とロシアの挑戦、北朝鮮核開発などで危機に直面した国際秩序を守るという名分だ」

 


日本の防衛費は、対GDP1%である。中国や韓国が、これまで厳しい注文をつけてきたことへの配慮だ。その中韓が、対GDP防衛費の比率で日本をはるかに上回っている。韓国は2%を超えており、中国も「裏防衛費」を含めれば2%台である。このように、日本の防衛費は、極めて少ないのが現実だ。それを増やすことで、韓国から非難される理由はない。

 

防衛で専守防衛に固執していれば、侵攻を受けて初めて攻撃に転じる訳で、反撃への立遅れを招く。これは、侵略する側にとってまことに都合のいい原則だ。逆に、日本の「敵基地攻撃」が可能となれば、侵略抑止になって戦争を回避できるであろう。日本への侵攻が、多大の被害を呼ぶことになれば、相手国に対して戦争抑止力として働くはずである。専守防衛には、戦争を招き寄せる危険性がある。

 


(2)「両首脳はまた、「東・南シナ海における力を背景とした(中国の)現状変更の試み」にともに対応すると述べた。中国が台湾を侵攻した場合、米国は「台湾を防御するために軍事的に関与するのか」という質問を受けたバイデン大統領は、「イエス(Yes)。それが我々の約束だ」と答えた。名分が何であれ、過去の侵略の歴史に対する真の謝罪と反省がない日本の軍事力増強は、韓国をはじめとする近隣諸国から懸念と反発を受けざるをえないことを直視してほしい

 

下線部は、韓国進歩派だけの口実である。慰安婦や徴用工の問題と同じレベルで、国家の運命を左右する安全保障を議論していることに驚く。余りにも低次元であり、議論する気も失せるほどだ。

 


(3)「この日正式に発足したIPEFには、韓国、米国、日本、オーストラリア、インド、シンガポール、ベトナムなど13カ国が参加した。安全保障協力体であるクアッド(QUAD)とオーカス(AUKUS)に続く米国の「中国牽制」の枠組みが加わったのだ。「経済・技術協力体」であるIPEFは、実際の稼働に伴い地域の経済秩序を新たに規定しうる。このような流れに対し、中国の王毅外交担当国務委員が「アジア太平洋地域に軍事集団と陣営対決を引き入れようとする試み」だと非難するなど、中国の反発は強まっている。21日の韓米首脳会談で「台湾海峡の平和と安全」が取り上げられたことについても、中国が外交ルートを通じて抗議したことがこの日明らかになった」

 

ASEAN(東南アジア諸国連合)10ヶ国中、7ヶ国がIPEFに参加する。この現実をどう読むかである。『ハンギョレ新聞』が主張するように、日本を警戒しているならば、これだけの国々が参加しないであろう。IPEFの実際の「仕切り役」は、米国でなく日本となろう。ASEANから7ヶ国も参加するのは、日本政府による根回しが効いているはずだ。連休中に、岸田首相はASEANを訪問している。逆説的に言えば、韓国が期待するように日本はアジアで「非力」でない。

 


(4)「アジアでよりいっそう激しくなる米中覇権競争は、北朝鮮核問題と分断、「安全保障では米国、経済では中国に近い」韓国のジレンマを悪化させる懸念が強い。韓国は、国際秩序のための役割を果たすと同時に、米国・日本とは違う韓国の現実に悩まざるをえない。政府は各界各層の世論を集め、バランスを失わない外交を慎重に進めていかなければならない」

 

韓国進歩派は、「米中バランサー外交」という空想的言葉を弄んでいる。韓国に、そのような力はない。「中ロ枢軸」が浮上している現在、韓国が米中間をウロウロしていることは、「中ロ」に利用されるだけである。李朝末期外交の誤りを再現せず、現実外交に目を覚ます時期に来ているのだ。外交に、空理空論は有害である。