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バイデン米国大統領は、4泊5日の日韓同時訪問とクアッド(日米豪印)会議を終えて24日夕方帰国した。韓国と日本の首脳会談後に発表された共同声明では、韓国の「各論」と日本の「総論」という違いが浮き彫りになった。

 

米韓共同声明において、「経済安保」が全面に出た。日米共同声明では、対中国問題への対処が色濃く出ている。こうして米国による対日、対韓との関係密度が両共同声明の中にはっきりと見て取れる。韓国とは初歩的、日本とは熟成した関係構築が進んでいることを示しているのだ。韓国は、文政権5年間の混迷外交による後退が響いた。

 


『中央日報』(5月25日付)は、「バイデン大統領韓日歴訪、韓米と日米どう違うか 『経済安保協力』と『国際規範守護』」と題する記事を掲載した。

 

5日間にわたる韓日歴訪でバイデン米大統領は所期の成果を達成した。「自由主義対権威主義陣営間の競争」で核心同盟である韓日との連帯を強化することだ。だが、韓国と日本で重点を置いた部分はそれぞれ異なった。2日違いで公開された韓米首脳と日米首脳の共同声明のキーワードを見ると、韓国では「経済安全保障協力」に集中し、日本では「国際規範守護」役割を求めたものと明らかになった。

 

(1)「韓米首脳と日米首脳の共同声明はそれぞれ21日と23日発表された。バイデン米大統領が韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と、日本の岸田文雄首相を訪ね2日差で対面会談を行った結果だった。まず、米国の経済安全保障政策の核心である「供給網」は韓米の声明では英文基準で10回登場した。日米の声明の5回と比べ2倍だ。技術関連の言及も韓米の声明で14回、日米の声明で7回と、韓米の声明での言及がちょうど2倍だった」


米韓共同声明では、「供給網」が10回も取り上げられ、日米共同声明の2倍になった。これは、韓国がIPEF(インド太平洋経済枠組)へ参加することを踏まえて取り上げたのであろう。日本もIPEFへ参加するが、改めて強調するまでもないという意味合いである。

 

韓国が、この種の取り決めに対してこれまで、いかに中国を意識してきたか、その神経過敏ぶりを見せている。現状でも、中国に誤解されたくないという思いが強いのだ。

 

(2)「米国をはじめとする13カ国が参加した中で、23日に発足したインド太平洋経済枠組み(IPEF)も、韓米と日米の声明ともに明示された。ただ日米声明にはIPEFに対する岸田首相の支持と枠組み発足を歓迎するという内容だけ盛り込まれたのに対し、韓米の声明の関連内容ははるかに具体的だった。まずIPEFの「原則」を「開放性、透明性、包容性」と明らかにし、「優先的に扱う問題」として「デジタル経済、回復力ある供給網、クリーンエネルギー、持続可能な経済成長促進」を挙げた」

 

IPEFについて、日本ではあっさりと軽く取り上げているのに対して、韓国では、詳細な取り上げ上げ方である。中国への説明と国内の「親中派」への配慮であろう。ユン政権が、このくらい神経を使わなければならないほど、中国と国内野党の存在がうるさいのだ。

 


(3)「21日の韓米拡大首脳会談に参加した面々を見ても、経済重視基調は明確だった。秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相、李昌洋(イ・チャンヤン)産業通商資源部長官、崔相穆(チェ・サンモク)経済首席秘書官、王允鍾(ワン・ユンジョン)経済安保秘書官など経済官僚が大挙同席した。正統な外交・安全保障ラインで構成するならば拡大会談メンバーに国防部長官が入るところだが、代わりに産業通商資源部長官が入った形だ」

 

米韓拡大首脳会談では、韓国側から経済関係閣僚などが出席している。これを見ても分る通り、IPEFが大きなテーマであったことを示す。韓国には、幅広く対中安全保障問題を議論する心づもりがなかったことを覗わせている。

 


(4)「23日にホワイトハウスが公開した日米首脳共同声明の題名には、韓米の声明と違い「自由で開放された国際秩序強化」という副題が付けられた。経済と気候協力関連の詳しい内容はそれぞれ別途のファクトシート(説明資料)で扱い、共同声明そのものはインド太平洋戦略の進展、拡大抑止強化、持続可能で包容的な経済成長など上位概念に焦点を合わせた。特に日米の声明で中国は8回にわたり言及された(南シナ海、東シナ海除く)が、これに先立ち中国を最初から特定して取り上げなかった韓米の声明と対照的だ。ロシアに対する言及も韓米が6回、日米が13回と2倍以上の差を見せた。主にウクライナを侵攻したロシアを糾弾する内容だった。ウクライナに対する言及は韓米が4回、日米が5回だった」

 

日米共同声明では、中国やロシアについての言及が多くされている。米韓共同声明から見ると、全くの別物と言えよう。韓国が、中ロを相手にしてなお「怯えている」様子が窺えるのだ。

 

(5)「対北朝鮮原則論を掲げた尹錫悦政権が発足し、韓日米3カ国の対北朝鮮政策の一致性はさらに高まったと分析される。今回の尹錫悦・バイデン両大統領の声明には、昨年5月の文在寅(ムン・ジェイン)・バイデン両大統領の声明と違い北朝鮮のミサイルに対する「糾弾」と北朝鮮の人権状況に対する「重大な懸念」が盛り込まれた。外交部当局者は「(韓米首脳会談で)北朝鮮を含む韓半島(朝鮮半島)問題に対しては順調に疎通し、双方がほぼ全面的に共感した」と話した」

 

韓国は、北朝鮮に対しては毅然として対応する姿を見せた。文政権時代は、対話先行で北朝鮮の嫌がることを一切せず、ひたする「ご機嫌取り」に終始した。これから見れば、ユン政権は「言うべきことを言う」という姿勢に代わっている。