韓国の地方統一選挙が、6月1日に行われ与党が大勝した。与党「国民の力」は17の広域団体長のうち12地域で、野党「共に民主党」は5地域でそれぞれ当選した。ソウルや釜山の主要都市は与党候補の勝利だ。
今回の地方選は、5月10日のユン政権発足直後である。政治成果は上がっていないが、米国バイデン大統領との首脳会談を済ませ、国家の新リーダーへの期待が表われたと見られる。前政権党の「共に民主党」は、内紛や議員のスキャンダルで自滅の形である。日本のメディアは、今回の与党勝利によって日韓関係改善が進むと報じている。
『朝鮮日報』(6月2日付)は、「検察捜査権完全剥奪・新政権運営妨害に反省なし、大統領選の3カ月後にまた審判を受けた共に民主党」と題する社説を掲載した。
韓国野党・共に民主党は今回の統一地方選挙で惨敗を喫した。大統領選挙に続いてまたも国民の審判を受けたのだ。大統領選挙ではわずか0.73ポイント差だったが、それから2カ月半でその差はさらに広がった。首都圏や忠清道の主要な市長選挙や道知事選挙で共に民主党候補は全て敗れた。その中で、ただ1人国会議員補欠選挙で当選した李在明(イ・ジェミョン)元京畿道知事は、共に民主党の惨敗と奇妙な対照を成している。
(1)「敗北は予測されたことだった。大統領選挙で敗れ政権を失った共に民主党は「省察し革新する」と宣言した。国会で多数を占める党として責任ある行動、そしてネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと)から抜け出し反省する姿を国民は期待した。ところが共に民主党はわずか1カ月も過ぎないうちに「検捜完剥」(検察捜査権完全剥奪)から手を付けた。法曹界や市民団体、国民の大多数が反対しても聞く耳を持たなかった。議員の偽装離党や会期を細切れにするなどありとあらゆる小手先の手口を使った。公捜処法、選挙法、賃貸借3法などの立法暴走によりわずか5年で政権の座を明け渡したにもかかわらず反省していなかったのだ」
「共に民主党」には、良識というものは一切ないようである。国会で6割の議席を占めていることで、国民から「白紙委任」を受けたかのような振る舞いを続けている。自党と支持者に利益になる法案を次々に可決しており、今回のような選挙結果になるのは当然であろう。
(2)「これまで大統領選挙で敗れた候補者は、相当長期にわたり自ら省察する時間を持つのが慣例だった。先日の大統領選挙で敗れたばかりの李元知事は、自らとは何の因縁もない地域から国会議員への出馬を強行し、「防弾出馬」などとやゆされた。大統領選挙のときに党代表だった宋永吉(ソン・ヨンギル)氏のソウル市長選挙への出馬も常識外れだった。二人は自らへの支持を集めるため現実から懸け離れた金浦空港移転などを公約として掲げたが、これらは騒ぎを起こしただけで終わった。新政府が進めたこともない「公共企業民営化」というデマも広めた。彼らによる今回の一連の行動も国民目線からすれば反省がないように映ったはずだ」
大統領選で敗北した李在明氏は、国会の補欠選挙に立候補して当選した。立候補目的が、「防弾出馬」と批判された。国会議員になれば、検察がこれまでの悪事を捜査しないだろうという「期待」からだったというのだ。李氏には、いくつかの疑惑がつきまとっている。それで、大統領候補になったのだから呆れるほかない。
(3)「共に民主党は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政府発足にも協力しなかった。韓悳洙(ハン・ドクス)首相の承認を何度も先送りしたため、首相や主要な長官不在で新政府が発足した。韓東勲(ハン・ドンフン)法務部(省に相当)長官に対しても無条件で反対を続け、「イモ(おば)」「韓国3M」など荒唐無稽な発言で自ら非難を招いた。大統領執務室の移転や青瓦台(旧韓国大統領府)の開放も妨害した。法制司法委員長を国民の力に引き渡すと約束しながら合意を覆した。これらは大統領選挙の結果に対する事実上の不服と見なされた」
「共に民主党」は、ユン政権発足後も足を引っ張り続けている。要するに「大人の政党」でないのだ。韓国は、口を開けば「先進国の仲間入りした」と叫んでいる。だが、「共に民主党」の行状は、とてもその域に達していない「子ども政党」である。
(4)「共に民主党の一党独裁となっている地方議会は、国会に劣らず暴走を続けている。「国民の力」所属の市長がまとめた予算は削減され、自分たちに近い市民団体を支援する予算は全て成立させた。「市の予算が市民団体のATM(現金自動預払機)になった」との声も聞こえてくる。「市長は議会の議長の許可なく発言すれば退場させられる」という条例も成立させた。これらの傲慢(ごうまん)と暴走がわずか2カ月で再び審判を受ける状況につながったのだ」
ソウル市議会は、「共に民主党」所属議員が多数を占めている。市長が「国民の力」であるため、市政運営の妨害をしょっちゅう行なう異常ぶりだ。例えば、市長発言は議長の許可なく行なえば退場という条例を作っている。呆れることばかりである。
(5)「共に民主党は民心を謙虚に受け入れ、根本から反省しなければならない。まずは古くさいイデオロギー的な思考方式、独善、ネロナムブル、立法横暴、新政府による国政への妨害などをやめるべきだ。批判すべきは批判するにしても、労働問題・年金・規制改革と経済・国民生活に関する政策などはより大きな次元に立って協力する成熟した行動が必要だ。それができれば国民も当然再び支持を送るだろう」
下線部は、極めて重要である。この改革なしには、韓国の未来がないと言い切れるほどだ。だが、共に民主党の賛成は先ず得られないであろう。背後に、巨大労組が控えているからだ。「共に民主党」は、労組の言いなりになっている。それだけに、改革が困難である。


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