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韓国の株式市場が連日、下落を続けている韓国総合株価指数(KOSPI)は6月20日、寄り付きから一段安となり、2400ポイントを割り込んだ。昨年6月23日、3302ポイントの高値を付けてから28%もの下落率である。

 

株式市場が好調だった時点で投資を始めた20~30代は、連日下落する株価に悲鳴を上げている。高騰する住宅購入を目指しローンの頭金づくりで始めた投資が、惨憺たる結果になった。新韓金融投資が昨年上半期、非対面で口座を開設した投資家40万人を分析した結果、20代が33%、30代が27%を占めた。 20~30世代だけで60%に達している。

 


株価下落は、ウォン相場の下落へ波及している。すでに1ドル=1300ウォン接近という事態を迎えている。1200ウォン割れがレッドラインとされるので、これをはるかに超えている。こうして、韓国では「金融不安」意識がにわかに高まっている。「いつか来た道」が現れているのだ。

 

『ハンギョレ新聞』(6月21日付)は、「韓国、株・ウォン価大幅に下落 金融安定指数『注意』段階突入」と題する記事を掲載した。

 

株とウォンの相場はもちろん、国債価格も年初に比べ大きく下落している。米国と韓国の中央銀行による強い緊縮への動きと景気鈍化への懸念により、主要な金融指標が急落している状態だ。これにともない、金融の安定状態を示す「金融安定指数」(FSI)が最近、「注意」段階に到達したことがわかった。金融市場で鳴り響く警告音に注目しなければならないという懸念が生じている。

 


(1)「韓国銀行と金融業界によると、5月のFSIは注意段階(8以上)に達したと推定される。FSIは、世界金融危機当時の2008年1月に注意段階に到達した後、8カ月後に危機段階に突入した。現時点で公開されている数値は、2月の7.4だ。ある関係者は「2月以降、金融市場の変動性が拡大し、数値がさらに上昇した可能性が高い」と述べた。FSIは、コロナ禍初期の2020年4月、一時24.4になった後、0~2の間で安定していたが、昨年10月からふたたび揺れ動いている」

 

FSI(金融安定指数)は、株式・為替・債権市場、銀行の延滞率、経常収支、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッド、成長率や物価上昇率などを総合的に反映する金融の安定指標である。韓国経済の「健康診断」だ。そのFSIが、5月に「8」となったのだ。これまで、「0~2」で安定していたのが、「カマ首」を持ち上げている。

 


(2)「FSIは、IMF危機(100)や世界金融危機(57.5)などの過去の経済危機のたびに上昇した。注意段階の臨界値の「8」を超えた後、上昇を続け、68カ月後に危機段階(22以上)になり、危機段階は9~27カ月間続いた。今回のFSIの注意段階への到達を注視しなければならないという話が出てくるのはそのためだ」

 

金融安定指数が、すでに注意段階の臨界値の「8」を超えた状況である。過去の経済危機時では、この指数がさらに上昇して68カ月後に危機が現実化している。その意味で、韓国は危機感が高まっているのだ。

 

(3)「同様に、金融脆弱性指数(FVI)の動きも尋常ではない。現時点で公開されている数値は、昨年第4四半期基準の54.2で、2009年第2四半期の世界金融危機(52.4)に近い水準だった。今年第1四半期は、さらに上昇したことが確認されている。FVIは、金融機関の対応能力まで考慮しており、中長期的な金融の安定状況を示す。韓国銀行は22日にFSIとFVIの最新の数値を発表する予定だ」

 

金融脆弱性指数の動きも不安を高めている。すでに、昨年第4四半期基準で54.2になっており、2009年第2四半期の世界金融危機時を上回った。今年第1四半期は、さらに上昇したことが確認されている。「時限爆弾」を抱えた状況なのだ。

 


(4)「金融当局は、市場変動性が金融システム全体の危機に拡大するかどうかを心配している状況だ。金融市場は債権と債務が複雑に絡みあっており、一方で問題が起きると、ドミノ式に危機が生じる可能性がある。特に、コロナ禍の期間中に「借金して投資」をした家計と企業の返済能力が悪化すれば、関連する金融機関の健全性にも問題が生じる。現在の資産価格は、株式や債券だけでなく住宅価格についても、ソウルのマンション価格が先週2年ぶりに下落(先週比)するなど、変動性が激しくなっている

 

下線部が、現在の韓国経済の危機を予告している。株式やウォンの相場下落だけでなく、ソウルのマンションまで下落する兆候へ転じている。当然、暴落リスクを抱える。債務の清算で不動産を売却するケースが増えるからだ。不動産が暴落に転じれば、韓国経済は、正直正銘の「危機」そのものに落込む。

 


(5)「銀行が不良債券に備え積み立てる積立金の割合(貸倒引当金積立率)は、今年第1四半期基準で181.6%であり、前半期末(165.%)に比べ15.7ポイント高い状態だ。金融監督院のイ・ボクヒョン院長はこの日、頭取たちと会談し、「新型コロナに対応するための財政・金融支援により、不渡り率が過小評価されている可能性が高い」としたうえで、「より保守的な将来の見通しを反映し、引当金を十分に蓄積するなど、損失吸収能力を拡充しなければならない」と強調した」

 

銀行は、不良債権増加に備えて貸倒引当金を積み増している。銀行が倒産する事態になると、「万事休す」である。韓国経済は、危険ゾーンへ入り込んでいる。