テイカカズラ
   


株価は、昨年6月23日をピークにして、すでに2割強の下落である。この暴落に音を上げているのが若者である。昨年上半期、非対面で口座を開設した投資家40万人を分析した結果、20代が33%、30代が27%を占めた。20~30世代だけで60%に達している。この6割の若者世代が、株価暴落で首が回らない状況へ追い込まれている。

 

株式投資経験が浅いだけに、株価暴落の衝撃は大きい。精神的に追詰められており、精神科を受診する人たちが増えている。文政権時代の住宅バブルが生んだ悲劇でもある。高騰する住宅相場に煽られて、住宅ローンの頭金づくりにと始めた株式投資が逆目になった。

 


『中央日報』(6月20日付)は、「株式パニックに精神科訪ねる韓国の若者世代」と題する記事を掲載した。

 

会社員のホさん(32)は最近精神健康医学科を訪ね、「毎日株式市場が開く30分前から胸騒ぎし始めます。欲を出さず他の人たちが買う銘柄にだけ投資しましたが株式のために私がこれほどおかしくなるとは思わなかったです」と受診したと話した。続く株価急落で、投資損失が1000万ウォン台(約100万円台)に増え深刻な不安を感じたためだ。ホさんは「テーマ株や暗号資産は投機だと考え、安定した銘柄にだけ投資したが、信じていたサムスン電子の株価が5万ウォン台になる瞬間胸が締め付けられた」と話した。

 

(1)「景気低迷による株式市場不況が続き、精神的苦痛を訴える投資家が増加している。特に投資経験が多くない20~30代の新社会人を中心に、うつ病やパニック障害など精神的苦痛を訴える人も少なくない。最近では韓国証券市場を代表する優良銘柄まで下落傾向を見せておりホさんのような事例が続出するとの見通しが出ている」

 


こういう事態が来ることは、予測されてきた。本欄は、若者世代が信用取引にのめり込んでいる事態に警戒論を打ってきた。若者は、現物取引が原則である。そのルールを踏み外して、一攫千金を夢見た罰である。

 

(2)「医療界によると、株式投資損失によるストレスのため受診する20~30代の患者が増加している。先週ソウル市内のある精神健康医学病院では「株のため日常生活が大変だ」という内容の相談問い合わせが普段より2倍以上増えたという。ある精神健康医学専門医は「普通投資の失敗は本人の責任と考えるので病院まで訪れるケースは珍しいが、最近は全般的な経済状況に無力さを感じ相談を望む患者が増加している」と話した」

 

韓国でも、過去に株式投資失敗で精神科を受診する例は珍しかったという。昨今は、患者が増えている。このように事態は、相当の深刻さを覗わせている。

 


(3)「相対的に安定した優良株の株価まで急落し、投資初心者の打撃は深刻な状況だ。韓国で時価総額1位であるサムスン電子は17日に5万9800ウォンで取引を終えた。サムスン電子の株価が5万ウォン台になったのは終値基準で2020年11月から1年7カ月ぶりだ。昨年初めに9万ウォン台まで上がり10万ウォン台への期待混じりの見通しまで出てきたが、再び5万ウォン台まで落ち込んだのだ」

 

韓国民は、サムスン株に「不敗の信仰」を寄せてきた。そのサムスン株が急落しているのだ。サムスンは、半導体で利益を上げている。その半導体は、メモリー主体であって利幅が小さく変動が激しい特性を持つ。利益率の高い非メモリー半導体へは、技術の壁が厚く進出を阻まれているのだ。サムスンの限界は、韓国経済の限界に繋がるだけに、韓国株全体を揺さぶられている。

 


(4)「昨年初めに株式を始めたクォンさん(29)は、「サムスン電子は株式初心者の間では銀行積立金のような概念だ。そんな銘柄が半減したので夜も眠れないというのは当然だ」と話す。ある30代の投資家は「朝起きて株式アプリを立ち上げること自体が途轍もないストレス」と吐露した。同様の苦痛を味わう投資家が、匿名でオンラインに集まり互いに慰め合う現象も現れている。カカオトークのオープンチャットルーム「株式・ビットコインで失敗した人のための部屋」には19日基準で70人ほどの投資家が集まり各自の投資失敗経験を打ち明けた。チャットルーム開設者は「しんどくて来られたならよくいらっしゃいました」と他の投資家を励ました」

 

韓国民が、こぞって株式投資へのめり込んでしまった感じである。まさに、「感情8割・理性2割」という韓国の国民性を表している。日本とは逆である。どうしても預金に拘っており、株式投資への関心が薄いのだ。

 


(5)「昨年、好況だった株式市場に不況が近づき、投資経歴が短い20~30代にさらに大きな衝撃が加えられたというのが専門家らの分析だ。漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「現在の20~30代は株式が下がるよりも上がるのを多く見てきた世代だ。財産を多く貯めることもできない状況でこうした状況を初めて経験するのでもっと大きな衝撃を受けるほかない」と診断した」

 

懸念されるのは、こういうアクシデントによって、結婚意欲がさらに落ちれば、出生率の低下を招くことだ。韓国は、「絶滅危惧種」に数えられる最も大きいリスクを抱えている。