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韓国は6月、独自技術で宇宙ロケット「ヌリ」の発射に成功し、軌道に乗せた。これまで打ち上げなかったのは、米国がロケットの基本技術を提供しており、大型ロケット開発を制約してきた結果だ。その制約は昨年、バイデン政権によって解除されたものの、米国はそれ以上のロケット技術提供を拒んだという。

 

この点が現在、韓国で話題にされている。米国は、日本に対してはロケット技術を開示・利用させたが、同じ同盟国の韓国へ拒否した理由が何であるか、という問題である。

 

真相は、韓国の対中姿勢について依然、疑念を持っていることだ。米国の「秘蔵技術」が中国へ漏れたら一大事と、慎重姿勢であることを覗わせている。その点で、日本から中国へ漏れる懸念はない。インドについても、「反中国」で一貫しているので米国技術は漏れないと見ているようだ。韓国は、米国の同盟国でもまだ本当の信頼を勝ち得ていないことを証明している。

 

『中央日報』(7月4日付)は、「米国 宇宙ロケット開発で日本は助けて韓国は助けなかった」と題する記事を掲載した。

 

5月にソウルで開かれた韓米首脳会談の後日談だ。当時、両国は共同声明を通じて宇宙協力全分野にわたって韓米同盟を強化することを約束した。米国が主導する月探査計画であるアルテミスプロジェクトをはじめ、宇宙探査共同研究を促進して韓国型衛星航法システム(KPS)開発に向けた支援協力も再確認した。

 

(1)「韓米両国の華麗な宇宙協力は、言葉だけだった。裏面に隠された真実はみじめだった。科学技術界によると、当時科学技術情報通信部は首脳会談を控え米国側に国際武器取引規則(ITAR)の改定を議題に提示した。米国側は一言の下に断った。ITARとは米国政府の規定で、国防関連の米軍需品目録に対する輸出入を統制することをいう。規定によると韓国は米国の許諾なく米国の技術や部品が使われた人工衛星を韓国製宇宙ロケットで打ち上げることはできない。韓国の技術だけで作った衛星があるならば問題はないが、韓国はジャイロスコープなど人工衛星の核心技術を依然として米国に頼っている。結局、米国は韓国が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に転用可能な宇宙ロケット技術を持つことを望んでいないというのが専門家らの解釈だ」

 

米国は、これまで韓国の宇宙ロケット開発に一切の支援をしなかった。むしろ米国の敵性国であるロシアが2003年に韓国と宇宙技術協力協定を結び羅老(ナロ)号開発など陰に陽に助けになった。

 


(2)「米国は、なぜ第2次世界大戦当時に敵国だった日本の宇宙ロケット開発は助け、また別の同盟関係を結んでいる韓国は助けないのか。宇宙政策専門家である漢陽(ハニャン)大学政治外交学科のキム・ヨンミン名誉教授は、訳書「ロケット開発『失敗の条件』―技術と組織の未来像」(五代富文著)の序文で、日本が宇宙開発で米国の協力を得られたことを下記のように説明する。「日本はどうせそのままにしておいても宇宙開発が可能なほど技術基盤が確立されていたというのが最初の理由だ。ここに国際状況も日本に有利だった。1964年に中国が核実験に成功し、宇宙開発にも拍車をかけることになると日本も宇宙開発に乗り出す計画を立てる。すると米国は日本の自力開発を見ているだけでなく、いっそ技術を協力して統制していく方が良いという政策を立て、ロケット技術を本格的に伝授したのだ」

 

米国は第二次世界大戦後、日本の工業力に着目して旧ソ連へ絶対に渡さないという強い決意であった。韓国については、朝鮮戦争前まで「必ずしも必要でない」という基本方針で臨んだ。案の定、朝鮮戦争後の韓国は中国との関係が切れずにきた。米国が、韓国を信頼しきれない理由である。現に文政権のように、中国へ尻尾を振る政権が登場しているのだ。民族特性であろう。



(3)「これに対し、韓国の宇宙ロケット技術開発は徹底的に米国の懸念と無視の中で進められた。朴正熙(パク・チョンヒ)大統領当時の1978年に開発に成功した固体ロケット「NHK1」は射程距離200キロメートルまで飛ぶ成果を見せた。仁荷(インハ)大学航空宇宙工学科のホン・ヨンシク教授(故人)は、自叙伝で「当時ミサイル開発目標は射程距離500キロメートル、弾頭重量500キログラムで、最終目標が核弾頭を運ぶロケット開発だった」と回顧した。その後クーデターで政権を取った全斗煥(チョン・ドゥファン)政権はロケット開発を主導した国防科学研究所(ADD)を解体した。政権の正当性を確保しなければならなかった全斗煥政権が韓国のロケット開発を望まない米国の意向に従った結果だった」

 

韓国は、朴正熙時代に秘かに核開発を進めていたことが発覚して、米国の信頼を失った一件がある。韓国は、同盟国の米国へすら極秘事項を抱えていたことが衝撃であったのだ。

 


(4)「過程はどうであれ韓国は、6月21日に自力技術で宇宙ロケットのヌリ号開発に成功した。今後、米国はITARをはじめ、宇宙ロケットと関連して韓国と協力することになるだろうか。専門家の見通しは分かれる。韓国も、自力で宇宙ロケット技術独立しただけに、ITAR問題解決の可能性も占ってみることができる」と話した。だが、ある宇宙政策専門家は「MTCR体制発足後にITARを例外的に認められる唯一の国がインド。インドは、中国牽制のため米国と戦略的パートナー関係まで発展したため例外が可能だった」と話した。彼は、「韓国もインドのように中国牽制に向け米国と戦略的パートナー関係まで発展しないなら、現在では人工衛星技術を完全に独立するしかないだろう」と付け加えた

 

米国は、韓国で保守政権が何期か継続して続き、政治状況が安定してこなければ、極秘情報を開示する気持ちにならないだろう。在韓米軍は今なお、韓国軍の統帥権を保持している。これも、韓国への信頼感欠如が理由である。

 

北朝鮮軍が再び韓国へ攻め込んできた場合、文政権のように「北朝鮮寄り」政権でかつ統帥権を保持していれば、北朝鮮軍へ降伏して南北統一へ持込む筈だ。今後も、こんな危険な韓国進歩派(民族主義)政権の出現の可能性がある以上、米国は韓国を信用できない筈だ。韓国は、米国の信頼を得ることが先決である。