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韓国ユン政権は、外交路線では「右側通行」の方針を世界へ発表した。6月末のNATO(北大西洋条約機構)首脳会議へ、日本・豪州・NZ(ニュージーランド)と共に招待されて出席したからだ。これで、韓国が西側同盟国の一員であることを示したが、国内的には相変わらずの「曖昧戦術」を由とするムードも残っている。まさに、ここまでくると民族特性と言うほかないようだ。朝鮮李朝末期もこういう「モヤモヤ」したものが残っていたのであろう。

 

『中央日報』(7月6日付)は、「中国・ロシア発の逆風に対処するには」と題するコラムを掲載した。筆者は、魏聖洛(ウィ・ソンラク)元韓半島平和交渉本部長である。

 

韓米首脳会談とNATO首脳会議を経ながら、新政権の外交が姿を表わしている。強い北朝鮮への姿勢、同盟強化、米国主導の中国・ロシア牽制構図への参加、韓日関係の改善などが特徴だ。前政権と大きく異なる。一方、新しい政策が自由、人権など価値に対する類例がない重視基調の中で推進されているのも特異だ。韓米首脳会談でも、両首脳は自由議論で意気投合した。NATO首脳会議でも同様の言及が続いた。新政権の外交を追求する理念的基礎であるため軽くみることはできない。

 


(1)「米国は、韓国のこうしたアプローチに期待を精一杯高めた。新政権は米国のインド太平洋戦略に積極的に呼応した。韓米安保協力だけでなく韓米日協力も強化している。米国はロシアのウクライナ侵攻後に反ロシア連帯を強化し、中国を牽制するのにも拍車をかけた。米国のさまざまな同盟を中ロ対抗連帯という名分の下にひとつにまとめようとした。韓国、日本など米国のアジア太平洋地域の同盟国がNATO会議に招かれたのはこうした脈絡だった。NATO会議は今回、中国を新たな構造的挑戦と規定した。韓国はここに参加した」

 

朝鮮戦争で、韓国は中朝ロ三ヶ国の野望の被害国になった。それにも関わらず、外交原則を忘れてこの三ヶ国へ「媚び」を売って来た。これが、最大の外交的な失敗である。本来なら、対抗すべき相手に対抗せず、協力し合わなければならない日本へ対抗した。韓国外交は、狂っていたのだ。その原点は、怪しい民族主義である。この矛楯から抜け出さなければならない段階である。

 


(2)「もう世界の主要国は、米国と中ロに分かれた対立構図を避けることができなくなった。韓国は米国の同盟であり価値を共有する国だ。韓国経済は米国など西側の技術と市場に連動されている。このような韓国に米国との共助は名分と実益の面で避けられない選択だ。しかし、韓国の避けられない選択は、ロシア、中国、北朝鮮の強い反作用を呼び起こす。すでに北朝鮮は挑発を加速化しており、韓国とロシアの関係は最低点だ。問題は、中国が示す対応だ。中国はこの30年間で韓国を味方に引き入れるのに大きな成果を上げたと考えるため、新政権の明確な対米傾斜がこれまでの成果を無にしかねないと考えるだろう。中国発で大きな逆風が予想される」

 

韓国外交は、朝鮮戦争の恐怖を思い起こせば、外交姿勢も自然に「民主主義」へ傾斜する筈だ。朝鮮戦争から何も教訓を得ていない証拠であろう。それは、朝鮮戦争を北による「民族統一戦争」という理解によるもの。「侵略」という認識でないのだ。この甘さが、北朝鮮へ「すり寄る」姿に見えるのだろう。

 


(3)「それなら韓国の前にある課題は、米国との共助をどの線まで推し進めるのか、これに伴う中国、ロシア、北朝鮮発の逆風にどのように対処するのかだろう。対処案のひとつは事案ごとに適切な政策を選択して関係を作り上げることだ。もうひとつは米中、米ロ、南北米関係を考慮して韓国が立つ座標と出て行く方向の概要を定めておき、これを基準点として具体事案に対応する方法だ。過去の政権の対処は前者だった。そうしたため相手の注文により米中の間で右往左往する印象を与えた。相手は、韓国には圧力をかけえればついてくるという認識を持つようになった」

 

朝鮮戦争への「総括」が、されていないことは間違いない。朝鮮戦争で敢然と戦った韓国の将軍に対して、文政権は「親日」のレッテル貼りをし、死去の際に冷遇した。文氏は、北朝鮮が祖国であり、日本を敵国のような扱いにしていたのだ。こういう誤りを糺さなければ、韓国が真の民主陣営の一員となり得ない。

 


(4)「ところが新政権は米中・米ロ関係が最悪で北朝鮮の核脅威も最高度という状況で最も強力な親米路線を指向している。従来のような事案別アプローチをする場合、その逆風はいつになく深刻だろう。だからこの際、次のアプローチを考慮する必要がある。すなわち、米国とさらに共助するが、中国、ロシアとそれほど遠くない座標と指向点を定めて一貫した歩みをすることだ。
そうすれば、米国、中国、ロシアは韓国に対する期待値を調整するだろう。米国は韓国がどのラインまで共助に応じるのかをわかることになるだろう。中ロは韓国があるライン以上に自身を遠ざけはしないだろうという予測をするだろう。韓国の政策に一貫性、一体性、予測可能性、持続可能性ができるだろう。関係はより安定するだろう」

 

韓国が、中朝ロからの「逆風」を恐れるのも不思議である。間違った外交路線を糺すのに、「摩擦」は覚悟の上であろう。ことは、安全保障に関わる問題である。二度と朝鮮戦争を起させない決意を見せつけるのに、何を恐れているのか。韓国は、北欧のフィンランドやスウェーデンの独立気風を学ぶべきだ。

 

(5)「韓国が、米国と協調して価値指向的に動くのは望ましい。しかしすべてが過ぎたるは及ばざるがごとしだ。米中・米ロの間で基準点を探し新しいバランスを取るリバランシングをし、価値言及と行動を近接させ、政策の一貫性と信頼を高めた方が良い。それでこそ外交的な身動きの空間ができる。いまのように陣営対立が激しい時期にはさらにそうだ」

韓国は、中朝ロに対してトゲトゲしいやり取りする必要もない。できれば「寡黙」であるべきだろう。だが、行動では一本筋を通すべきである。韓国には、そういう寡黙外交が望ましく、あえて中朝ロとの対立を浮き彫りにすることは避けるべきだろう。これだけで、韓国外交の威厳は十分に保てるのだ。