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英国情報機関は、5月初め時点でウクライナに投入されたロシア戦術部隊の25%が、大きな損害を受けており戦闘に適合しない状態と分析した。この結果、ロシアの最精鋭部隊が再び戦争に出るためには、数年かかるだろうと伝えた。英紙『タイムズ』(5月3日付)が報じた。

 

こうした報道が出るように、ロシア軍の兵士不足は深刻になっている。この状況を打破すべく、ロシア刑務所に収容されている囚人に志願を呼びかけていることが判明した。

 


『産経新聞 電子版』(7月11日付)は、「露『東部で550人殺害』主張 囚人投入も計画か」と題する記事を掲載した。

 

ウクライナ軍諜報当局は7月10日、露軍が囚人を兵士に採用し、最前線に投入しようとしているとの諜報結果を発表。露軍が志願兵の減少と損害の拡大に苦しんでいる証拠だとした。

 

(1)「露軍は、東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)全域の制圧を主目標としているが、ドネツク州はウクライナがなお4割超を保持。諜報内容が事実であれば、同州制圧に向けた部隊増強の一環とみられる。 同諜報当局によると、囚人の採用にはプーチン露大統領に近い民間軍事会社(PMC)の「ワグナー」が関与。採用された囚人は殺人などの凶悪犯でも半年間生存すれば恩赦で釈放される。約1万人の採用が予定されているという」

 

民間軍事会社の名前で、志願兵募集がされているという。いわば「民兵」であるので、形式的にはロシア政府とは無関係であり、国内的にも問題を回避できるメリットがある。アフリカへも、この「民兵」が派遣されており、現地で残虐行為を働いていると報じられている。ウクライナ侵攻では、約1万人を募集している。半年間生存すれば、恩赦で釈放されという。

 


この情報を裏づける関連報道を紹介したい。

 

韓国紙『WOWKOREA』(7月6日付)は、「『兵力不足』のロシア、刑務所で志願兵を募集 6か月の生存時無罪釈放」と題する記事を掲載した。

 

(2)「ウクライナ戦争で予想外の大規模兵力の損失を被ったロシアは、不足した兵力を補充するため刑務所の囚人たちを対象に参戦志願兵を募集している」という報道が伝えられた。また、囚人部隊員たちにはウクライナ戦争で6か月以上生き残った場合、残りの刑期に関係なく即刻釈放され、3000ポンド(約49万円)相当の謝礼金まで支給されるという条件が出されていることが伝えられた」

 

ロシアは、ウクライナへ「宣戦布告」していないので、徴兵など強制的に兵士を募集できない弱みを抱えている。国内では、ウクライナ侵攻の現実を忘れたような状況で、夜の繁華街は若者で賑わっているという。政府の「勝利宣伝」が効き過ぎている結果だ。危機感がないので兵士は集まらず、囚人を目当てにした志願兵募集という異常事態である。

 


(3)「7月5日(現地時間)英国の日刊紙『デイリーメール』は、ロシアの独立系メディアが「ロシア軍は、第2の都市サンクトペテルブルク刑務所の囚人を対象に先のような条件を掲げ、ウクライナ戦争に参戦する兵士を募集している」と伝えたと報道した。この独立系メディアは、「囚人の部隊員たちはウクライナ戦争で、最前線に配置されるだろう」とし、「事実上、『使い捨て兵』として投入されるという意味だ」と説明した」

 

囚人の部隊員たちは、ウクライナ戦争で最前線に配置されると見られる。本格的な訓練も受けずに最前線へ送られれば、「鉄砲玉の盾」にされるだけだ。しかも、「民兵」の形式であれば、ロシア政府に責任はかかってこない。

 

(4)「『デイリーメール』は、「このような内容が事実である場合、ロシアが予想さえできなかった分野にまで兵の募集範囲が拡大しているということが明らかになったことになる」とし、「一般の民間人を対象とした募集作業に支障が出ているということを如実に表したものだ」と伝えた」

 

ロシア軍は、正規兵の募集も行なっている。こちらは、月40万円程度の高い給与を支払う好条件である。それでも、正規兵の募集が困難になっているのであろう。