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台湾有事の認識ゼロ

中国が最大の被害国

台湾侵攻5つの難題

失敗すれば習氏辞任

 

8月2日深夜、米下院議長ペロシ氏が訪台した。韓国は、この問題がもたらす国際的波及についてどこまで深く認識しているか疑問である。台湾問題は、韓国と直接の関わりがないと見ている進歩派(民族主義)が多いからだ。これが、「グローバル・コリア」の実態である。

 

中国の台湾侵攻問題は、米中対立の「原点」である。それは、台湾の民主主義の芽が摘まれるかどうか、という危険性を孕む深刻な問題だ。この視点で朝鮮半島を眺めれば、38度線で対峙する南北朝鮮問題も、台湾侵攻と決して無関係でないことが分る筈である。韓国には、そういう危機意識が極めて希薄である。中国と誼を通じていれば、中国が北朝鮮の暴走を食止めてくれる、と根拠のない期待を寄せているのである。この見方は、韓国進歩派に強く見られる。文前大統領は、その象徴的人物だ。

 


北朝鮮軍が朝鮮戦争を始め後に、中国が義勇軍を送って参戦した。旧ソ連は、武器弾薬の支援を行なった。結局、朝鮮戦争には旧ソ連と中国が関わったのである。現代風に言えば、「中朝ロ」が結束して侵略を働いたのである。

 

台湾有事の認識ゼロ

韓国進歩派は、今でもこの中朝ロを恐れている。安全保障政策に基づいて、「正しく恐れる」のではなく、卑屈な形で「慈悲を乞う」スタイルだ。こうして、韓国の安全保障問題は、米中の間で揺れている。中国へ「媚びを売れば」、何とか穏便に収めてくれるだろうという二股姿勢が、見え隠れしているのだ。

 

韓国進歩派は、台湾紛争が米中戦争の発火点になるという危機感を持っていない。ましてや、それが「朝鮮有事」に波及するとの認識はゼロである。「中朝ロ」は現実に、世界秩序への挑戦姿勢を明確にしているにも関わらず、だ。

 


世界的な常識で言えば、進歩派とはリベラリズムを指す。韓国進歩派は前述の通り、民族主義を基盤にしている。韓国は、国家保安法で事実上、共産主義を禁じているのでやむなく「進歩派」を名乗っているに過ぎない。こういう本質的限界から、韓国進歩派は「中朝ロ」への親近感が極めて強い。これが、「台湾有事」への危機感を薄めている理由であろう。

 

韓国進歩派は、中国へ肩入れした見方に立っている。東アジアにおける中国の軍事力は、米国を超えたという分析に依拠するのだ。中国は、この強力な軍事力によって台湾との統一を実現し、「中華民族の偉大な復興」を成し遂げるだろうということに、半ば賛意を表している。台湾の自由と民主主義が、消えようとも無関心である。「偉大な中国」の実現によって、韓国の安全保障問題が安定することへの期待感である。

 


日本では、台湾有事は日本有事という認識である。韓国では、「韓国有事」になるという認識が、進歩派以外にも希薄である。韓国は、米国から半導体の「チップ4」(米国・日本・台湾・韓国)へ参加するように求められている。韓国政府は参加の意向だが、産業界から慎重論が出されている。韓国が、「チップ4」へ参加すれば、中国への半導体輸出ができなくなるという程度の理由だ。

 

米日台の3ヶ国も、中国へ半導体を輸出しているが、「チップ4」へ参加する。これは、台湾有事の際にもたらされる台湾での半導体製造が困難になったとき、少なくも「チップ4」の関係国が、結束して自由世界の半導体供給に支障を来たさないという狙いが込められているものだ。

 

台湾有事になれば、世界経済は大混乱に陥る。米国は、その中で戦略物資(半導体・蓄電池・レアアース・医薬品)について、円滑な供給体制を維持しようという狙いである。「チップ4」は、前記の戦略物資確保構想の一環である。韓国は、台湾有事という認識が希薄であることから、「チップ4」のアイデアがよく飲み込めないで混乱している。韓国は単純に、中国へ半導体を輸出できなければ経済的損失になる、という目先の計算に溺れている。韓国が、朝鮮戦争で国連軍によって守られた、そういう民主主義を守る歴史的認識は消えているのだろう。(つづく)

 

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