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韓国は、何ごとによらず日本と比較したがる国だ。潜在的な劣等感を持っている証拠である。最近は日韓の輸出規模を比較し、韓国が日本の95%水準に達したと喜んでいる。貿易は、最終的に収支尻で競争力の有無が分る。韓国は、日韓貿易では万年赤字を続けている。日本には勝てないのだ。

 

韓国は、日本から原材料・中間品などを輸入して加工する、「加工型貿易」で生きている経済である。その素材供給源の日本と比較した議論は、そもそも間違えているのだ。問屋が日本であれば、韓国は小売商の関係にある。この関係を見落としては困る。

 

対GDPの輸出依存度は、韓国31.69%(2020年)、日本12.66%(同)である。日本経済に占める輸出依存度は、韓国に比べてはるかに低いのである。日本は、韓国が貿易赤字で騒ぐ状況と異なることを知って欲しいものだ。

 


次の記事は数字が多いので、コメントだけ読んでいただければ、実態を把握可能と思われる。

 

『ハンギョレ新聞』(8月4日付)は、「韓国の輸出規模『日本の95%水準』、対日貿易は赤字続く」と題する記事を掲載した。

 

韓国の輸出規模が、今年に入って日本の95%水準に達したことが分かった。1980年にはこの数値が10%余りだった。

 

(1)「産業通商資源部の資料によると、今年に入って5月までの韓国の累積輸出額は2929億ドルで、同期間の日本の輸出額3091億ドルの94.%に達した。日本に比べた韓国の輸出規模は、1980年には13.%にすぎなかった。この数値は2000年に35.%、2010年に60.%、2021年に85.%と着実に高まり、今年に入っては90%を上回っている。韓日の輸出額の差が縮まったにもかかわらず、総合的な経済力における両国間の格差は依然として大きいと分析される」

 

日韓の輸出規模が接近しているという主旨だ。ニュアンスとしては、韓国経済の成長の結果という意味づけをしている。問題は、貿易収支である。いくら輸出額が増えても、それ以上に輸入額が増えて赤字になれば、経済政策として失敗である。その輸出入バランスをどう取るかが、ポイントである。新興国は、これに失敗している。

 


(2)「産業研究院(KIET)海外産業室のサゴン・モク研究委員は、「日本企業は韓国よりはるかに早く海外に進出しており、現地に直接投資をした事例が多く、貿易収支で赤字を出しても経常収支では黒字を記録している」とし、「貿易赤字による(日本)経済全般に対する衝撃は大きくないだろう」と予想した。韓国に比べて内需市場が大きく、輸出が全体経済で占める比重がはるかに小さいという説明だ」

 

日本企業は、1980年代の異常円高時代に中小企業を含めて、海外(特に東南アジア)進出を済ませている。円相場動向に振り回されない経営を目指したのだ。これにより輸出は減ったが、直接投資による配当金などが増えている。輸出額が減っても、大幅な所得収支の黒字に置き換わったのだ。国際収支の中身を良く見て貰えれば、「日本経済健在なり」である。

 

(3)「両国間の輸出額の差が急速に減少する中でも、韓国の対日貿易赤字の流れはそのまま続いている。今年に入ってから6月までで、日本に対する韓国の輸出は160億ドル、輸入は282億ドルで、122億ドルの赤字を記録した。同期間、韓国の全体貿易赤字103億ドルを上回る水準だ。2020年に209億ドル、2021年に245億ドルの赤字だった時と類似した流れだ。過去最大の対日赤字を記録した2010年の361億ドルに比べれば、改善した状態だ」

 

日韓は地理的に近い。人口5000万人規模の韓国市場では、日本企業の直接投資に向かないのであろう。それゆえ、韓国への直接投資を控え輸出体制を維持していると見られる。これが、韓国の対日貿易赤字が劇的に減らない理由だ。

 


(4)「材料・部品・装備分野における日本への依存度は少しずつ下がっている。日本の対韓国輸出規制後、サプライチェーンで一部多角化が行われたことによる影響とみられる。産業部の「材料・部品総合情報網」によると、今年6月までの韓国の材料・部品・装備の全体輸入額は1300億6700万ドルであり、このうち日本産は200億7200万ドルで15.4%を占めた。日本の輸出規制初年度である2019年にはこの割合が17.%、翌年は17.%、2021年には15.%だった」

 

韓国への半導体3素材に関する輸出手続き規制は、量的制限を課しているものでない。韓国が、量的制限と誤解しているだけだ。そこで、日本企業の海外工場から迂回輸入しており、名目上の「日本輸入」が減っているだけである。長年の間、日本製の素材・中間品を使い馴れているので、他国製へ切り変えるのは困難とされている。

 


(5)「日本は、韓国に対しては貿易黒字を記録しているが、全体的には赤字に陥っている。今年6月まで、11カ月連続で赤字を記録した。韓国やドイツのようにエネルギー輸入依存度が高く、ウクライナ事態にともなうエネルギー価格の急騰の直撃を受けたとみられる。サゴン・モク委員は、「日本は人口高齢化によって経済全般で活力を失っていることは明らかだが、依然として経済大国」だとし、「輸出で比較した差の意味は限定的」だと指摘した。サゴン委員は「日本経済の根本的な宿題に挙げられる高齢化問題は、韓国も抱えており(韓国は)むしろさらに深刻な流れに乗っているという点で警戒心を持たなければならない」と付け加えた」

 

国際収支は、最終的に経常収支の収支尻に現れる。これが黒字であれば、一国経済は、貯蓄超過で健全と理解されている。経常収支は、貿易収支+所得収支+サービス収支の合計である。日本は、一時的に貿易収支で赤字が出ても、大幅な所得収支黒字でカバーできるのだ。日本経済の厚みが、ここに表われている。