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韓国は、ユン政権の下で日韓関係修復へ向けて動いている。文政権の行なった対日政策のすべてを撤廃する以外に道はないことが理解され始めているのだ。徴用工賠償金は、国内企業で資金を出し合う。慰安婦問題は、文政権が破棄した「慰安和解・癒し財団」を復活させる。こういう案が識者から出てきた。

 

『朝鮮日報』(8月10日付)は、「慰安婦和解・癒やし財団を復旧させるべき」と題するコラムを掲載した。筆者は、洪承祺(ホン・スンギ)仁荷大法学専門大学院教授である。

 

安倍晋三元首相銃撃のニュースに接した時、「2015年韓日慰安婦合意」が思い浮かんだ。1991年8月11日に朝日新聞が慰安婦問題を初めて提起して以降、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など韓国の慰安婦活動家が粘り強く要求してきた日本の国家責任を安倍首相時代に日本が受け入れたからだ。それ以前まで日本は1965年の韓日請求権協定でこの問題がすでに終結したと主張していた。



(1)「朴槿恵政権の強い圧力のおかげで2015年末に劇的に実現した韓日慰安婦合意は、両国が過去を拭って未来へ向かうために作った成果だった。しかし弾劾で政権が交代すると、文在寅(ムン・ジェイン)政権の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、日本政府が拠出した10億円を韓国政府の予算で充当すると宣言した。女性家族部は、2015年の韓日慰安婦合意の執行機構である「和解・癒やし財団」を突然解散した。ところが、2021年1月の新年記者会見で文在寅大統領は突然「2015年の韓日慰安婦合意は両国政府の公式合意」と公表した。数日後、姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使は日本に赴任し、「和解・癒やし財団」解散は、理事長と理事の辞任のためだと責任を転嫁した」

 

慰安婦問題は慰安婦の実態を議論せずに、日本がやむなく認めた形で10億円を拠出して最終解決を図った曰く付きの事例である。いわば、日本の大きな譲歩があったから、韓国に「和解・癒やし財団」が生まれたものだ。文政権は、こういう事情を無視して反日攻勢の手段に使い、解散させるという暴挙に出た。日本が、この問題で一切の話合いを拒否するのは当然である。

 


(2)「韓日間の葛藤をさらに深めたのは、徴用賠償判決だった。2012年5月に大法院(最高裁)は、1965年の韓日請求権協定が「植民地支配の不法性」を指摘しなかったため、徴用勤労者の日本企業に対する請求権は生きているとし、徴用被害者の主張を認めた。当時の金能煥(キム・ヌンファン)大法院裁判官は「建国する心情で」という政治的修辞を使って論議を呼んだ。三菱と新日本製鉄は大法院に再上告し、日本政府は国際司法裁判所(ICJ)に提訴するとして抗議した。梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長が率いた大法院は一歩遅れて深刻性を悟り、新たな争点でまた破棄差し戻しする余地までも検討し、解決策に没頭した」

 

徴用工賠償金も実態を無視した事例である。日本製鉄では、朝鮮人徴用工に給料を払い、帰国の際は慰労会を開き餞別まで持たせたと、韓国人徴用工が後に家族へ語っている。こういう、話はすべてかき消され、悪逆非道なことを行なっていたと誇張されている。その方が、韓国世論を味方につけられるからだ。

 


(3)「再上告判決が遅れた点を後に文在寅政権は、「司法壟断」というフレームをかけて問題にした。文政権に入って金命洙(キム・ミョンス)大法院長体制で2018年10月、大法院全員合議体が再上告事件を棄却して韓日関係は「ジェットコースター」に乗った。2005年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の「韓日会談文書公開対策官民委員会」は、慰安婦の争点が1965年の韓日請求権協定の「範囲外」と主張した。しかし1965年の会談で韓国側代表が旧日本軍慰安婦の請求権に言及した事実が日本側の会議録に残っている」

 

日韓基本条約締結過程を読むと、韓国側が一方的に高飛車に出て、日本から金をむしり取る様子が記述されている。日本が反論して、植民地時代の施策に触れると激昂して会議を中断させるという圧力を掛けたのだ。日本は、徴用工と慰安婦の問題にも触れている。韓国は、日本から賠償金(日本は経済協力金と称した)を取れば後で、国内において解決すると発言していたのだ。実際には、日本から得た無償3億ドルは、国内で分配せずに高速道路と製鉄所建設資金に化けたのである。

 


(4)「徴用勤労者の請求権は請求権協定に明確に含まれたが、文前大統領は三権分立を前に出して大法院の徴用賠償判決を擁護した。しかし三権分立という憲法の原理が国際条約を違反した国内判決を正当化する根拠にはならない。「条約法に関するウィーン条約」の序文には、加盟国が各国の憲法を理由に国家間の約束を破ってはならないと明示している」

 

韓国は、政府も裁判所も下線のような国際法を無視する行動に出た。日本が、絶対に譲歩しないのは当然なのだ。

 

(5)「日本の敗戦後、連合軍最高司令部(GHQ)は韓国にある日本資産22億8000万ドルを没収し、そのまま大韓民国政府に移譲した。1965年の韓日請求権協定で日本は無償3億ドル、長期低利借款2億ドルを10年間に分けて韓国に提供した。植民地支配がなかったとすれば与える理由がない資金だったうえ、請求権資金は10年間の韓国経済成長に寄与した。なら尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の選択は簡明だ。「和解・癒やし財団」を復旧し、当初予定していた財団事業を継続しなければいけない。韓国政府が徴用被害者に先に賠償し、その次にポスコなど関連企業から補填を受けるのが現実的な解決法だ。日本企業を引き込もうとすれば問題を解決するどころが、葛藤が深まるしかない

 

下線部分は、韓国で初めてと言っても良い「正論」である。徴用工も慰安婦も、韓国の国内問題として解決するしか道はないのだ。

 




(6)「在韓日本大使館前の慰安婦少女像も、ウィーン条約を遵守するレベルで移転を前向きに検討するのがよい。日帝の韓半島(朝鮮半島)侵奪の中心地だったソウル南山(ナムサン)統監府の場所に慰安婦少女像を移転するのが適切な代案に挙げられる」

駐韓日本大使館前に置かれている少女像も、ウィーン条約に違反した行為である。これまで、韓国政府が放置してきた責任を免れないのだ。