a1530_000078_m
   

韓国大法院(最高裁)が2018年、日本企業に旧徴用工賠償金支払い判決を下した。以来、日韓対立の原因となってきたが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は17日の記者会見で、韓国政府が国内で解決すると語った。

 

尹大統領は15日の演説で、日本との間で山積する歴史問題への解決に意欲を示していた。自由への脅威に立ち向かうため、日本と協力していく姿勢も強調した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権との違いをにじませたが、関係改善への具体策には触れなかった。17日の記者会見で、韓国国内で解決すると明らかにした。

 


『日本経済新聞』(8月17日付)は、「韓国・尹大統領『徴用工、外交対立避け補償』」と題する記事を掲載した。

 

韓国の尹錫悦大統領は17日の記者会見で、日韓対立の原因になった元徴用工問題の具体的な解決案について言及した。「日本が憂慮する主権問題の衝突なしに原告が補償を受けられる方策を講じる」と話し、日本との外交対立を避けながら補償を推進する方針を示した。

 

(1)「日本企業の資産の現金化を避け、企業などが出資する基金や韓国政府が賠償を肩代わりする「代位弁済」を念頭に置いた発言とみられる。尹氏が記者会見でこうした具体案に言及するのは初めて。同問題は韓国最高裁が2018年に日本企業に賠償を命じる判決を確定したことで生じた。日本政府は戦時中の補償は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場を取る。日本としては、日本企業に賠償を強いる韓国の判決は日本の主権に関わる問題とみている」

 

文政権では、絶対に出ない解決案である。文氏は、韓国は被害者である。加害者の日本が責任を負うべきとする硬直した弁護士的な発想で暗礁に乗り上げていた。尹政権は一転して、韓国の責任において解決すると決断した背景には、国際情勢の急変がある。「台湾有事」が現実問題として登場してきた現在、台湾海峡を中国によって閉鎖されれば、日韓はともに大きな犠牲を強いられる。こういう事態を前に、韓国は日本と同一行動を取らざるを得なくなっている。

 

尹氏は、15日の解放記念日に次のように演説している。焦点の歴史問題に関して、「普遍的価値を基盤に両国の未来と時代的使命に向かって進めば、歴史問題もきちんと解決できる」と述べた。解決方法への言及や、日本への注文はなかった。日韓が、普遍的価値を基盤にしている以上、過去の問題で争い今後、発生が予見できる台湾問題で協力し合わなければならないという危機感が滲み出ているようだ。文政権にはなかった外交的アプローチである。

 

(2)「尹氏は会見で、「両国が未来志向の協力関係を強化すれば、譲歩と理解を通じて歴史問題が円満に早く解決できる」と述べた。経済や安全保障の協力などの議論をする前に、まず歴史問題を解決すべきだという立場を取る日本側に善処を求めた。「未来のない人同士で座って、どうやって過去の解決ができるだろうか」と強調した。具体的な協力分野について「安保の状況に照らしても、サプライチェーン(供給網)と経済安保の次元で見ても、韓日は緊密に協力しなければならない」と語った」


韓国は、「中朝ロ」という世界が嫌う「ならず者集団」と接している。文政権は、前記三ヶ国へ意味もなく低姿勢で臨んできた。「中朝ロ」にとっては扱いやすかったであろう。国際情勢は、もはやそういう「優柔不断」な外交姿勢で事態を乗り切れなくさせている。毅然とした対応が求められている。

 

下線のように、韓国が西側諸国の一員として生きていくと決断したとすれば、国際法を守ることが不可欠である。徴用工賠償金問題は、すでに解決済みである。韓国国内問題であるのだ。