韓国艦艇が2018年12月末、日本海で海上自衛隊哨戒機へレーダー照射した事件は意図的行為であった。この2ヶ月後、文在寅政権は日本軍機への「特別命令書」で強硬策を追認したからだ。韓国国会議員の調査で明らかにされた。
この事件は、海上自衛隊哨戒機が通常ルートを飛行中に起こった事件である。韓国艦艇が、救助活動をしているのでその様子を見ようと高度を下げて接近したところ、レーダー照射を浴びたものである。レーダー照射は、攻撃するという意思表示である。海上自衛隊哨戒機は、驚いて韓国艦艇へ問い合わせたが応当せず無視した。このことからも、「攻撃意図」を含むことは明白であった。
防衛省がこの一件を公表すると、韓国国防省は真っ向からこの事実を否定し、日本のねつ造であると逆に非難した。だが、今回の韓国議員の調査ですべてが「噓」であったことが判明した。それだけでなく、文政権は日本軍機へ「レーダー照射せよ」という友好国日本を狙い撃ちする特別規定を作っていたのである。
『中央日報』(8月18日付)は、「文政府『日本哨戒機に追跡レーダー照射しろ』、事実上の交戦指針」と題する記事を掲載した。
文在寅(ムン・ジェイン)政府で、軍当局が低い高度で近接飛行する日本海上哨戒機に対して現場指揮官が追跡レーダーを照射するなど積極的に対応するよう指示をする指針を作っていたことが確認された。2018年12月~2019年1月、相次ぐ日本海上哨戒機低空威嚇飛行に伴う措置だった。追跡レーダーの照射は艦砲やミサイル攻撃の意志を伝えるものだ。ところでこの指針は韓国防空識別圏(KADIZ)を絶えず無断進入する中国や領空を侵したロシアには適用されない。そのため公海で唯一日本との交戦は辞さないという趣旨となる。
(1)「8月17日、与党「国民の力」の申源湜(シン・ウォンシク)議員によると、2019年2月軍当局は(日本軍機を対象に)「日哨戒機対応指針」を海軍に通達した。これはその年1月に作成した「第三国航空機対応指針」とは別途の指針だ。「第三国航空機対応指針」は公海で第三国の航空機が味方艦艇に近づいた場合、段階的に対応するよう指示する内容を含んでいる。第三国航空機が1500フィート(約457メートル)以下に降りてきて近くまで接近すれば、味方艦艇は相互を識別した後、通信で警告するなどの4段階の手続きに従って行動するよう定めている。1次警告が通じなければさらに強硬な内容のメッセージを2次として発信しなければならない」
海上自衛隊哨戒機は、胴体に大きく日の丸が描かれている。韓国艦艇は、「友軍機」であることを認識した上での敵対行動を取った。何か、韓国人の本性を見せられた思いで砂を噛む思いがする。これで、日米韓が協力体制を組めるか疑問が残る事件だ。
(2)「ところで、「日航空機対応指針」は「第三国航空機対応指針」と比べると、1段階さらに追加された5段階となっている。日本軍用機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するように規定した。追跡レーダーは艦艇で艦砲やミサイルを狙うために標的の方向や距離、高度を測定するレーダーだ。射撃統制レーダーと称したり、日本では火気管制レーダーとしても使う。追跡レーダーを稼働し、レーダービームを航空機に照射するのは攻撃する意志があると相手に伝える行為だ。当初、日本海上哨戒機低空威嚇飛行を巡る韓日間の葛藤も追跡レーダーから始まった」
海上自衛隊哨戒機への「日航空機対応指針」は、中ロなど「第三国航空機対応指針」よりも厳しい規定を盛り込んでいた。これは、日本を中ロより警戒する意味だ。ここまで日本を敵視していたことが分ると絶句せざるを得ない。
(3)「問題は、軍当局が日本海上哨戒機に対して「追跡レーダー照射」段階を規定したことに加え、現場指揮官が自衛権次元でこれを決定できるようにしていた点だ。「慎重に実施せよ」という条件を付けたが、一歩間違えれば武力衝突につながりかねない権限を現場指揮官に委ねたといえる」
韓国軍は、海上自衛隊哨戒機に対してだけ現場指揮官の判断で「追跡レーダー照射」を認めている。これは、18年12月の事件を追認することだ。韓国軍は、いまだにあの事件を否定するが、現実にはその後に規定をつくり追認している。この事件で、日本は韓国へ謝罪を要求しているが未解決である。ウヤムヤにしてはなるまい。
(4)「キム・ジンヒョン前合同参謀本部戦略部長(予備役海軍少将)は、「日本は我々と政治的葛藤はあったが、軍事的衝突にまで続いたことはなく、事実上安保分野では協力する国」とし、「日本が攻撃する可能性が高くないにもかかわらず指揮部が曖昧な命令で艦長に軍事的衝突を起こしかねない行動を委ねたのはやり過ぎ」と指摘した。また「日航空機対応指針」が、日本を韓国の軍事管轄権に対して友好的ではない中国・ロシアよりも強硬に扱っている点が問題だという指摘もある。軍事的に緊張を緩めてはいけない中国・ロシア軍用機に対する対応は、日本とは違って第三国と同じように積極的警告通信など4段階までがすべてだった」
文政権が、日本に対して強い敵意を持っていたことは、中ロ軍機よりも自衛隊機への厳しい警戒姿勢を取っていたことに現れている。中ロとの軍事衝突を避けても、友好国の日本とは対決する。逆立ちしたこの外交感覚に驚くほかない。日本と軍事衝突しても、米国が収めてくれるという甘えがあるのだ。すべて、計算づくである。
(5)「追跡レーダー照射が引き起こしかねない外交・軍事的爆発性のために、2019年2月軍当局が「日航空機対応指針」を作った際、軍内部からは「日本と戦争をしようということか」という批判が多く出ていた。関連事情をよく知る匿名の政府消息筋は「『日航空機対応指針』は青瓦台(チョンワデ、旧大統領府)安保室が主導し、軍当局の原案よりも強硬に作った」と話す」
文政権は、どこまでも反日であった。下線部は、日本との軍事衝突も辞さずという姿勢を示している。韓国で進歩派政権が生まれれば、再びこういう事態を迎えるかと思うと憂鬱になる。日韓友好など、口先だけの話に聞えるのだ。
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