あじさいのたまご
   

ロシアのプーチン大統領が、ついに奥の手を出してきた。9月21日発効で予備役30万人の動員令を下した。予備役とは、過去5年以内に徴兵制で現役であった人たちだ。ロシアには、200万人が登録されている。現役兵士は90万人在籍しているはずで、予備役まで動員することは、兵士の逼迫が激しいことを伺わせている。予備役30万人動員令によって、ロシア国内はパニックに陥っている。

 

『中央日報』(9月22日付)は、「『なぜプーチンのために死ぬ必要が?』…ロシア動員令に『腕を折る方法』検索が急増」と題する記事を掲載した。

 

(1)「21日(現地時間)、『ニューヨーク・タイムズ』(NYT)や『ロイター通信』など複数の外信によると、この日ロシア38都市で動員令反対デモが起き、少なくとも1000人以上のデモ隊が警察に逮捕されたとロシアの人権監視団体「OVD-Info」が集計した。動員令の発表以降、ロシアでは市民の反発以外にも国外脱出ラッシュが続いている。モスクワからノービザに行けるトルコ(テュルキエ)、アルメニア、アゼルバイジャン行きの航空便が完売したとガーディアンは伝えた。


これまで、ウクライナ侵攻への反戦デモは弾圧されてきただ、今回の予備役動員令で一挙に反戦ムードが高まる気配だ。ロシア国防省は、この日声明を通じて大学生を除く18~27歳の男性のうち、1年間の義務軍服務を終えた人たちが対象と発表した。徴兵対象が明らかになった以上、この人たちは海外脱出へ殺到している。

 


『中央日報』(9月22日付)は、「『30万人動員令』にロシア脱出…高額のトルコ航空券も売り切れ」と題する記事を掲載した。

 

ロシアからトルコに向かう航空便が売り切れた。ロシアが予備軍部分動員令を下してから起きたことだ。

 

(2)「21日(現地時間)、dpa通信は同日から週末までトルコに向かう航空便が動員令発表の数時間前にすでに売り切れたと、トルコ航空会社を引用して報じた。トルコ航空のウェブサイトでは今後3~4日間、モスクワからトルコ・イスタンブール・アンカラ・アンタリアに向かう飛行機便を購入することができない。航空券の価格も急騰した。モスクワ発イスタンブール行きの飛行機チケットの最低価格は、8万ルーブル(約18万円)から17万3000ルーブルへと2倍以上急騰した。トルコ航空関係者は「今のように需要が集中すれば追加航空便の配置も検討する可能性がある」と話した。また、他のトルコ航空会社のペガサス航空もモスクワ発イスタンブール行きの飛行機便が土曜日まで売り切れた。欧米の制裁でロシアからはアルメニア、アラブ首長国連邦やトルコなど限られた数カ国へのみ出国できる」

 

欧米の制裁で、ロシアから出国できるのはアルメニア、アラブ首長国連邦やトルコなど数カ国のみ。航空券が手に入るかどうかが、兵役を逃れるかどうかの分かれ道である。気の毒に思う。2月24日のウクライナ侵攻以来、若者は大挙して出国している。特に、IT関係の技術者がすでに脱出した。

 


(3)「ロシア上院は前日、下院が議決した軍紀違反兵士に対する処罰強化法改正案を承認した。改正案は動員令や戒厳令のうち部隊を脱走した兵士に対する最大刑量を従来の5年から10年に増やした。戦闘を拒否したり、上官の命令に不服従したりした兵士も最大10年の懲役を受けることができる。自主的に降伏した兵士は最大10年、略奪を犯した兵士は最大15年の懲役刑を受けることになる

残酷である。前線兵士への締め付けを厳しくしており、下線のような罰則が強化される。大義のない戦争へ駆り出されて、しかも重罰を科すとは一体どういうことか。こうなった誰でも逃げ出すのが当然であろう。逃げ遅れれば、死が待っている。過酷な運命と言うほかない。気の毒だ。

 


英『BBC』(9月21日付)は、「ロシアのプーチン大統領、予備役の部分的動員表明 『あらゆる手段』でロシア防衛と」題する記事を掲載した。

 

プーチン大統領は国民向けのビデオ演説で、西側諸国はロシアとウクライナの和平など望んでいないとして、ウクライナ国民を犠牲にしてでもロシアを滅ぼすことが西側諸国の目的だと明らかになったと批判した。その上で大統領は、ロシアの目的はドンバスの解放だとして、「解放された土地」の住民を守るため緊急の判断が必要だと説明。「だから私は国防省に、部分的動員に合意するよう要請した」と述べた。

 

(4)「プーチン氏の演説を受けてイギリスのベン・ウォレス国防相は、ロシアのウクライナ侵攻が失敗しつつあるしるしだと反応した。英国防省は、「国民の一部を動員しないという約束をプーチン大統領が自ら違え」たことで、「侵略が失敗しつつあると認めたことになる」というウォレス氏のコメントをツイート。その中で国防相は、「(プーチン氏)と国防相は何万人もの自国民を、満足な装備を与えず、粗末な指揮官のもと、死に追いやった。どれだけ脅してプロパガンダをまき散らしたところで、この戦争に勝ちつつあるのはウクライナで、国際社会は団結しており、ロシアが世界的なのけ者になりつつある事実は、隠しようがない」と述べた」

 

厳しい言葉でのプーチン批判である。当然だ。他国領土を侵略しながら「大義」を語るその偽善性に唖然とする。独裁者とは、こういうロジックを使うのだ。習氏も台湾侵攻の際に、プーチン発言をなぞるのであろう。権力者の欲望が、人の生命を弄ぶ。許せない振る舞いだ。