ロシア政府は、2月4日のウクライナ侵攻後に占領したウクライナで、若者を出国禁止にして動員令をかけていることが分った。ウクライナ人同士で、戦わせようという残酷な方法を採用するようだ。モラルの一片もない非道な話である。占領地での徴兵は、国際法違反である。
『中央日報』(9月26日付)は、「『ロシア、ウクライナの占領地に動員令』 少数民族の動員多く不満高まる」と題する記事を掲載した。
ロシアが占領したウクライナ南部ヘルソンなどで、」ウクライナ人男性をロシア軍に動員しようとする状況が捉えられたと『ニューヨーク・タイムズ』が25日に報道した。ヘルソンはロシアのウクライナ侵攻から1カ月後の3月に占領された。
(1)「同紙は、ヘルソン州とザポリージャ州に住む18~35歳のウクライナ人男性の出国を禁止し、軍服務の可否を確認する作業を進めているとウクライナ政府関係者と現地住民の話として報道した。また、ロシアが2014年に併合したクリミア半島でも動員作業が行われている。現地住民らは地域の男性らがロシア軍の徴兵を逃れて地下に隠れ、一部は脱出を試みていると伝えた。ヘルソン州のある住民は同紙に「みんなが恐怖に震えている。ロシア軍は最初に家を捜索し、いまは男性たちを軍隊に引っ張っていこうとする。これはすべて違法だが私たちには現実」と話した」
ロシアは、ウクライナで占領した地域に住む若者を動員する方針を示している。ウクライナ人同士を戦わせようという狙いだ。それだけ、動員が難しくなっていることを示す例だ。徴兵が行き詰まっているのであろう。占領地での住民の徴兵は、国際条約に違反しており、ロシアの強引な兵員補充である。
(2)「ヘルソンなどの占領地でウクライナ人を戦線に送ろうとする作業は、ロシアのプーチン大統領が21日に部分動員令を出してから数十万人の補充兵を募集するための広範囲な計画の一環とみられる。また、ウクライナ人に対する動員の動きはロシアが占領したヘルソン、ザポリージャ、ドネツク、ルハンシクの4州で進行中である併合住民投票と同時に行われている。27日に投票が終わり早ければ30日にもロシアへの併合が宣言されれば動員活動はさらに活発になるものとみられる。住民投票結果は27日に発表される予定だ」
ウクライナ人の動員が、強制的な併合住民投票と同時に行われている。住民投票に賛成したのだから軍務に就けと圧力を掛けるのであろう。こういうロシア政府のやり方は、ロシアの野望をウクライナ人の命で遂行しようというもの。酷いとしか言いようがない。
(3)「ロシア国内で、動員反対世論はますます強まっている。特にカスピ海沿岸にあるダゲスタン共和国などロシア連邦内の共和国で大きく反発している。住民8400人のうち100人の男性に招集通知が送られたのに怒ったダゲスタン共和国エンディレイ村の住民たちはこの日道路をふさぎ警察と対峙したとこの日ロイター通信が報道した。この渦中で警察が空中に空砲弾を撃ったりもした。BBCの集計によるとウクライナ戦争で死亡したダゲスタン出身の軍人は301人で、モスクワ出身者より10倍多い」
ロシア国内でも動員反対の動きが活発になっている。モスクワの南東185キロに位置するリャザン市のバス停では、ウクライナで戦いたくないと叫んだ男性が焼身自殺を図り、救急車で運ばれた。南部のダゲスタン共和国の首都マハチカラでは25日、部分動員令に抗議する人々と警察が衝突し、少なくとも100人が拘束された。『ロイター』(9月26日付)が伝えた。
(4)「クリミア半島内イスラム少数民族タタール人も、「動員が不均衡に行われている」と不満を表出した。ガーディアンはウクライナ人権団体クリミアSOSを引用して「クリミア半島の人口の13%を占めるタタール人のうち90%が動員通知書を受け取ったと推定される」と伝えた。これに対してウクライナのポドリャク大統領顧問は、ツイッターに「本当の民族虐殺であり国全体に対する巨大な悲劇。ロシアが占領地の市民に戦争を強要する行動は服従しない市民をなくそうとする試みにすぎない」と書き込んだ」
ロシアの占領したクリミア半島では、人口の13%を占めるタタール人のうち90%が動員通知書を受け取ったとされる。タタール人撲滅を意図した行為だ。次々に明るみに出されるロシア政府の暴虐行為は、厳しく批判されなければならない。
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