テイカカズラ
   

ロシア軍兵士の士気は、驚くべきほど低下を見せている。ウクライナ軍は、ドネツク州北部にまで奪回作戦を広げているが、ロシア兵は酔っ払っておりウクライナ軍の捕虜になるまで気付かない状況に陥っている。戦いの雌雄は決まったのも同然の光景を見せているのだ。

 

この状況では、ロシア政府の目論む占領地の「ロシア領」編入が危うくなっている。ロシア軍が連れてきた「村長」は、ウクライナ軍の奪回作戦に怯えいち早く逃走する始末である。

 


米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月28日付)は、「ロシアの編入シナリオに狂いも、ウ軍の反撃に勢い」と題する記事を掲載した。

 

ロシアから東部ハリコフ州の奪還を果たしたウクライナの反撃が、ドネツク州北部に広がってきた。ここはロシアが一方的な編入を目指している地域で、ロシアが思惑通りに制圧できるのか不透明感が高まっている。ウクライナ軍はこのほど、ロシアが4月下旬に支配下に収めていたドネツク州の村ルブツィを奪還した。東進するウクライナ軍の行く手には、焼け焦げたロシア軍の戦車の残骸が並び、道路脇には膨張したロシア兵の遺体が横たわっていた。ロシア軍の装甲車は貴重な戦利品で、修復・再利用するため反対方向にけん引されている。

 

(1)「ウクライナ軍はこのほど、ロシアが4月下旬に支配下に収めていたドネツク州の村ルブツィを奪還した。ハリコフ州での敗北で前線のロシア兵の士気は下がっており、援軍が到着しても、周辺からの撤退に歯止めがかかっていない。25日には、ウクライナ軍が近隣の村で複数の捕虜を確保した。あるウクライナ兵は、ロシア兵の多くが泥酔していたためだと語り、「しらふの兵士は逃げたが、酔った兵士は村が攻撃されていることにすら気付いておらず、拘束された」と明かす」

 

ロシア軍は、北東部のハリコフからあっけなく遁走して以来、全軍の士気が低下しているという。兵士は、最前線にも関わらず酔っ払っている始末だ。しらふの兵士は逃亡しており、かつての「赤軍」の面影はどこにもない。プーチン氏は、ソ連時代の前提でウクライナへ侵攻したが、現実のロシア兵はこの体たらくである。

 


(2)「ウクライナ軍はここドネツク州北部で、9月10日にハリコフ州イジュームから背走したロシア軍の残党を追っている。ロシア国防省は撤退について、ドンバスの防衛を強化するための意図的な部隊再配置だと主張しているが、実際には撤退は混乱を極めたようだ。イジューム東部の道路沿いや周辺の森林には、焼け焦げたロシア軍の装甲車が大量に放置されている。「彼らの多くは今も、森に潜んでいる。武器を持っている者も持っていない者もいる。だからこそ、とりわけ夜間は警戒しなればならない」と述べる司令官。「時には道路に自ら姿を現して、降伏する兵士もいる。水も食料も何もないからだ」と言う」

 

逃げ遅れたロシア兵は、周辺の森林に身を隠しているという。大量の武器が放棄されている。ウクライナ軍は、それらを一つ一つ点検して、そのまま使えるか、修理が必要かを決めて後方へ送っているという。

 

この状況で、プーチン氏は30万人動員令を掛けたが、単なる補充兵という扱いであれば、全軍を覆っている士気低下に染まって、何らの働きもしないだろうと、元韓国軍将官が指摘している。動員令によって招集した部隊が、すべての戦闘機能を備えて、そっくり前線部隊と入れ替わらなければ勝利の機会はないと指摘するのだ。ロシア軍には、兵站面ですでにその余裕がないであろうとも見ている。

 


(3)「親ロ派武装勢力が一方的に独立を宣言した「ドネツク人民共和国」の下で、ルブツィには新たな行政府が置かれ、村長が据えられていた。だが、ウクライナ軍が攻めてくると、これらの当局者や協力者はすべて逃げていったという。ドネツク州から2010年に移ってきた元炭鉱労働者のウォロディミル・グレンコフさんはこう明かす。4月にウクライナ軍が戦火の中、後退を余儀なくされたつらい日のことを思い出しながら、グレンコフさんは「本当にウクライナ軍が戻ってきてうれしい」「プーチンはここで強さを見せつけようと思ったが、あっけなく敗れた。ロシアの世界は崩壊した」と喜びをかみしめていた」

 

「ドネツク人民共和国」では、新たな行政府が置かれ村長が据えられてが、ウクライナ軍の奪回作戦でいち早く逃走した。この状態では、「住民投票」を行なってロシア領編入と言っても、ただの宣言に過ぎず中身はゼロである。プーチン氏は、危ない最後の賭けに出ている。