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米国は、近代海軍で先鞭を付けた国である。海洋国家ゆえに、海軍の充実に国力を賭けてきた。中国は大陸国家である。その中国が、覇権国家を目指して海軍の充実に動きだしているが、その発想法では米国と競争にならないのだ。

 

米海軍は、無人潜水機の開発へ乗り出す。中国海軍が、他国侵略作戦を始める前から、海中でその動静を探ろうというアイデアである。

 

『日本経済新聞 電子版』(9月29日付)は、「米軍、大型無人潜水機を開発へ 対中国で『海中権』確保」と題する記事を掲載した。

 

米海軍が大型無人潜水機の開発と配備を急いでいる。海中は秘匿性が高く、台湾周辺や南シナ海で戦闘が起きても接近して敵への攻撃や情報収集を実行しやすい。生産コストが低い利点もある。英国やオーストラリアと協力し、海中を制する「海中権」を中国に渡さないようにする。

 


(1)「オースティン米国防長官は28日、西部カリフォルニア州サンディエゴの海軍情報戦争センター太平洋を訪れた。無人潜水機や無人水上艦の技術開発の現状などについて説明を受けた。オースティン氏は開発の促進に向けて「可能なかぎりの全ての協力が必要だ」と強調した。「みなさんは最先端(の技術)に取り組んでおり、努力して兵士のために革新を続けていくために私はみなさんに食ってかかっていく」と鼓舞した」

 

米海軍は、無人潜水機や無人水上艦を開発する。試作機が完成しており後は量産化だけ。米国が超大国でいられる大きな理由は、最強の海軍力をもち、世界の海を支配しているからだ。今後も、この優位性を絶対に守らなければならない。無人潜水機や無人水上艦は、それを補強する有力手段になる。

 


(2)「米海軍は、分散型の艦隊編成にシフトを進めている。中国軍のミサイルは精度が高く、米軍は少数の大型艦に重要機能を集中させて攻撃を受ければ戦力が一気に下がるリスクがある。対応策の一つとして打ち出したのが無人潜水機や無人水上艦の導入だ。海軍は今春、超大型無人潜水機「オルカ」の水中実験を実施した。まずは敵の脅威にさらされている海域で機雷を海底に設置する役割を想定する。海軍は多彩な能力を持たせる方針で、将来的に情報収集や電子戦の能力に加え、水上艦攻撃用の魚雷などの攻撃能力を搭載するとの見方がある」

 

米海軍は今春、超大型無人潜水機「オルカ」の水中実験を実施している。このデータを利用して多彩な攻撃手段を備えるのであろう。同盟国の軍備増強が中国抑止力となる以上、歓迎すべきことだ。

 


(3)「米ランド研究所のデビッド・オクマネク上級国際防衛研究員は、大型無人潜水機が情報収集や対艦攻撃能力を持つと台湾有事への対応に寄与すると分析する。「無人潜水機は有人の潜水艦に比べてとても安価で大量生産しやすい。日本の米海軍横須賀基地などに前方展開すれば脅威に対して素早く対応できる」と指摘する。米国は、中国が台湾の「統一」に向けた行動に踏み切り、その周辺で戦闘が起こった場合、多数のミサイルを発射して米軍の海上艦の接近を阻止しようとすると想定している。海中で活動する潜水機は見つかりにくい。中国の防衛網の内側に入り込み、台湾への上陸や海上封鎖を試みる中国の艦船を攻撃するシナリオが考えられる

 

もともと、米国の原子力潜水艦部隊は強力な存在である。台湾有事の際、2隻の原子力潜水艦によって、台湾海峡へ終結する中国海軍の全艦船を24時間以内に沈没できるほどの能力がある、とされている。これに、無人潜水機が投入されれば、守りはより完璧なものになろう。

 


(4)「米英豪の3カ国は23日の首脳声明で、海中戦力の増強に向け協力すると確認した。2023年に無人潜水機の実験に着手する予定だ。米国防総省で高官を務めたセス・クロプシー氏は「技術や運用面で相乗効果が見込める」と唱える。米国だけでなく英豪も実験データの共有により、自国での開発を早め、能力を向上させる効果を見込んでいるもようだ。米英豪は安全保障の枠組み「オーカス」の一環として、豪州が原子力潜水艦を配備できるよう協力している。だが、実現は40年代にずれ込むとの見方がある。それまで中国に対する抑止力を強めるには無人潜水機が重要だとの見方も浮上している」

 

「AUKUS」(米英豪)は、23年に無人潜水機の実験に着手するという。すでに、試験機は多数出来上がっているのだ。これから、その効率的な使用法を編み出す段階にまで来ていることを示している。

 


(5)「アメリカン・エンタープライズ研究所のザック・クーパー上級研究員は「(軍事上)海中能力は米国が中国よりも圧倒的に優れている唯一の分野だ」と語る。中国は海中で敵を見つける能力が現時点で比較的低いとの見方が多い」

 

中国の潜水艦は、海中での「静謐性」が劣ることで有名である。そこで、日本の潜水艦技術を盗み出そうと必死になっている。これは、中国当事者の発言だ。日本潜水艦の高い静謐性は、門外不出である。特別なマル秘事項になっているという。