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世界の自動車業界は、猫も杓子もEV(電気自動車)フィーバーである。その中で、世界トップのトヨタは、EVとHV(ハイブリッド車)の「二股」という慎重姿勢である。トヨタの誇る「HV」は電気とガソリンの二刀流である。世界のEV元祖は、HVを初めて世界へ送ったトヨタなのだ。それだけにEV技術の蓄積は厖大である。

 

『中央日報』(10月10日付)は、「他社は電気自動車にオールインするが トヨタは『二股戦略』」と題する記事を掲載した。

 

昨年、電気自動車販売が前年比で倍以上に増加した中、2040年には内燃機関の自動車の販売を上回るという予想が出ている。独フォルクスワーゲンなど従来の自動車企業が電気自動車への転換に大規模な投資をする状況で、自動車世界1位の日本トヨタは「予想より転換速度が遅くなる可能性がある」とみて別の道を進んでいる。

 


(1)「米経済メディアの『CNBC』などによると、豊田章男トヨタ社長は最近、米ラスベガスで開催された自動車専門販売者との会議で「電気自動車への転換速度が自動運転車のように遅くなる可能性がある」と述べた。そして「できるかぎり多様なモデルで顧客を満足させるという目標を維持している」と伝えた」

 

トヨタは、ガソリン車からEVへの転換速度が予想よりも遅れると判断している。

 

(2)「トヨタは昨年12月、8兆円にのぼるエコカー関連投資計画を発表した。電気自動車だけでなくハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド(PHEV)など多様なエコカーモデルを開発する方針だ。このうち4兆円が電気自動車に投資されて2030年までに15モデルを出し、350万台を販売すると明らかにした。これはヒョンデ(現代自動車)グループの電気自動車転換速度より遅い。ヒョンデは2025年までに電気自動車23モデルを出し、年間100万台を販売するという計画だ」

 

トヨタのEV計画では、2030年までに350万台の販売を予定。現代自は、25年までに年間100万台計画。この現代の計画に従えば、2030年のEV販売は600万台に達する。トヨタの計画を7割も上回る。

 


(3)「トヨタがこのように電気自動車に「オールイン」しない背景について、CNBCは充電施設の不足と高い価格を理由に挙げた。特にトヨタはバッテリー核心原料のリチウムとニッケルの供給が今後5~10年間は円滑でないと予想した。1997年からハイブリッド車を量産してきたトヨタはバッテリーとモーターに関する技術も蓄積し、原料不足による価格上昇の懸念を誰よりも強調している。世界4位のステランティスも5月、2024~25年に電気自動車用バッテリー、27~28年には電気自動車専用原材料がそれぞれ不足すると予想した」

 

トヨタがEVに慎重なのは、充電施設の不足とバッテリーの核心原料であるリチウム・ニッケルの供給不安だ。これらは今後5~10年間、生産が円滑でないと予想している。こういう状況下で、闇雲にEV騒ぎをしても空転するだけと読んでいるのだ。

 


(4)「トヨタは先月30日、国内取材陣を対象に開いた「電動化アカデミー」でも、電気自動車よりハイブリッド車市場の可能性を重視した。韓国トヨタのイ・ビョンジン常務は「電気自動車の充電インフラをはじめ、走行距離やバッテリー技術など関連技術の前途はまだ遠い」とし「こういうものが改善されてこそ純粋な電気自動車が広く普及する」と述べた。電気自動車とハイブリッド車を10年間使用する場合、バッテリー製造とエネルギー生産などを考慮すると、ハイブリッド車の二酸化炭素排出量が少ないという説明も付け加えた」

 

EVとHVの二酸化炭素排出量を比較すると、意外な結果が出ている。両方とも10年間の使用を前提にすると、HVの排出量が少ないという。

 


(5)「関西大のパク・テフン経営学科教授は、「トヨタは電気自動車の普及に時間がかかるとみているが、関連技術の特許は世界自動車企業のうち最も多く保有している」とし「市場拡大の推移を眺めながら販売を拡大する二股戦略を使っている」と説明した。一方、日産・ホンダなどの日本企業は電気自動車の量産に大規模な投資をしている。日産は最近、電気自動車事業転換のために提携会社の仏ルノーに自社株売却を要請した。実際、日本国内でも都心を走る小型電気自動車の販売が急速に増えている」

トヨタがEVに慎重な理由は、バッテリーの主原料であるリチウムとニッケルで供給不安があることと、二酸化炭素排出問題である。「王者」トヨタだけに、世界の状況を眺め渡している感じだ。