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文政権の与党であった「共に民主党」は、政権交代後に次々とスキャンダルが暴露されている。ユン政権の政治報復と強弁して国会審議にも応じないという暴走ぶりだ。ユン大統領の施政方針演説も欠席した。

 

こういう混乱状況を眺めていると、韓国の民度の低さがいやが上にも強く印象づけられる。「共に民主党」は、国民の負託に応えているだろうかという疑念が湧くのだ。これが許されるというのは、韓国の民主主義が相当遅れていることを立証している。

 

『朝鮮日報』(10月30日付)は、「うそ・扇動・非常識の『共に民主党ワールド』」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の朴正薫(パク・チョンフン)論説室長である。

 

共に民主党の旧権力側だけで不正スキャンダルが相次いでいるのも奇妙だが、それよりさらに珍しいことがある。そちら側の人々は一様に犯罪を政治で覆す才能を持っていることだ。

 

(1)「韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相が代表的だ。不法資金を受け取った疑惑により大法院(最高裁)で有罪が確定したにもかかわらず、最後まで潔白を訴え、「政治報復」を主張した。決定的な小切手の物証まで登場したが、追徴金も払わずに持ちこたえ、その果てに文在寅(ムン・ジェイン)政権は10年以上前の検察の捜査過程を調査すると騒ぎ立てた。過ちを認めるのではなく、政治攻防に追い込むのが共通した手法だ」

 

韓国元首相(左派)が、賄賂を受け取った事件で最高裁まで争われ有罪になった。決定的な小切手の物証まで登場したという。それでも、事件を認めず「シラ」を切ったもの。韓国社会の低俗性を余すところなく示している。絶対に「反省しない」社会のようだ。 

(2)「李在明(イ·ジェミョン)代表も同じ道を歩もうと決心したようだ。大庄洞疑惑に関与した周辺人物を「知らない人物」だと言い放ち、最側近が逮捕されると「野党弾圧」だと反撃した。贈賄側の具体的供述が出てきたにもかかわらず、「でっち上げ」を主張し、「特別検事を阻もうとしている」と対抗した。民主党は李代表擁護に総力戦を繰り広げた。大統領の施政演説をボイコットし、検察の捜索を阻止しようと7時間も対峙した。裁判所が発行した令状の執行を妨害し、司法手続き自体を拒否する方式で対応した。法治国家の公党がレッドラインを超えたも同然だ」

 

李在明氏は、名うての「ウソ製造機」である。これまで、ウソで切り抜け出世街道をかけ上がってきた人物だ。日本ならば、絶対に排除される人物が、こともあろうに「大統領候補」にまで上り詰め、僅差で敗れるまでに「出世」してきた。何か、寒々としてものを感じるが、今は在宅起訴で「被告人」となっている。通常ならば、「共に民主党」代表を辞任する筈だが居座っている。辞任すれば、逮捕・拘留もありうるからだ。常識では測れない行動である。

 

(3)「国益を害する民主党の自害劇は絶えず繰り返されている。庶民生活を窮乏させた所得主導成長、「住宅価格の狂乱」を招いた強引な不動産規制、住宅賃貸市場の大混乱を引き起こした反市場的な賃貸借3法、タクシー業界の混乱を招いた「配車サービス『タダ』禁止法」などがその一例だ。野党になって以降は、でたらめ・低質・偽り・扇動が平気で通用する「民主党ワールド」の精神世界はどんな構造だろうか。議会権力を掌握した巨大野党が「問題そのもの」に転落した韓国政治の現実が嘆かわしい」

 

魏聖洛(ウィ・ソンラク)元ロシア大使は昨年、1冊の本を出版した。その中で、韓国では「アマチュアリズム、ポピュリズム、イデオロギー・党派性、自己中心的・感情的観点、国内政治従属外交が韓国の抱える五つの外交的泥沼」だと指摘。さらに、「この泥沼は互いに否定的影響を与え、韓国外交の先進化を阻む」と述べたという。

 

この指摘は、韓国社会の特質を抉り出している。反日の騒ぎは、下線部分がすべて当てはまるのだ。「物事を深く考えないで騒ぎ立てる」(アマチュアリズム、ポピュリズム、イデオロギー)。それによって、「人気を集める」(党派性、自己中心的・感情的観点)という手法は、文政権によって嫌と言うほど繰り広げられた。韓国の低俗な政治的流れが、いまもなお炸裂しているようである。これでは、韓国が救われない。気の毒に思うのだ。