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中国の習近平国家主席は14日、米国バイデン大統領との首脳会談で殊勝な発言をした。「米国覇権に挑戦する積もりはない」と取り繕っているが、共産主義の世界浸透の野望は持ち続けている。

 

西側諸国は、中国の孔子学院をスパイ機関と疑い、相次いで閉鎖に追い込んでいる。スウェーデンでは20年4月までに全校閉鎖され、英国でも、スナク政権が孔子学院を全て閉鎖する方針を示している。全米学者協会は22年6月、孔子学院に関する報告書を発表し、4年間で米国の大学に設置されている118校の孔子学院うち、現在までに104校が閉鎖されたと指摘した。

 

こうした状況で、中国は戦略を変えた。発展途上国で展開する「一帯一路」を利用して、職業訓練校を開設するものだ。狙いは、共産主義の浸透である。職業訓練校は、まず中国で開設して失業者対策に資すべきである。

 

『大紀元』(11月16日付)は、「孔子学院の次は職業訓練校、一帯一路に合わせ 19か国で開設」と題する記事を掲載した。

 

米欧などで中国政府の「スパイ機関」との警戒が高まり、相次ぎ閉鎖されている孔子学院。中国政府はその代替として職業訓練校「魯班(ロバン)工房」の設置を進めている。孔子学院は言語、文化教育を掲げたが、魯班工房は中国政府主導の広域経済圏構想「一帯一路」推進のため、主に途上国の技術指導と発展を名目に拡大させている。

 

(1)「中国メディアによれば、魯班工房は天津市政府が国際的な職業訓練プロジェクトとして16年に初めてタイで設立。以来、世界19か国の大学等教育機関に25か所開設された。工房の名前は、周時代(紀元前507〜444年)にその名を轟かせた伝説的技師に由来する。中国方式の技術を国際的に拡げ、政策に資する人材の育成が目的であると中国政府は説明している。教育部(省)は魯班工房について「中国企業のための専門的・技術的人材を育成することを目的とした訓練プログラム」としている。中国教育報は昨年8月、「中国の技術に精通し、中国製品を理解する技術力ある人材を育成することに力を入れている」と報じた」

 

これまで日本が行なってきた現地での職業訓練的業務を、中国が大々的に行なおうというもの。一帯一路では、相手国を「債務のワナ」に追込んで不評を買ったので、巧妙な形で「心を買う」戦術に変えたと見られる。共産主義の世界浸透を狙っているが、いずれは国力の限界からその余裕も失うだろう。中国はまず、疲弊した農村の立直しが急務である。

 


(2)「具体的には、大型インフラを建設する一帯一路に合わせた技術者を養成している。魯班工房はオートメーション、産業用ロボット、鉄道、自動車、機械、電子情報などの訓練コースを揃える。魯班工房を統括する天津市政府によれば、工房を開設する前、中国側は提携を結んだ機関と「一帯一路」プロジェクトに必要なスキルについて話し合い、どのコースを設置するかを決める。機材や講師は中国側が提供する」

 

タイの魯班工房では、70億ドル規模の高速鉄道プロジェクトに応じて、高速鉄道関連の技術をタイの学生に教えている。ジブチでは鉄道の運行管理や商業を専門にしている。このほかにも、モンバサ・ナイロビ標準軌鉄道、ハンガリー・セルビア高速鉄道、中国・ラオス鉄道などといった一帯一路プロジェクトに貢献する技術を指導している。

 

(3)「豪シドニー工科大学の馮崇義教授は6日、エポックタイムズの取材に対し、中国共産党は宣伝工作に充てる莫大な予算があり、魯班工房のような事業を支援していると指摘。「いわゆる中国についての『良いストーリー』を作ろうとしている。目的は人の心を買うことだ」と話した。また、「彼らは孔子のブランドを利用したが、現在は多くの国で閉鎖され、もはや使いものにならない。だから、(魯班工房に)変身したのだ」と述べた」

 

中国の経済成長率が急減速している現在、中国の相対的な魅力も減退する。「金の切れ目が縁の切れ目」なのだ。相手国を食い物にする中国が、心から相手国の発展のために尽くす心情など皆無のはずだ。国内の民衆監視・弾圧がそれを如実に示している。

 

(4)「こうした中、中国政府は魯班工房の開設に力を入れている。近年、習近平国家主席は国際的な場で、魯班工房について繰り返し言及している。18年、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の開会式で、中国の習近平国家主席はアフリカの10か所に魯班工房を設置すると述べた。今年には、習氏がトルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領、キルギスのジャパロフ大統領とそれぞれ会談した際、魯班工房の設立に言及した。ジブチのゲレ大統領は「魯班工房は中国がジブチに贈る最高のプレゼントだ」と評価したとされる」

 

先進国の孔子学院が閉鎖に追い込まれ、発展途上国で「魯班工房」開設へと戦略を切り変えている。ただ、技術だけ教わっても肝心の工場がなければ働けないのだ。資本が必要である。資金提供できるゆとりはあるのか。現在は、外貨準備高3兆ドル台防衛に必死である。