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日本には、韓国と外国人観光客数数を競争しているという認識はない。韓国が、勝手に日本と「競争心」を燃やしている。パンデミック終了後だけに、海外旅行客の動向に関心が持たれる。韓国は、日本に遅れてはならぬと必死の形相だ。 

10月のデータでは、日本が49万8600人で、前月比で2.4倍もの増加であった。韓国は、28万9590人で、前月比73.%増。このデータには、チェジュ(済州)島から入国した外国人の数が除外されているという。これを含めれば、30万人台になったであろう。

 

韓国紙『WOWKOREA』(11月29日付)は、「日韓間で熱を帯び始めた、外国人観光客の獲得競争」と題する記事を掲載した。 

韓国経済新聞は11月19日、10月の外国人入国者が韓国と日本共に大幅に増加した中、両国の間で外国人観光客の獲得競争が激化していると伝えた。こうした中、韓国の文化体育観光部(部は省に相当)は韓国観光公社と共に、現在サッカーのワールドカップ(W杯)が開催されているカタールの首都ドーハで、韓国観光のPRキャンペーンを展開。外国人観光客の取り込みに余念がない。 

(1)「韓国法務部出入国・外国人政策本部によると、先月に韓国を訪問した外国人は28万9590人で、前月(16万6568人)比73.%増えた。韓国経済新聞は「この数字には団体観光客と(南部のリゾート地)チェジュ(済州)島から入国した外国人の数が除外されている。それだけに、実際に韓国を訪問した外国人の数はこれよりはるかに多いというのが観光業界の分析だ」と伝えている。一方、日本政府観光局によると、10月に日本を訪問した外国人観光客は49万8600人で、前月(20万6500人)比2.4倍も増加した」 

10月の外国人観光客数は、日本が前月比2.4倍、韓国は73.9%であった。増加率では、日本が韓国の3.2倍という急増ぶりである。日本と韓国では、地理的条件が全く違うので、単純比較は難しいであろう。日本は列島で、韓国が半島である。

 

(2)「日本政府は10月11日から短期滞在ビザ(査証)の免除や外国人の個人旅行の受け入れを再開。日本政府は韓国人に対するビザ免除措置を2020年3月9日から一時停止していたが、約2年7か月ぶりに再びビザなしで日本に入国できるようになった。これまで15万人としていた日本への入国者数の上限も撤廃したほか、入国者は日本到着時の新型コロナ検査と入国時の待機も原則必要なくなった」 

日本は、10月からビザなし旅行を受入れるようになった。これが、外国人観光客を急増させたのであろう。 

(3)「韓国経済新聞は、10月の両国のこうした状況に「この1か月間、両国の観光客誘致の『成績』は優劣をつけにくいほど良かった。ドル高の影響で、米国など海外旅行客の集客に有利な条件が整ったことが両国に好影響をもたらした」と分析した上で、「日韓両国は、相手国に先を越されぬよう、特化した観光商品の開発に全力を傾けるなど、熾烈(しれつ)な競争を繰り広げそうだ」と伝えた」 

日韓は、地理的条件と観光資源が全く異なるゆえに、無駄な競争は意味ないであろう。それよりも、外国人に日韓両国を旅行して貰うアイデアを出すべきだ。まさに、競争よりも協調である。日韓二ヶ国回って貰えれば「割引価格」を適用するという工夫である。「客回し」である。

 

(4)「同紙は、「外国人観光客を取り逃さないために両国が繰り出したカードは『ラグジュアリー商品』だ」とし、「観光の魅力度を高め、客単価を最大限高めるという戦略だ」と解説した。同紙によると、11月1日にはプライベート機に乗って米国から観光客46人が韓国を訪れた。国籍は様々で、元高級官僚や会社経営者などという。韓国のほか、ベトナムやトルコなど計7か国を訪問する旅行商品で、価格は約2200万円。韓国観光公社のユ・ジュンホ観光商品室長は同紙の取材に「富裕層の観光客の支出は一般の観光客より4倍以上多い」と話した」 

富裕層のプライベート機による海外旅行もあることに驚かされる。これは、アイデアさえ出せば、日本の旅行会社でも実現可能だ。

 

(4)「文化体育観光部は、カタールでのW杯開催に合わせて、首都ドーハの中心部に大会組織委員会が運営する特設会場に韓国観光広報館を設置した。聯合ニュースによると、広報館では人工知能(AI)による肌診断や韓国スタイルのメ-キャップをバーチャルで試せる医療・ウエルネスプログラム、ハングルのカリグラフィー(西洋書道)をはじめとする伝統文化プログラムを準備した。K-POPダンスゲームなども体験できるという」 

韓国は、カタールでのW杯開催に合わせて展示館を設置した。韓国チームの成績が良ければ、韓国への旅行客が増えるであろう。

 

(5)「日本政府観光局も、客単価と付加価値の高いアドベンチャー体験型旅行商品の開発に力を入れている。ウインターシーズンを迎え、スキーなどのレジャー活動を楽しみたいと考えている旅行者を積極的に取り入れたい考えだ。両国の外国人観光客の獲得競争は、今後、ますます熱を帯びることになりそうだ」 

海外旅行客の増加は、「輸出」と同じでドルを稼ぐことになる。20年1月の新型コロナ発生する前の日本は、2019年に年間2000万人へ達した。20年以降は、パンデミックで見る影もない状態だ。これを再び盛り返すには、どうするかである。韓国と競争するだけでは意味がない。