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つい半年前まで、韓国が先進国入りと「大はしゃぎ」していたが、今はそういう浮ついた話もなくなった。それどころか、経済危機が叫ばれる事態になっている。11月の輸出が、中国経済の不調を受けて前年比14%減という落込みになったのだ。

 

韓国輸出の25%を占める中国経済の停滞は、大きな打撃である。その上、12月1日までで8日間になる貨物労組の運送ストは、12の主要港湾のコンテナの搬出入量を40%も減少させている。これが、輸出へさらなる打撃を与える懸念が強まっている。

 

『東亜日報』(12月2日付)は、「11月の輸出が前年比14%減、第4四半期にマイナス成長の危機」と題する記事を掲載した。

 

(1)「グローバル景気減速とエネルギー価格の高騰に続き、貨物連帯のストにまで見舞われ、韓国経済の主な動力である輸出が2ヵ月連続でマイナスを記録した。このため、貿易収支は8ヵ月連続の赤字に陥り、1997年の通貨危機以来25年ぶりに最長期間の赤字が続いている。政府は、貨物連帯のストが長期化すれば、12月の輸出にも悪影響を及ぼすものと見ている。今年第3四半期(7~9月)に0%台に止まった経済成長率は、第4四半期(10~12月)に逆成長に転じる可能性があるという分析も出ている」

 

韓国経済は、輸出が屋台骨を支えている。その輸出が11月は、前年比マイナス14%という落込みである。貨物労組のストライキが続いているので、12月も輸出はマイナスを記録するだろう。こうなると、10~12月期のGDPはマイナス成長が不可避の状態だ。

 

12月1日で8日目を迎えた貨物労組の運送拒否は、低迷している輸出に致命的な打撃を与えるであろう。物流マヒにより、石油化学メーカーの出荷量は通常の30%の水準に激減している。12の主要港湾のコンテナの搬出入量は40%も減少した。これによる被害だけでも、数千億ウォンに上るものと試算されるという。今後、鉄道労組までストに加われば、陸上物流は完全に麻痺する。ストのために、セメントの供給を受けられず止まった建設現場では、第4四半期の完工率を下げる要因になる。泣き面にハチという状況である。

(2)「産業通商資源部が発表した「11月の輸出入動向」によると、11月の輸出額は519億1000万ドルで、1年前に比べて14.0%減少した。パンデミックが本格化した2020年5月(マイナス23.7%)以来、2年半ぶりの最大の減少幅となる。先月、原油やガス、石炭の輸入額が1年前に比べて27.1%も高騰した影響で、全体輸入額(589億3000万ドル)は2.7%増えた。このため、11月の貿易収支は70億1000万ドルの赤字で、10月(67億ドル)より赤字幅がさらに大きくなった」

 

11月の貿易赤字は70億1000万ドル、10月の67億ドルの赤字を上回った。この状態は、12月も続く。

 

(3)「輸出額の減少は、グローバル景気の減速で主な輸出品目である半導体の輸出が昨年より29.8%激減した影響が大きかった。これは2019年11月(マイナス30.8%)以来、3年ぶりの最大の減少幅だ。石油化学(マイナス26.5%)やディスプレイ(マイナス15.6%)など、主な15品目のうち11品目の輸出が軒並み減少した」

 

主要輸出15品目中、実に11品目が落込んでいる。主力の半導体市況は、これから本格的な調整期に入るので、貿易赤字が今後も続くはずだ。

 

(4)「問題は、来年以降も輸出が低迷する可能性が高いという点だ。大韓商工会議所は12月1日、来年第2四半期(4~6月)まで景気下落の傾向が続くと予測したのに続き、韓国貿易協会は来年の貿易収は138億ドルの赤字になると予想した。秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は同日、「物価不安が続く中、生産と輸出が減少し、景気減速が深刻化する非常に厳しい状況だ」と話した」

大韓商工会議所は、来年央までの景気低迷を予測しているが、後半に立ち直る確証がある訳でもない。半導体市況の回復を見込んでいるのであろうが、半導体は未だ在庫調整が始まったばかりである。半導体「大好況」後の在庫調整である。「浅い谷」で済むはずがないのだ。「山高ければ谷深し」である。