サンシュコ
   

中国は、これからどのようにして経済運営する積もりか。6月末の総債務残高(金融機関を除く)は、295%にも達した。その後の経緯から見て、すでに300%になったと見られる。ゼロコロナでコストが増える反面、ロックダウンによる経済不振で対GDP比で3倍にもなったと見られる。

 

中国人口は、今年から減少過程に入る。来年は、インドに抜かれて「世界1」の座を下りるのだ。こういう人口動態の変化から、全人口に占める60歳以上の高齢者の比率が2025年までに20%を超え、中程度の高齢社会(超高齢社会)の水準に達する。さらに、2035年にはこの比率が30%を超え、超高齢社会へ突入する見通しだ。これは、中国国務院(内閣)がまとめた「高齢化対策の強化と推進に関する報告書」のなかで示されたものだ。

 

このように人口動態的に見た中国は、「老年期」へ差し掛かっている。この段階で、これだけの債務残高を背負って行くのは大変な負担だ。まさに、「中国終焉」というに相応しい状況である。

 

『日本経済新聞 電子版』(12月6日付)は、「中国の借金再び最高 GDPの3倍に迫る 政府債務膨張」と題する記事を掲載した。

 

中国の債務が膨らんでいる。国際決済銀行(BIS)によると、経済規模と比べた債務残高の比率は6月末に過去最高を更新した。新型コロナウイルス対策の移動制限で景気が悪化し、地方政府がインフラ建設のため債券の発行を増やしている。一方、民間企業や家計は投資や住宅購入に及び腰だ。人口減少が始まり、成長余地が狭まっている。

 

(1)「BISが5日公表した金融機関を除く債務残高は6月末時点で、51兆8744億ドル(約7100兆円)だった。国内総生産(GDP)比で295%となり、遡れる1995年末以降で最高となった。今の中国の債務比率は98年3月末の日本(296%)に近い。98年の日本の1人あたり名目GDPは3万2000ドル台だった。対照的に2021年の中国は1万2000ドル台にとどまる。今後は急速な少子高齢化で、財政に占める社会保障の負担は高まる。財政支出の硬直化が進めば、景気対策のために債務を拡大する余地も乏しくなる。豊かになる前に老いてしまう「未富先老」も現実味を帯びてくる」

 

中国の債務比率295%は、98年3月末の日本(296%)に近い。当時の日本は、1人あたり名目GDPが3万2000ドル台。2021年の中国は、1万2000ドル台にとどまる。ざっと、日本の3分の1強だ。この高い債務残高比率が、中国経済にとって極めて高い負担になるのは間違いない。

 

(2)「中央政府である国務院はインフラ建設を景気対策の柱に位置づけ、地方政府にインフラ債の発行を加速させた。22年の新規発行額は過去最大の4兆元(約78兆円)を突破したもようだ。部門別でみて、政府部門の債務膨張が際立っている。6月末時点の比率は、これまでピークだった20年末より6ポイント上がった。対照的に企業や家計の債務比率は同期間に低下した」

 

中国は、景気対策としてインフラ投資に頼っている。民間経済の活性化には全く関心を持たないという、極端な「国進民退」スタイルを貫いている。民間経済の活性化は、習氏の政敵である上海閥に力を持たせて復活させるという「勢力争い」が理由で低俗だ。

 

(3)「中国人民銀行(中央銀行)によると、銀行から見た企業の資金調達需要を示す指数は46月に、59カ月ぶりの水準に悪化した。79月も戻りは鈍い。なかでも民間企業は投資に及び腰だ。110月の固定資産投資は前年同期比2%増にとどまった。国有企業が11%増と大幅に伸びているのとは対照的だ。政府が景気のテコ入れへ国有銀行を動員して、国有企業向け融資を積み増しているとみられる」

 

習氏は、「共同富裕論」に基づいてIT関連や住宅開発に規制の網を張った。これでは、民間企業が投資をする筈もなく、模様眺めに終わっている。国有企業が、国有銀行からの融資で投資をしている程度である。

 

(4)「家計も住宅ローンなどの借金を膨らませようとはしない。政府の不動産向け金融規制の強化や景気の悪化で住宅市場の低迷が長期化しているためだ。人民銀行の預金者向けアンケート調査をみると、79月の住宅に対する値上がり期待は確認できる09年以降で最小を記録した。新型コロナを徹底して封じ込めようとする「ゼロコロナ」政策などで景気の先行きが読めないことが、民間企業や家計の慎重姿勢の背景にある。さらには人口減少など中長期的な不安も慎重さを増幅させている可能性がある」

 

住宅は、これまでの過剰供給が災いしており、今後は少なくも数年間にわたり「鳴かず飛ばず」の時代が来るはずだ。これが、不動産バブル崩壊の後遺症である。

 

(5)「国連は7月に公表した最新の人口予測で、中国の71日時点の総人口は前年比で減少したと推計した。過去の産児制限の影響で今後は減少が加速する。25年後の47年までの減少幅は、総人口の6%に当たる約9000万人に上る。高齢化も急ピッチで進み、今は38.5歳の平均年齢も47年には50歳を超える」

 

全人口に占める60歳以上の高齢者の比率は、2025年までに20%を超える。「高齢社会」になるのだ。国際標準では、65歳以上の人口が基準になるが、中国では「60歳定年制」ゆえに、60歳を高齢社会の基準にしている。中国は、5年間のギャップを背負っている。