トヨタ自動車は、22年も3年連続で世界1の販売台数を達成した。EV(電気自動車)で出遅れていると指摘されながら、トヨタの強みは盤石という。S&Pの推計によれば、2030年も2位VW(ドイツ)に198万台の差をつけて、世界1位の座を守るという。
『ブルームバーグ』(1月30日付)は、「トヨタが世界販売3年連続首位、当面盤石かー2位独VWとの差は拡大」と題する記事を掲載した。
トヨタ自動車が、2022年の世界販売台数で3年連続で世界首位となった。世界的な半導体不足などによる生産制約はあったものの、中南米やアジアで販売を伸ばしたことが奏功した。独フォルクスワーゲン(VW)との差は拡大しており、市場ではトヨタの世界首位は当面揺るがないとの声も出ている。
(1)「トヨタの30日の発表によると、子会社のダイハツ工業や日野自動車を含めたグループ全体の昨年の世界販売は前年比0.1%減の1048万3024台だった。VWは今月、22年の世界販売が同約7%減の826万2800台だったと発表していた。トヨタの主力市場である北米では、部品供給不足の影響を受けたほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響が薄れた21年前半が好調だったことの反動が出て、トヨタ・レクサスブランドは前年比8.8%減の244万5125台となった。一方で、アジア地域ではコロナ禍からの経済回復や各国の経済刺激策などにより同6%増の332万4735台となったほか、中南米でも2割超の販売増となった」
トヨタは、アジア・中南米・中東・アフリカで販売台数を伸している。地球規模的な強みを発揮している。
(2)「VWは、16年に世界販売台数でトヨタを抜いて世界首位に立ってから4年連続でその座を維持していたが、コロナ禍で地盤とする欧州の販売が落ち込んだことなどで20年にトヨタにタイトルを奪還された。その後、両社の販売台数の差はさらに拡大しており、トヨタの世界首位は当面揺るがない可能性がある。S&Pグローバル・モビリティーの川野義昭アナリストは、「両社とも生産制約の影響は徐々に緩和傾向になり、全般的には緩やかな回復・成長となると中長期では見込まれる」と指摘」
トヨタの世界首位は、当面揺るがない可能性があると指摘されている。
(3)「トヨタは、インドなど南アジア地域の市場成長や中東・アフリカや南米などの地域での牽引が下支えするのに対し、「VWはロシアや欧州地域での市場自体の不透明性が残り、かつ欧州地域での電動車の拡大により新たにテスラや中華系OEMのプレイヤーの需要の高まりなどを受ける」とみているという」
トヨタは、インドなど南アジア地域の市場成長や、中東・アフリカや南米などの地域での牽引が下支えする。各国の映像を見ていると、トヨタ・マークが頻繁に出てくる。強い販売網が構築されていることを示している。
(4)「トヨタは、16日に23年のトヨタ・レクサス車の世界生産について1060万台を上限として取り組むと発表。ただ、1割程度下振れするリスクもあるとしており、車載半導体を中心とした部品不足や新型コロナウイルス感染拡大など不確定要因が依然多く、安定的に生産ができるようになるまではまだ時間がかかる見通しだとしている。22年の世界生産は902万6713台だった。また、世界景気見通しの悪化に伴う自動車需要の鈍化に対する懸念もある。VWのアルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は昨年12月のインタビューで、23年は前年よりも「さらに厳しい」年になるとし、自動車業界の成長は1桁になるとの見通しを示した」
VWは、欧州地域の販売で力強さを欠く。23年は、前年よりも厳しいと見込んでいる。
(5)「S&Pの予測によると、トヨタの23年ライトビークル(乗用車と小型商用車)の販売見通しは約1039万4800台で、VWは約799万4800台。トヨタの販売台数は、30年時点でもVWを約198万台上回ることが見込まれるという」
S&Pの予測では、トヨタが2030年でも2位のVWに対して、約200万台の差をつけるという。トヨタが盤石の強みを発揮する見通しだ。
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