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韓国経済の支柱である半導体は、輸出の4割が中国向けである。サムスンとSKハイニックスが、中国で半導体を生産しているが、米国からの大きな圧力が掛かってきた。それは、米国が昨年10月に発表した中国向け半導体輸出規制措置である。18ナノ(ナノメートル=10億分の1メートル)以下のDRAM、16ナノ以下のロジックチップを製造できる装置と技術を中国に販売する場合、米商務省の許可を取るよう定めているためだ。

 

韓国半導体メーカーは、この米国の半導体輸出規制措置によって、いずれは中国での生産が不可能な事態になりかねない状況だ。韓国にとっては、経済的にも厳しい状況である。

 

韓国がこのような状況に追込まれているのは、日本・米国・韓国・台湾による米国主導の半導体同盟「チップ4」が2月16日に最初の本会議を開催したことだ。チップ4は、中国の「半導体崛起(くっき)」をけん制するため、米国が・日本・韓国・台湾に提案した半導体同盟だ。韓国は、今回の会議へ出席したことで「韓国のチップ4参加も本格化するのでは」との見方が浮上しているほど。

 

『朝鮮日報』(2月25日付)は、「韓国の半導体、『中国工場撤退』という最悪の事態まで想定せよ」と題する社説を掲載した。

 

サムスン電子とSKハイニックスが中国にある工場で製造している半導体に関して、韓米経済安保フォーラムに出席した米商務省の産業安全保障担当次官が「製造できる半導体の水準に限度を設ける可能性が高い」と発言した。米国は昨年、半導体製造装置の中国輸出を禁止する際、サムスン電子・SKハイニックスの中国工場に対しては1年間の猶予措置を取った。担当次官のこの発言は、同フォーラムで「猶予期間が終了したら、その後はどうなるのか」という質問を受けてのものだ。

 

(1)「サムスン電子は現在、NAND型フラッシュメモリの40%を中国・西安工場で、SKハイニックスはDRAM半導体の40%を中国・無錫工場で製造している。今は米国が提示した基準以下の製品を製造しているが、問題は今後のことだ。半導体産業の特性上、製造装置をアップグレードし続けなければ製品競争力が維持できず、収益も上がらないためだ。専門家らは「今後3~5年以内に中国工場での半導体製造を中止しなければならない状況になる」と考えている」

 

下線部のように、韓国は中国での半導体製造の中止に追込まれる懸念が強まっている。半導体が支える韓国経済だけに、その影響力は無視できない。1980年代後半、日本は米国との半導体紛争に巻き込まれ結局、その後の半導体が斜陽に向かった。この苦い経験を振り返ると、韓国も厳しい将来が待ち構えている。

 

(2)「米政府は、同国の補助金を受け取っている半導体製造企業に対して10年間、中国に半導体製造ラインを新設・増設できないようにする方針だ。米国に170億ドル(約2兆3200億円)を投資してファウンドリ(半導体受託製造)工場を建設するサムスンと半導体研究開発センター、先端パッケージング工場を推進中のSKハイニックスが補助金を受け取れば、この規制の対象となる。既に日本やオランダも半導体製造装置の中国輸出について中止を決めている」

 

日本の半導体製造装置は、中国輸出が止ってもさしたる影響を受けない。中国が未だ、日本製半導体装置を必要とする段階になっていない結果だ。それよりも、日本製の中古半導体製造装置が引っ張りだこの状況という。

 

(3)「韓国の半導体は、40%が中国に輸出されている。政府と企業は、対米通商外交チャンネルを総動員し、中国工場の稼働年限を最大限延長する解決策を模索しているが、中国工場撤退に備える「プランB(代替案)」も用意しなければならない。韓国政界は半導体支援法を一日も早く通過させ、半導体製造企業の国内新規投資を最大限支援すべきだ。半導体産業の競争力維持は企業の生き残りはもちろん、韓国経済の生き残り、ひいては大韓民国の安泰にかかわる問題だ」

 

韓国半導体は、「製造技術」というノウハウ部分に特化している。半導体の設計・製造装置・素材という他の分野はゼロ同然である。こういう状況だけに、中国での製造が不可能になれば大きな痛手だ。もはや、「半導体強国」とは言えなくなる恐れが出てきたようだ。