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岸田首相は3月21日、ウクライナを電撃訪問した。中国の習近平国家主席が訪ロして、プーチン大統領と会談と同日であった。岸田氏のウクライナ訪問は、訪印後に行われたもので警護の関係でこの日しかないという選択だ。中国は、そのように受け取らず、日本があえて周氏の訪ロの日程に合わせたと見ている。日本外交が、中国へ対抗しているというのだ。 

『中央日報』(3月28日付)は、「なぜあえてあの日にウクライナへ行ったのか、岸田首相の野心 中国は不安だ」と題する記事を掲載した。 

「岸田文雄首相は『アジアのライバル』である習近平中国国家主席と『外交的決闘』を行った」。21日、岸田首相の電撃ウクライナ訪問を巡り外信からはこのような評価が出た。この日はロシアを訪れた習主席がプーチン大統領と首脳会談を臨む日だった。今年5月に広島で開催される主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)を控えて「幅広外交」を繰り広げている岸田首相。中国がこのような岸田首相の動向に不安を感じているという外信報道が26日(現地時間)、出てきた。

 

(1)「香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)は専門家の言葉を引用して「岸田首相のこのような外交的行動主義の主な動力は、ここ数カ月間、地域勢力の戦略的再編成過程で大きく浮上した中国要因がある」と分析した。特に中国とロシアの関係強化は、G7首脳会議を控えて日本が中国に焦点を合わせて外交的活動を強化し、インド太平洋地域の地政学的再編成を行うことを加速させていると診断した。中国が外交的存在感を強めて中露が密着すると、すぐにこれを牽制(けんせい)するために積極的な外交活動に乗り出したという意味だ」 

中国は、尖閣諸島で日本領海を常時、侵犯しているという事実を棚に上げている。日本が、中国を安全保障上で警戒するのは当然である。

(2)「岸田首相は16日、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と東京で首脳会談を行った後にインドを訪れて新たなインド太平洋戦略を発表したことに続き、中露首脳会談当日にウクライナ・キーウ(キエフ)を電撃訪問した。また、27日の参議院本会議でウクライナ戦争に関連して中国の責任感ある対応を促した。中国人民大学の時殷弘教授は「当初、岸田首相は中国政府から対中穏健派と認識されていたが、中国からの認知された脅威を阻止しようとする取り組みの中でウクライナの電撃訪問をはじめとして、具体的に、時には攻撃的措置を取った」と話した。また「岸田首相のこのような歩みは西側と中国の間の不和が深まる中で西側同盟の間で主導権を握ろうとする日本の野心を見せている」と診断した」
中国は、ロシアのウクライナ侵攻を支持する立場を取っている。正確に言えば、「中立を装いながらのロシア支持」である。これは、中国の台湾侵攻の際に、ロシアの支援を受けたいという狙いとみるべきだ。当然、尖閣諸島への侵攻も想定しなければならない。

 

(3)「このような状況で日本の外交的足場を広げるために岸田首相は、G7議長国の地位を十分に活用しているという分析がある。今年G7議長国資格で首脳会議に出席する招待国を決めることができる日本は、韓国・インド・ブラジル・インドネシア・ベトナムなどの各首脳を招いた。また、ウクライナのゼレンスキー大統領も画像を通じて参加することにした。中国清華大学現代国際関係研究所の劉江永・副所長は、「岸田首相が中国に対抗した連合構築という自身の外交政策に対する支持を糾合するためにG7議長国の地位を利用している」と話した」 

日本は今年、G7の議長国である。安保問題では中ロが話題の焦点になろう。となれば、日本が、インドや韓国を招待国に選ぶのは当然である。
 

(4)「岸田首相が、対中牽制程度を高めると中国は不満を隠さないでいる。岸田首相のウクライナ訪問を契機に、日本とウクライナは共同声明で「両国首脳は東・南シナ海の現状を変えようとする一方的な試みに強く反対することを表明し、台湾海峡の平和安定、両岸(中国と台湾)問題の平和的解決重要性を強調した」と明示した」 

欧州でのウクライナ侵攻は、アジアの台湾侵攻につながる可能性を持っている。中ロの一体化がそれを示唆しているのだ。中国自身が、日本外交を対中牽制へ持ち込んでいると見るべきだろう。 

(5)「これに対して中国一部では岸田首相が「ウクライナで今起きていることが明日は西太平洋と東シナ海で起きる可能性がある」というメッセージを出しているという解釈が出てきた。これに関連し、中国の汪文斌外交部報道官は「我々は日本が情勢安定に資する仕事を多くするように望む。その反対になってはいけない」と述べた。中国官営『グローバルタイムズ』は「ウクライナの今日は台湾の明日という岸田の主張は危険だ」と批判した」 

中国が尖閣諸島へかけている圧力が、日本を警戒させている理由だ。南シナ海も不法占拠している。こういう一連の行動から見て、中国が軍事的膨張策に出ているのは紛う方なき事実である。

 


(6)「SCMPは中国を特に不安にさせているのは、日本とインドの密着だと指摘した。メディアは両国首脳が20日に首脳会談を開催し、エネルギー・食糧などの分野で協力を拡大していくことにしたとし、インドは中国に対抗するためには日本と利害関係を共有すると伝えた。インドは中国と長い間国境紛争中であり、日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)の加盟国でもある」
日印関係は、安倍首相(当時)が強固なものに築き上げ、さらに「クアッド」へ発展させるきっかけになった。この原因も中国が日印双方へ軍事的圧力をかけた結果である。すべて、中国の身から出たサビと言うほかない。