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中国は、韓国が「二股外交」に幕を引き、西側諸国と価値観同盟を結ぶという選択に焦っている。中国が現在、些細なことに「ケチ」をつけて、大げさに騒いでいるからだ。こういう中国の感情的な振る舞いは、韓国の離反が経済的にも手痛い打撃になっていることを証明する。中国半導体が、致命的な損害を受けるのであろう。

 

中国は、韓国が米国と「鋼鉄の同盟」と結束を誇っているだけに、日本へ接近してきた。日本が半導体製造装置の対中禁輸措置を決めたことへの「陳情書」だ。日本人を「反スパイ法」で拘束する一方で、こういうアプローチをしてくる。利益のためには、メンツを捨て手段を選ばない動きをするのだ。

 

『中央日報』(4月28日付)は、「中国の非難に焦りがにじみ出ている」と題する記事を掲載した。

 

中国は、「鋼鉄同盟」を高らかに謳う韓米首脳を見守った不安が、凶器のような荒々しい言葉で噴出している。THAAD(高高度防衛ミサイル)事態以降、静かだった韓中関係が再び荒波に陥る雰囲気だ。

 

(1)「環球時報元編集者の胡錫進氏は4月27日、「大勢は逆らうのが難しい」という題名のコラムで、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領を露骨に非難した。尹大統領に対して胡氏は、「韓中修交以降、中国に最も非友好的な韓国大統領であり、韓国社会の反中感情をあおる実質的な煽動者の1人」としながら「韓国を悪の道に追い込んでいる」と直撃した。さらに「尹大統領は中国文化で定義する小人で、道徳性が不足していて戦略的夢遊病患者のように行動する」とし「中国はそのような政治家を叱責し、決して免罪符を与えてはいけない」と主張した」

 

感情論での批判は、中国が苦しい立場であることを証明している。中国も感情過多に陥っている。「戦狼外交」の延長戦だ。

 

(2)「前例を探しづらいほど過激な言葉での韓国非難だ。中国「戦狼」メディアの代表格である胡氏は、ソーシャルメディア2476万人のフォロワーを率いて、当局の意中そのままに世論を追求してきた。「中国は、戦略的決断を維持して尹政府とダンスを踊ってはならない」という部分で、今後の中国による反撃を予想させる」

 

中国は、どういう形で韓国へ報復するか。5月のG7首脳会議では、中国による制裁に対する共同報復案が検討される。中国は、この「罠」に引っかかる恐れがあろう。

 

(3)「韓国政府は、中国の態度にひとまず言うべきことは言うという姿勢だ。中国外交部が、尹大統領の台湾発言に対して20日「口出しを容認しない」と言ったことに、韓国外交部は「無礼な発言は容認しない」と正面から受けて立った。「日本にひざまずいた」という中国メディアの報道には、「傲慢が度を越した」と反撃した。反論とあわせて「武力による現状変更はしてはならない」という発言に興奮した中国に、「一つの中国原則を尊重する立場には変わることがない」と流した韓国外交部の応酬は時期適切だった。韓国の原則的な発言に興奮し、中国が外交的礼儀まで失ったという印象だけを残したのである。中国外交部はこの日も韓米共同声明を問題視して「台湾問題で間違った危険な道に行くな」と警告した」

 

中韓の応酬で見せた韓国の対応は、堂々としていた。中国よりも「格上」という感じさえするほどだ。韓国が、冷静に切り返しており、過去になかった対中姿勢を見せている。

 

(4)「韓米間半導体協力を巡り、「米国の命令に従えば韓国企業に被害が及ぶ」という中国の反応も過度な側面がある。米国の提案は、韓国企業が中国のチップ不足分を満たさないでほしいと言うことだ。こうなればチップ輸入量が減る中国が、直接的な打撃を受ける場合が出てくる。焦った中国が、遠まわしに韓国を圧迫したといえよう」

 

米国は、韓国の半導体中国工場の生産量を今後10年間に5%増にすることにした。韓国半導体が、米国で補助金を受領するための条件である。中国の言い分は、この5%枠に縛られずに増産を要請しているのであろう。約束を破れば、韓国が米国から制裁される羽目になるから、契約破りは不可能なのだ。

 

(5)「韓米会談以降、中国がどんな対応に出るかははっきりしない。だが、北朝鮮問題や輸出企業制裁など中国が使える手段は多様だ。中国が受ける圧力が大きくなるほど反撃の強度も強くなる可能性がある」

 

中国は、米中デカップリングがもたらす影響を冷静に分析すべきである。台湾侵攻計画を捨てないことへのペナルティーだ。中国は、台湾侵攻を内政問題としている。ロシアも、ウクライナ侵攻を内政問題とするなど、全く同じ理屈である。戦争は悪という認識が、中ロに欠如しているのだ。これは、甚だ困ったことで、ペナルティーを科されて当然である。