韓国左派は今、大きな矛盾に陥っている。今回の日韓首脳会談で、福島原発処理水について日本と合同調査することに決まり、無害が証明された後に福島産農水産物の輸入禁止措置の不当性が浮上するからだ。日本人が日常、食している福島産農水産物で何らの問題も起こっていないにも関わらず、韓国は「難癖」つけて輸入禁止措置を取っている矛盾に直面する。韓国左派に危機が訪れるであろう。
『ハンギョレ新聞』(5月9日付)は、「『福島原発汚染水の視察』、放出・水産物輸入の口実にはならない」と題する社説を掲載した。
韓日首脳会談での合意によって、韓国政府は、日本の福島第一原子力発電所の汚染水海洋放出に関する状況を調べる専門家視察団を23~24日に派遣することにした。だが、韓国の専門家らの「視察」が、汚染水放出を押し切ろうとする日本政府の名目作りに利用され、福島産農水産物の輸入再開の圧力につながるのではないかという懸念が強まっている。
(1)「日本政府が国際原子力機構(IAEA)レベルではなく個別の国家に視察を許可したのは、台湾と太平洋島嶼国18カ国が集まる「太平洋諸島フォーラム」(PIF)に続き韓国が3番目だ。問題は、台湾とPIFが昨年と今年に福島県庁を訪問したときは、担当者の説明を聞き、汚染水貯蔵タンクや多核種除去設備(ALPS)、海底トンネルなどを見学するという過程で終わったという点だ。日本側が見せたい場所と資料を見ることができるだけであって、別途の自主的な検証は不可能だった。今回、個別視察まで進めた韓国政府が安全性について具体的な問題を提起できなければ、高濃度の放射性物質が混ざった汚染水をALPSで浄化処理した後、今年夏に福島近海に放出するという日本政府の計画に「正当性」を付与するだけになる」
韓国左派の拠点である『ハンギョレ新聞』は、反日総本部のような存在である。国際機関であるIAEAの存在についてすら、「日本の影響下」にあると言われなき非難をしてきたメディアである。それだけに、自社の存在を賭けて福島原発処理水について「無害論」を否定しなければならない事態になった。こちらのほうも興味深いのだ。
福島原発処理水については、IAEAと米国が無害を認めている。米国は、福島原発処理水の放流によって最初に影響を受ける国である。それだけに、慎重に検討したはずである。韓国原子力学会も無害説である。それにも関わらず、『ハンギョレ新聞』は反日という政治的意図によって、強硬に有害説をまき散らしている。中立であるべきメディアとしての立場を捨てているのだ。韓国社会のゆがみを見せつけている。
韓国左派は、福島原発処理水について科学的根拠を無視して反対論を唱えている。この裏には、韓国海産物の競争力が低い点がある。日本海産物の輸入金額が年々増えているだけに、福島原発処理水を理由にして輸入増を食止めたいという「底意」があるのだ。
(2)「よりいっそう懸念されるのは、韓国の適切な検証なしに今夏に海洋放出が始まれば、これまで守ってきた福島産農水産物の輸入禁止の原則も揺らぐことになるという点だ。日本政府は、福島が安全ではないというイメージが続くのは、各国の農水産物輸入禁止の影響が大きいとみて、執拗なほど解除を要求してきた。その結果、当初規制をしていた55の国・地域のうち、現在でも輸入を禁止している国は、韓国や中国など5カ所にすぎない。韓国はこれについて、世界貿易機関(WTO)でも日本に勝訴したが、汚染水放出に対して適切に問題を提起できず、輸入禁止の名目も失うことになる厳しい状況に直面した」
下線部は、WTOの複雑な「韓国勝訴」の事情がある。WTOは、放射能問題の無害をデータにおいて認めながら、「風評被害」という非科学的根拠で、韓国の輸入禁止を認めたのである。韓国左派が恐れるのは、今回の合同調査で「無害」の証明によって、韓国の輸入禁止措置の不当性が浮上することだ。
(3)「『韓日関係改善』だけを叫び、日本の要求を無条件に受けいれてきた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権を見つめる世論の懸念は強まっている。国民の健康と安全、海と水産業の未来がかかわる問題まで、日本に一方的に“大盤振る舞い”をするという状況は、絶対に容認できない。政府はまず、検証団を適切に編成し、安全性を確認するまでは汚染水を放出しないという約束を日本から受けなければならない。独自検証の後には、汚染水放出の延期を日本政府に正式に要求した太平洋18カ国など国際社会との連帯の可能性も視野に入れなければならない」
下線部は、韓国の海産物「保護貿易主義」を露骨に表している。韓国がTPP(環太平洋経済連携協定)に加盟できない理由の一つは、日本に対して自動車と農水産物の競争力の低さにある。いずれも、高関税で保護さているのだ。


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