韓国学生は、日本へ留学し日本企業へ就職するコースが、日韓シャトル外交の成果として実現の可能性が出てきた。このアイデアは、朴槿恵大統領時代に話題に上がっていたが、文在寅政権で潰された経緯がある。日本へ便宜を図る必要はない、という「反日論」によるものだ。
日本企業には大きなメリットになる。優秀な学生を採用できるチャンスが広がるからだ。日本企業は、韓国で就職説明会を開いてきたが、日本への留学・インターシップがセットになった制度がスタートすれば、安定した採用ルートが開かれる。
韓国左派のような「ゴリ押し」タイプは、若者に見られない。そういうタイプは、日本留学を希望するはずもないので、安心して大丈夫だろう。このプログラムでは、日本人学生も韓国へ留学し韓国企業でインターシップを受けられる。仮に、サムスンへ就職したい学生には、その道も可能になる。
『中央日報』(5月26日付)は、「韓国学生が日本で単位取ってインターンシップも、『韓日版エラスムス計画』本格推進」と題する記事を掲載した。
早ければ来年3月から韓国の青年が日本の大学で奨学金を受けて単位を履修し、日本企業でインターンシップも行う見通しだ。もちろん、日本の若者も同じだ。これを現実化するために、いわゆる「韓日版エラスムス計画」が本格的に推進される。
(1)「エラスムス計画とは、相互単位認定と共同カリキュラム開発を通じて、欧州連合(EU)加盟国内の大学生150万人が域内の他国で授業を受けながら単位を取られる学生交流プログラムだ。1987年に欧州では始まった異例の毎年30万人の学生が参加している。韓日両国がこれをベンチマーキングするということだ」
エラスムス計画は、EUですでに実績を重ねている。このシステムを日韓で導入する。韓国では、日本企業への就職を目指し、高校から日本へ留学するケースまである。日本の学生として日本企業へ就職しようという目的である。
(2)「韓国与党関係者は25日、中央日報との電話インタビューで「12年ぶりの韓日シャトル外交の再開を契機に両国の未来志向的な韓日関係の形成に向けた大学生交流プログラム運営を推進することにした」と述べた。また「大統領室や首相室、教育部が中心になって準備している」とし「非公式ラインを通じて日本政府にも知らせ、駐韓日本大使館にも意思を伝えた。公式協議に入れば、合意に達するだろう」と述べた。中央日報が入手した「韓日エラスムス計画提案書」によると、両国は未来人材育成のために学生交流プログラムと産業探索プログラム運営を推進している」
すでに、プログラムはかなり具体化しているようだ。日韓シャトル外交開始に当たって、日韓財界がそれぞれ1億円を拠出して学生交流プログラムを検討することになっていた。それが、早くも実を結ぶ段階になった。
(3)「学生交流は両国大学間の学部生の学期交流が核心だ。交流可能な専攻および講義リストを共有し、オフラインで履修して単位認定を受ける方式だ。交換学生には別途の奨学金も支給される。休み期間に韓日文化理解の向上に向けた短期プログラムもともに運営する予定だ。これを皮切りに両国大学が共同教育課程を開発し、共同・複数学位課程も運営して高度化した高等教育の交流として発展させていくというのが政府の構想だ」
奨学金も支給されるから、経済面で安心して留学可能になる。ユン大統領の父親は、一橋大学へ統計学の学者として2年間留学している。こういう経験も生かされるのであろう。
(4)「韓日企業家精神の育成に向けた企業探索プログラムも開発し、両国経営事例共同学習プログラムおよびインターンシップも運営する予定だ。与党関係者は「韓日主要企業を分析し、両国の事情と産業に対する理解を基盤に学生の就職力を強化するのが目標」と話した。実際、これを進める「事業発足推進段階案」も用意した。これによると韓日政府や経済団体、大学協議体などが仮称「韓日エラスムス」設立に合意し、遅くとも6~7月には発足することを目指している」
下線によると、近々に具体案が公式発表される。これまで、韓国人学生を受け入れてきた大学が、まず名乗りあげるに違いない。私がかつて勤務した大学もこの制度に参加するだろう。
(5)「これには事業運営財源をめぐる議論が欠かせないが、両国の財界を代表する全国経済人連合会(全経連)と日本経済団体連合会(経団連)を通じて作られる未来青年基金を活用する方針が有力だ。また、7月に事業管理機構を設立し、9月に参加希望大学を募集した後、2024年3~4月に学生交流を始める日程だ」
日韓企業が、おのおの1億円を拠出している。これが、母胎になってさらに資金を拡大すればよい。
(6)「学生基準では、交流希望大学の探索→交流希望大学に個別申請→交換学生入学許可書発行→奨学金申請→出国および交換学期修学の順だ。尹大統領側関係者は期待効果について「大学-企業間連携を通じた交流で韓日大学の国際化能力が強化され、両国学生も国際的な能力を備えた未来人材に成長する機会を持つことになるだろう」と述べた」
このプログラムほど、日韓のニーズに合致するものはない。韓国は就職難、日本は求人難である。若者の相互理解には欠かせないであろう。
コメント
お断りしたい!!
韓国には、日本に対する感情で2派があります。日本へ留学し日本企業へ務めたいという若者は、左派ではありません。十把一絡げで、こういう日本を好きな若者まで追い出すことが得策でしょうか。日本はどんどん労働力が減っています。お尋ねします。
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