中国のウクライナ「和平仲介」特別代表は、ドイツとフランスへも足を運んだ。その際、ロシアの占領を前提にした和平を提案したという。こういう無謀な提案を持って、各国を回った狙いは何か。ロシアへ恩義を売っていずれ「金を取る算段」ではないかという憶測が出ている。それほど、中国人商法は金に敏感だというのだ。
『朝鮮日報』(5月27日付)は、「中国は請求書を忘れない」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のイ・ボルチャン北京特派員である。
今年3月、中国の習近平国家主席の訪ロ直後、中国のある実業家が「中国の国有企業は早くからシベリア工作組(事業団)を立ち上げていたが?」と言った。
(1)「中国がウクライナ戦争で事実上、ロシアの側に立ってやる代価として、大規模なエネルギー支援を得ることを考えているという話だった。実際、4月1日に中国は、165年ぶりにロシアのウラジオストク港の使用権を取り戻した。外部からは、習近平のロシア注力を巡って「欧州に憎まれるばかりで実のない外交」と評されたが、中国は正確に値を付けて代価を受け取っている」
中国は4月1日、165年ぶりにロシアのウラジオストク港の使用権を取り戻した。これは、ウクライナ「和平仲介料」という見方がされている。あり得ない話ではない。日本が2000年過ぎに、中国へODA(政府開発援助)で借款を供与していたころ、この資金をアフリカで「又貸し」していたことがあとから発覚した。日本が打ち切りを通告すると「逆ギレ」して、継続するように脅迫するほどだった。金にはきれいとは言えない民族である。
(2)「自らを「商業主義大国」と称する中国の属性は、「絹商いの王書房」(韓国における中国人のステレオタイプのイメージ)そのものだ。他国を政治的な目的で助けるとしても、それ相応の経済的利得を別途手に入れる。だから、中国と手を組んだ国は二重に代価を支払わねばならないことが多い」
中国は、賄賂の国である。汚職が絶えない背景である。金にきれいであるはずがない。
(3)「習近平主席の力点事業である「一帯一路」に参加している中国金融機関の重鎮は、「カネを貸してやるとき、『返してもらえないかも』という心配はしない」とし、「現金で返してもらえないのなら港の使用権など利権で請求すれば済む」と語った。中国の友邦である北朝鮮すら、中国と取引する際、「取り立て」の日が来ると思うと慎重になる。朝中交易の中心地、中国・丹東と北朝鮮・新義州を結ぶ新たな橋が、完工してから10年たつのに北朝鮮側の拒否で開通していないことだけを見ても、北朝鮮の警戒心が読み取れる」
多くの発展途上国が、一帯一路で債務付にされて財政破綻に追込まれている。中国が、担保の取り上げを狙って行った過剰融資の結果である。
(4)「中国が最近、国際社会で「仲裁者」を自認しているのも、ある意味で新たな「国家ビジネスモデル」といえる。いわゆる「大国」の地位を利用し、世界の真っただ中で紛争を調停しつつ、仲裁費をたっぷり巻き上げようというのだ。今年3月、サウジアラビアとイランの国交正常化を仲介した後、サウジと中国の間で「中国元による取引」が急増した。中国最新の外交・安全保障政策パッケージである「発展・安全保障・文明イニシアチブ」は、外国がのぞいてみる「仲裁サービスマニュアル」になった」
中国は、仲裁費を取り立てているという。人民元取引の拡大だが、ドル節約の手段に過ぎない。これが、人民元の基軸通貨化への準備などではないのだ。中国は、そのような実力を持っていない。資本移動の自由化もしていない国である。
(5)「中国は、カネがなければ国際秩序を変えることはできず、経済的に米国に後れを取っている状況を逆転できない、と考えている。これは、中国が経済的利得を常に優先で気にかけ、「カネになること」であれば何であろうと全てやるだろうという予想を立てさせる。中国は米国と戦いつつも、米国企業のアップルとは親しい。見方によっては、中国こそが「政経分離」の標本なのかもしれない」
中国の富は、こういうせせこましいことをしても増えるはずがない。貧しいから、こういう他国を欺くようなことをしているのだ。国家の品格を落とすだけである。
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