テイカカズラ
   


韓国経済は、どん底状態にある。4月の経済データは、生産・消費とも前月比マイナスに落ち込んでいる。輸出主力の半導体が回復の手がかりをつかめないからだ。だが、「反日論調」は相変わらずだ。日本の株価高騰に対して冷ややかな見方で、韓国の企業業績の方が「上だ」とうそぶいている。 

シンハン(新韓)投資証券のキム・ソンファン研究員は、「日本市場が再評価されPERは20%上昇したが、安値圏である」とし、「日本企業の利益はまだ改善の兆しがなく、米国やヨーロッパ、韓国市場の利益展望の明るさとは異なる」と言い放っている。『wowkorea』(6月1日付)が伝えた。 

韓国企業の見通しが明るいはずがない。輸出依存の経済が昨年5月以来、輸出が前年同月比でほぼマイナスに落ち込んでいるからだ。前記の研究員は、何をもって「韓国企業の業績が上」としているのか、そういう根拠は全くない。

 

『東亜日報』(6月1日付)は、「4月の生産と消費が同時にマイナス転落 製造業の在庫率は『史上最大』」と題する記事を掲載した。 

輸出減少と内需萎縮の影響で、4月の生産と消費が同時にマイナスに転じた。さらに、半導体景気の低迷などで製造業の在庫率が過去最高に高騰した。今年下半期(7~12月)の景気回復が不透明だという予測が出ており、政府の「上低下高(上半期は低迷、下半期は上昇)」の期待とは裏腹に、「上低下低」の流れが続く恐れがあるという懸念が出ている。
(1)「統計庁が5月31日発表した「4月の産業活動動向」によると、産業全体の生産(季節調整・農林漁業を除く)指数は109.8(2020年=100)で、前月より1.4%減少した。これは昨年2月(マイナス1.5%)以来14ヵ月ぶりの最大の減少幅となる。このうち、半導体や化学製品などを含む鉱工業分野で生産減少が目立った」 

4月の鉱工業生産は、半導体や化学製品などの落込みで14ヵ月ぶりに最大の減少幅となった。

 

(2)「出荷の停滞に合わせて減産しているが、それでも在庫率(製品出荷比在庫比率)は130.4%で、前月より13.2ポイント高騰した。関連統計を取り始めた1985年以降、最も高い数値だ。在庫率の上昇は、製品がよく売れず、すでに生産された物が倉庫に積まれているという意味だ。特に半導体から出荷が20.3%減り、在庫は31.5%も増え、全体在庫率の上昇を主導した」 

減産しても出荷の落込みが大きく在庫率が跳ね上がっている。4月は130.4%で、1985年以降においてワースト記録となった。 

(3)「消費動向を示す小売販売額指数(季節調整)は、4月に105.2(2020年=100)で、前月比2.3%減少した。今年2月に5.1%増加し、堅調であった小売販売は3月に0.1%増加と鈍化したが、4月に入ってマイナスに転じた」 

生産の落込みは、消費減退を招いている。4月の小売販売額指数(季節調整)は、前月比でマイナスになった。

 

(4)「政府は、下半期の半導体景気の回復などを根拠に「上低下高」の観測を出しているが、景気回復の時点が予想より遅くなりかねないという予測が出ている。統計庁のキム・ボギョン経済動向審議官は、「政府は上低下高の景気の流れを予想したが、景気が上がる時点をめぐり色々と不確実な部分が多い」と話した。今後の景気を予告する先行指数は前月より0.2ポイント下がり、昨年11月から6ヵ月連続で下落した」 

政府は、今年下半期の景気回復を予測したが、来年へずれ込む見通しが強くなっている。景気先行指数が下落しており、底入れしていない状況だ。この底入れを確認してから数ヶ月後に、景気は回復へ転じる。 

(5)「何よりも、主要輸出品目である半導体の回復速度が、当初の予想を下回っている。産業研究院は、5月30日発表した「2023年下半期の経済・産業予測」の報告書で、今年下半期の半導体の輸出額は1年前より12.8%減ると予測した。今年全体では、半導体輸出が24.7%減少すると見ているが、これは今年1月に予測した年間減少幅(前年比マイナス9.9%)の約3倍に近い数値だ」 

汎用半導体市況の底入れは、スマホやパソコンの需要が回復しない限り不可能である。これらの製品も、需要回復はまだ見通せない状況だ。

 

(6)「産業研究院のキム・ヤンパン専門研究員は、「半導体景気は、今年下半期まで厳しい状況が続き、早くても来年上半期に持ち直すものと見られる」とし、「人工知能(AI)分野の成長にともなう期待があるが、(半導体市場は)まだパソコンまたはスマートフォンなど、個人的需要が主導しているため、AI分野の成長の影響が拡散するまでに時間がかかるだろう」と見通した。韓国開発研究院(KDI)のチョン・ギュチョル経済予測室長は、「世界的に金利高が続いているうえ、物価もやはり安定しておらず、景気減速はしばらく続くものと見られる。半導体業況と中国向け輸出が回復しても、上半期の低迷を緩和する水準に留まる可能性が高い」と話した」
半導体景気の回復は、来年となろう。韓国半導体は目下、注目の的である「生成AI」とは無縁である。この恩恵には浴せないのだ。